実家にネット回線がない。Wi-Fiなしで使える見守りの選択肢
固定回線もWi-Fiもない実家で、何なら置けるのか

PR本ページはプロモーション(広告)を含みます。製品の評価・順位は収益で変えていません。運営・選定方針

見守りカメラを買おうと決めたあと、商品ページの「必要なもの」の欄で手が止まる。実家には固定回線もWi-Fiもない。ルーターを置いたところで、親が電源を切ってしまえば同じことになる。この記事は、その状態から何が置けるのかだけを扱います。実家に回線がないという条件が入ると、選べる機器は6つの方式に絞られます。料金と仕様は各社の公式ページに書かれている内容から取り、参照日を添えました。あわせて、通信費まで含めた1年・3年の総額と、介護保険が効く場合/効かない場合の分かれ目も整理します。

先に結論

「Wi-Fi不要」は「通信が不要」ではありません。多くは本体が携帯回線で通信しているだけで、その分の費用はどこかにのっています(映像を外へ送らずSDカードに録るだけで、離れた場所からは見られない製品もあります)。だから機器の値段ではなく、初期費用と月額を1年・3年で足した金額で比べることになります。

買う前の順番は、①お住まいの市区町村に緊急通報装置などの制度があるか確認 →②介護保険で借りられる余地がないかケアマネジャーに相談 →③それでも埋まらない分を自費の機器で。映像が要るのか、動いた/動いていないが分かれば足りるのかで、方式は大きく絞れます。 → 方式ごとの比較表を見る

実家にネット回線がないと、見守りカメラの多くはそのまま置けない

家庭用の見守りカメラは、家のWi-Fiにつないで映像をクラウドへ送り、それをスマホのアプリで受け取る作りになっています。実家に回線がなければ、カメラを置いてコンセントに挿しても、映像の行き先がありません。「Wi-Fi必須」と書かれているのはそういう意味です。

この状況はそれほど珍しくありません。株式会社WACARU NETが2022年3月13〜16日に758名へ実施した調査では、実家に住んでいない回答者のうち実家にWi-Fiが無い割合は23.1%で、世帯主の年代別に見ると40〜60代が約5%なのに対し、70〜90代では約20〜40%と報告されています。親が高齢になるほど、実家に回線がない前提で考える必要が出てきます。

「Wi-Fi不要」と「通信そのものが不要」は別の話

検索すると「Wi-Fi不要」をうたう製品が出てきますが、この言葉は二通りの意味で使われています。

前者でも通信そのものは発生していて、その費用はどこかにのっています。ALSOKの解説記事も、Wi-Fi不要は通信環境が不要という意味ではなく、離れた場所からリアルタイムの映像を確認したいならモバイル回線や有線回線など何らかの通信環境が必要だ、と注意を促しています。

さらに紛らわしいのが、携帯回線を使う機器の中に「SIM内蔵で、利用者が回線契約をしなくていい」ものと「SIMを自分で契約して挿す」ものが混ざっていることです。月額の読みやすさがまったく違うので、この記事では別の方式として分けて書きます。

3タイプの一般的な比較は別記事にまとめています

見守り機器そのものの分類(人感センサー型・カメラ型・GPS型)や、監視っぽくならない置き方は離れて暮らす親の見守りカメラ・センサー比較にあります。この記事はそこをやり直さず、「実家に回線がない」という条件が入ったときに何が変わるかだけを扱います。

買う前に、順番として先に確認したい2つ

先に確認しておくと、自費で買わずに済んだり、負担額が変わったりすることがあります。順番は次のとおりです。

① 市区町村の緊急通報装置・見守りサービス

ひとり暮らしの高齢者向けに、緊急通報装置の貸与などを行っている市区町村があります。たとえば仙台市は、緊急通報システム機器の貸し出しを案内しています。これは仙台市の例で、全国共通の制度ではありません。対象になる年齢、ひとり暮らしかどうか、慢性疾患の有無といった要件も、費用が無償か低額か、貸し出す機器の種類も、自治体ごとに違います。

窓口は市区町村の高齢福祉担当と、地域包括支援センターです。「見守りの機器を探している」と伝えると、制度の有無と要件をまとめて確認できます。

② 介護保険で借りられる余地がないか

要支援・要介護の認定があるなら、担当のケアマネジャーに相談する価値があります。ただし対象になるのは「認知症老人徘徊感知機器」として登録された機器で、要介護度と使い方の両方に条件が付きます。中身は記事後半の見守り機器に介護保険は使えるのかで書きます。まだ認定を受けていない場合の進め方は親の介護は何から始める?にまとめています。

この2つを確認したうえで、埋まらない部分を自費の機器で補う。この順番で進めると、あとから「先に窓口で聞けばよかった」となりにくくなります。

回線がない実家で成立する6つの方式

通信のしかたで分けると、次の6つになります。料金・仕様は各社の公式ページの記載で、いずれも2026年8月25日に確認したものです。

① 本体が携帯回線で通信するカメラ

カメラ自体が携帯回線につながって映像を送るタイプです。ここが二つに割れます。

ひとつは、通信の契約が機器の提供側にまとまっているもの。福祉用具の分野では、株式会社ラムロックの「みまもりCUBE」がこれにあたります。テクノエイド協会の福祉用具情報システム(TAIS)に「ラムロックアイズ−みまもりCUBE−S」として登録されていて、介護保険対象種目の分類は認知症老人徘徊感知機器、希望小売価格は「オープン価格」で登録されています。買い切りの商品ではなく、福祉用具貸与事業所を通じた介護保険レンタルか一般レンタルで借りる形で、データ通信料も貸与事業所の請求に含まれる形で案内されています。利用者が自分で携帯回線を契約する必要があるかどうかは、申し込み前に取扱事業所へ確認してください。

費用は3階建てになります。本体のレンタル料(介護保険が適用される場合は所得に応じた自己負担分)、データ通信料、そして初回だけの事務手数料。本体のレンタル料は貸与事業所によって異なり、取扱事業者である株式会社ニチケンの公開ページにも、レンタル価格は貸与事業所にお問い合わせくださいと書かれています。金額は取扱事業所に聞くしかない、というのがこの方式の実情です。

もうひとつは、本体にSIMスロットがあり、利用者が自分でSIMを契約して挿すもの。PLANEXの「スマカメ2 LTE」(CS-QS50-LTE)の公式仕様には、SIMカードは別途購入してくださいと明記されていて、対応SIMはmicro-SIMです。本体サイズは約80(W)×105(H)×50(D)mm、質量は約210g(ACアダプタ含む)、電源はDC5Vの付属ACアダプタかPoE給電。月額は契約するSIMのプランで決まるため、機器の月額として一律に並べることはできません。

同じ「Wi-Fi不要のLTEカメラ」でも、前者は月額が機器側で決まっていて読みやすく、後者はSIMの契約を自分で選ぶぶん手間と裁量が増えます。買う前に、仕様欄で通信の契約が要るかどうかを確認してください。

② 実家にモバイルルーター・ホームルーターを置く

回線がないなら回線のほうを用意する、という方式です。ルーターを置けば市販のWi-Fiカメラがそのまま使えるので、選べる機種が一気に増えます。価格競争のある一般向け製品を使えるのが利点です。

判断が要るのは、機器より契約のほうです。誰の名義で契約して誰が払うのか、解約するときは誰が手続きするのか。遠方の子が親名義で契約すると、その後の変更手続きのたびに本人確認で手が止まります。

もうひとつ、実家に置いたルーターの電源が切られる可能性があります。掃除や模様替えでコンセントが抜けたり、使っていないと思われて電源を切られたりすることは起こりえます。カメラが映らなくなったとき、原因が回線側かどうかを離れた場所から確かめる手立てがあるかを、選ぶ前に確認してください。

通信量も見ておく必要があります。映像を送り続ける使い方は通信量が大きく、容量に上限のあるプランだと月の後半で速度が落ちることがあります。

③ 電球を替えるだけで点灯・消灯を知らせるタイプ

照明の電球を交換するだけで済む方式です。ハローライト(HelloLight)は、電球にSIMを搭載することでWi-Fiなどのネットワークの環境が不要、携帯基地局と自動的に通信するためお客様が通信キャリアと契約する必要はありません、と公式サイトが説明しています。口金はE26、外径70mm×全長140〜150mmです。

料金は公式サイトの記載で、スタンダードプランが月495円。Amazon販売の場合として、初期費用10,780円+月額費用5,940円(495円×1年分)で計16,720円という案内も出ています。公式ページに税込・税抜の表記がないため、この記事では表記のまま引用します。

通知の粒度は、買う前に知っておいてください。公式の説明では、前日の0時〜23時59分までの間で、点灯しない・連続点灯している場合に異常と判断した場合に限り、メールが送信されます。届くのは1日1回のメールだけで、映像も、いま親が動いているかどうかも分かりません。親にしてもらう操作がゼロで済むこと(電球を替えるだけ、あとはいつもどおり点け消しするだけ)と、この粒度の粗さは同じ設計の表と裏です。

④ 人感センサー・振動センサー+携帯回線の単体通知機器

映像を持たず、動きだけを見る機器です。ネコリコの「まもりこ」は、センサー本体がLTE通信するためプロバイダや通信回線の契約は不要、と公式サイトに書かれています。人感センサーが本体価格9,900円(税込)、振動センサーが本体価格14,300円(税込)で、月額利用料はどちらも550円(税込)です。

電源は電池ではなくコンセントです。公式サイトは工事不要、コンセントに繋いで設置するだけと説明しています。電池交換のために帰省しなくていい代わりに、コンセントが届かない場所には置けません。設置場所を決めるときは、その部屋に空きコンセントがあるかを先に確認しておくと手戻りが出ません。

通知は、一定時間検知がないとスマホへ届く形です。動いたことではなく、動いていないことを知らせる方式だと考えてください。

⑤ 電気の使用量から生活を推定するサービス

カメラもセンサーも置かず、電気の使用量の変化から生活の様子を推定するやり方もあります。「見守り電気 プラスサポート」は月額990円(税込)、初期費用なし、カメラやセンサーの設置も工事も不要と案内しています。通知は基本メールで、LINEとアプリも選べます。

ただし条件があります。公式ページには当社からの電気供給が必要と書かれていて、実家の電気の契約をこの事業者に切り替えることが前提です。対応する電力会社と料金プランも限られていて、東京電力・東北電力・中部電力・北陸電力・九州電力・北海道電力の各管内は従量電灯B、関西電力・中国電力・四国電力の各管内は従量電灯Aとされています。

親名義の契約を変える手続きになるので、本人の同意と手続きが必要です。電気料金そのものも今の契約から変わります。「機器も工事も要らないから安く済む」と読むと、この部分を丸ごと見落とします。

⑥ 電話回線・携帯回線ベースの安否確認と緊急通報

生活の道具そのものが通信するタイプと、本人が押して知らせるタイプがあります。

前者の例が、象印の「みまもりほっとライン」です。専用の電気ポットを使うと、その使用状況が離れた家族に届きます。象印ダイレクトの申込みページによると、初期費用5,500円(税込)、月額利用料3,300円(税込)/月で、ご契約後、最初の1ヶ月は利用料が無料。支払いはクレジットカード決済のみで、決済日は毎月5日です。通信については、ポット自身が通信機能を持っているのでインターネット・Wi-Fiは不要と書かれています。親にしてもらう操作は、ふだんどおりポットを使うことだけで、充電も機器の操作も発生しません。

後者が、自治体の緊急通報装置です。本人がボタンを押して知らせる仕組みが中心で、機器の種類も費用も自治体によって違います。前述のとおり、まず窓口で実施の有無から確認することになります。

方式ごとの比較表

6つの方式を、判断に効く順に並べます。順位ではありません。編集部は実物を試しておらず、点数も付けていません。金額は各社の公式ページに表示されている内容で、確認日は2026年8月25日です。

方式(確認した例)初期費用月額実家側で必要な準備親にしてもらう操作分かること
①-a 回線契約が要らないカメラ
みまもりCUBE(レンタル)
初回のみ事務手数料
(金額は事業所による)
本体レンタル料+データ通信料
(事業所による)
電源のコンセントなし映像
①-b SIMを自分で契約して挿すカメラ
スマカメ2 LTE
本体(オープンプライス)+SIMの契約契約したSIMのプラン次第コンセントまたはPoE給電、micro-SIMなし映像
② ルーターを置いて市販カメラルーター+カメラ回線の月額+機種によるクラウド保存料コンセント2口、ルーターの設置電源を切らない映像
③ 電球型
ハローライト
10,780円
(Amazon販売の場合の公式記載)
495円
(スタンダードプラン)
E26口金の照明器具いつもどおり点け消しする前日に点灯しない・連続点灯だった場合の1日1回のメール
④ 人感・振動センサー型
まもりこ
9,900円(人感)
14,300円(振動)
いずれも税込
550円
(税込)
コンセントが届く場所に置くなし一定時間、検知がないという通知(映像なし)
⑤ 電気の使用量から推定
見守り電気 プラスサポート
0円990円
(税込・電気料金は別)
機器も工事も不要。ただし電気の契約をこの事業者に切り替えるなし「いつもと違う」を検知したときの通知
⑥-a ポット型
象印 みまもりほっとライン
5,500円
(税込)
3,300円
(税込・初月無料)
ポットを置くコンセントふだんどおりポットを使うポットの使用状況
⑥-b 自治体の緊急通報装置自治体による自治体による
(無償・低額の例がある)
自治体の案内によるボタンを押す本人が知らせたこと(内容は自治体による)

※金額は各社公式ページの2026年8月25日時点の表示です。ハローライトの金額は公式ページに税込・税抜の記載がないため、表記のまま載せています。みまもりCUBEは取扱事業者自身が「レンタル価格は貸与事業所によって異なる」と案内しているため、金額を入れていません。料金・仕様は改定されることがあるので、申し込み前に各公式サイトで最新の内容をご確認ください。

月額で逆転する。1年・3年の総額で並べ直す

回線がない実家向けの機器は、ほぼ全部が月額を伴います。本体価格だけを見て選ぶと、置いてから1年で順番が入れ替わります。

本体が安くても、通信費で追い越される

初期費用と月額の両方が公式ページで確認できたものだけを、単純に足して並べました。編集部が公式の記載から計算した合計で、途中の料金改定・解約金・オプションは含みません。

方式(確認した例)初期費用月額1年の総額3年の総額
③ 電球型(ハローライト)10,780円495円16,720円28,600円
④ 人感センサー(まもりこ)9,900円550円16,500円29,700円
④ 振動センサー(まもりこ)14,300円550円20,900円34,100円
⑤ 電気の使用量(見守り電気)0円990円11,880円35,640円
⑥-a ポット型(象印)5,500円3,300円41,800円
(初月無料のため11か月分)
121,000円
(35か月分)

※まもりこ・見守り電気・象印の金額は公式ページに税込と記載。ハローライトは税の表記がないため表記のままです。税込どうしで比べているかを確認してください。1年の総額=初期費用+月額×12(象印は初月無料のため×11)、3年=初期費用+月額×36(象印は×35)。

並び方が変わるのが見て取れると思います。この表に載せた5つで比べると、初期費用0円の⑤は1年時点の総額が11,880円と最も小さく収まりますが、3年では28,600円の電球型・29,700円の人感センサー型を上回ります。逆に、本体が10,780円かかる電球型は3年でも28,600円に収まります。置く期間を何年で見るかを先に決めてから表を見てください。

介護保険レンタルの機器(①-aのみまもりCUBE)は、本体のレンタル料が貸与事業所ごとに違うため、この表に入れられません。見積もりをもらうときは、本体レンタル料・データ通信料・初回の事務手数料の3つを分けて書いてもらうと、上の表と並べて比べられます。

月額に含まれるものを揃えないと、安い順に並べても実際の優劣にならない

同じ「月額550円」でも中身は違います。まもりこの550円(税込)は、センサー本体がLTE通信するため通信の契約が別に要らない形の利用料です。ハローライトの495円は電球が通信するための料金。見守り電気の990円(税込)は電気の契約に付く見守りの料金で、電気料金そのものは別勘定です。象印の3,300円(税込)はポットの使用状況を届けるサービス料。含まれるものが違うので、金額だけを横に並べても順位は決まりません。

カメラ型はここがもっと分かれます。データ通信料が月額に含まれるのか、クラウド保存が別料金なのか、駆けつけサービスが付くのか。①-bのようにSIMを自分で契約するタイプは、そもそも機器の月額という形になっていません。

月額課金のサービスは、契約前に「入っていないもの」を聞く

国民生活センターは2019年5月30日付で、身元保証・日常生活支援・見守り支援などを行う高齢者サポートサービスの契約トラブルについて注意喚起を公表しています。見守り機器の事故ではなく、契約に関する注意喚起です。事例には、まとまった金額以外はお金がいらないと勧誘されたのに、サービスを利用するたびに追加費用を請求されたというものが挙がっています。月額のサービスを選ぶときは、月額に入っていないものを先に聞いておくと、あとで揉めにくくなります。

設置と管理を、離れて暮らす子がやりきれるか

回線がない実家では、機器を選ぶ基準に「誰がどうやって設置し、動かなくなったとき誰が直すか」が入ってきます。

帰省1回で初期設定を終えられるか

遠方だと、設置に使えるのは帰省の1日か2日です。ここで効くのが、その機器が親のスマホ操作を前提にしていないかどうか。まもりこはコンセントに挿すだけ、ハローライトは電球を替えるだけ、みまもりほっとラインはポットを置くだけで、親側でアプリを入れる手順がありません。カメラ型も、アプリの設定を子のスマホで済ませてしまえば、親に触ってもらう必要はなくなります。

逆に、親のスマホに何かを入れて操作を覚えてもらう前提の機器は、帰省1回では終わらないと考えたほうが安全です。知恵袋には、何年もスマホを持っている親が今も操作方法を聞いてくる、教えるたびに自分の口調がきつくなってしまう、という相談が投稿されています。ここに新しい操作を1つ足すと、機器そのものが使われなくなります。

停電やコンセントが抜けたあと、自動で復帰するか

コンセントで動く機器は、抜かれれば止まります。掃除や模様替えでコンセントが抜けたままになることも想定しておく必要があります。確認しておきたいのは2つです。通電が戻ったときに自動で立ち上がるか。そして、止まっている状態が子に伝わるか。

動きがないことを知らせる方式(③④)では、親が動いていないのか、機器そのものが止まっているのかは、通知の文面だけでは区別できません。通知が来たら電話で確かめる、という手順まで含めて決めておくのが現実的です。②のルーター方式も同じで、映像が来なくなった原因がカメラなのか回線なのか、遠方からは判断がつきません。

リチウムイオン電池を内蔵する機器は、置き場所に注意する

充電式の機器(持ち歩くタイプ、電池内蔵のカメラなど)を選ぶ場合の話です。NITE(製品評価技術基盤機構)は2025年6月26日に、リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐポイントをまとめた夏向けの注意喚起を公表しています。対象はリチウムイオン電池を内蔵する製品全般で、見守り機器に限った集計ではありません。夏に高温になる窓際などに置かない、といった扱いは、実家に置く機器でも同じです。コンセント給電の機器を選べば、充電の管理と電池の心配自体が減ります。

親の同意をどう取るか

回線の制約で選択肢が狭まると、つい「置けるものを置く」になりがちですが、映像が残る方式は先に話しておくほうが結果的に早く進みます。ファイナンシャルフィールドの記事には、見守りカメラの設置を持ちかけられた80代の親が「監視されているようで嫌」と言って断った、という相談が出ています。

断られたときの引き返し先を用意しておくと、話が続きます。この記事の6方式のうち、映像が出るのは①と②だけです。③④⑤⑥で分かるのは「動いた/動いていない」や「ポットを使った」という事実だけです。映像が残らないぶん、話を切り出しやすい選択肢になります。回線がない実家では、そもそも映像を送る方式のほうが費用も手間もかかります。最初から映像なしで始めるという選び方は、この条件では理にかなっています。

切り出し方や、映像を使う場合の置き場所の考え方は離れて暮らす親の見守りカメラ・センサー比較にまとめてあります。

見守り機器に介護保険は使えるのか

ここは「使える」とも「使えない」とも言い切れないところです。分かれ目は2つ。その機器が福祉用具の種目として登録されているか、そして利用者の状態像と使用目的が要件に合うか。順に見ます。

レンタルできる福祉用具は13種目。「見守りカメラ」という種目はない

介護保険でレンタルできる福祉用具は、平成11年3月31日厚生省告示第93号で13種目に限定されています。この中に「見守りカメラ」という種目はありません。家庭用のネットワークカメラを一般の見守り目的で使う場合は、どの種目にも当たらないため、介護保険からの給付は受けられません。市区町村が独自の助成を行っている場合を除き、費用は自己負担になります。

ただし「認知症老人徘徊感知機器」として登録された機器なら、対象になりうる

13種目の11番目に「認知症老人徘徊感知機器」があります。平成12年老企第34号の定義は、認知症である老人が徘徊し、屋外に出ようとした時又は屋内のある地点を通過した時に、センサーにより感知し、家族、隣人等へ通報するもの。カメラで人を検知して家族へ知らせる機器がこの種目として登録されている例は実在していて、前述のみまもりCUBEはTAISに認知症老人徘徊感知機器として登録されています。

つまり「見守りカメラだから介護保険は使えない」という言い方は、一般のネットワークカメラには当てはまりますが、徘徊感知機器として登録された機器には当てはまりません。

要支援1・2と要介護1は原則対象外。ただし例外給付がある

認知症老人徘徊感知機器は、要支援1・要支援2・要介護1の人には貸与費が原則として算定できない「対象外種目」に指定されています。ただし例外給付の仕組みがあり、この機器については次の2つの両方に当てはまる人が対象です。

直近の認定調査の基本調査結果でこの基準に該当していれば、市区町村への確認手続きを要さず、サービス担当者会議等を通じたケアマネジメントにより貸与できるとされています。ただし手続きの要否や必要書類は市区町村ごとに運用が異なるため、担当のケアマネジャーを通じてご確認ください。基本調査結果では該当しない場合や、判定基準がない場合は、医師の医学的所見とケアプラン、サービス担当者会議の要点をそろえて、市区町村へ例外給付の確認手続きを行うことになります。

※例外給付の確認手続きの要否・必要書類・判断は市区町村ごとに運用が異なります。実際に借りられるかどうかは、担当のケアマネジャーと、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口・地域包括支援センターにご確認ください。

使い方の条件もある

要介護度とは別に、使い方が定義に合っていることが前提です。自ら動き出して徘徊する可能性がある人に、それを感知して家族へ知らせる目的で使う場合に限られます。転落防止のための使用、徘徊のない人の見守り目的、寝返りや歩行ができない人のバイタルセンサーとしての使用は、保険給付の対象になりません。「回線がない実家で親の様子を知りたい」という理由だけでは、この用途の条件に当てはまらないと判断されることがあります。該当するかどうかは、担当のケアマネジャーと、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口にご確認ください。

月々の通信料は保険給付の外。本体のレンタル料と分けて考える

ここは見積もりに直接効きます。老企第34号は、当該福祉用具の機能を高める外部との通信機能を有するもののうち、認知症老人徘徊感知機器において、当該福祉用具の種目に相当する部分と当該通信機能に相当する部分が区分できる場合には、当該福祉用具の種目に相当する部分に限り給付対象とする、と定めています。機器本体のレンタル料に介護保険が効いても、月々のデータ通信料は保険の外で全額自己負担になります。見積もりは、レンタル料と通信料を分けて書いてもらってください。

自己負担は所得に応じて1割・2割・3割

介護保険のサービスを使ったときの自己負担は、所得に応じて1割・2割・3割のいずれかです。判定は前年の所得に基づいて市区町村が行い、毎年7月ごろに「介護保険負担割合証」が交付されます。自分の割合は、この負担割合証か、市区町村の介護保険担当窓口で確認できます。

なお、徘徊感知機器の本体レンタル料は貸与事業所ごとに違うため、「1割なら月いくら」という金額はこの記事では出せません。取扱事業所の見積もりに、ご自身の割合を掛けて計算してください。

相談先はケアマネジャーと市区町村の窓口

機器が種目に当たるかも、状態像が要件を満たすかも、最終的にはケアマネジャーと福祉用具貸与事業所、市区町村の介護保険担当窓口の判断になります。まだ認定を受けていない場合の流れは親の介護は何から始める?にまとめました。

介護保険の申請の流れを見る

方式別の候補

方式ごとに1枠ずつ並べます。ここでも並び順に意味はありません。編集部は実際に使ってみたうえでの評価はしておらず、点数化もしていません。金額はいずれも各社公式ページの2026年8月25日時点の表示です。

映像が要る
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回線契約が要らないカメラは、レンタルで相談する

金額は貸与事業所ごとに異なります

向いている実家
  • 映像で様子まで確認したい
  • 親が徘徊する可能性があり、ケアマネジャーが付いている
気になる点
  • 本体レンタル料が事業所ごとに違い、金額を先に比べられない
  • データ通信料は介護保険の給付対象外

みまもりCUBE(ラムロック)はTAISに「ラムロックアイズ−みまもりCUBE−S」として登録され、介護保険対象種目の分類は認知症老人徘徊感知機器、希望小売価格はオープン価格です。買い切りではなく貸与事業所経由のレンタルなので、本体レンタル料・データ通信料・初回の事務手数料の3つを分けて見積もってもらってください。介護保険が使えるかは要介護度と使用目的で変わります。

介護保険の条件を確認する ケアマネジャーに相談する流れ

操作ゼロ
💡

電球を替えるだけ:ハローライト

初期費用10,780円/月495円(公式ページに税込・税抜の記載がないため表記のまま)

向いている実家
  • 親に新しい操作を一切増やしたくない
  • 毎日必ず点ける照明がある(トイレ・玄関など)
気になる点
  • 届くのは1日1回のメールだけ。いま動いているかは分からない
  • その照明を使わない日が続くと、異常と区別しづらい

電球にSIMを搭載していて、Wi-Fiなどのネットワーク環境が不要。前日の0時〜23時59分の間で点灯しない・連続点灯していると異常と判断した場合に限り、メールが送信されます。口金E26、外径70mm×全長140〜150mm。3年で計算すると28,600円です。料金・通知の仕様は改定されることがあるので、公式サイトで最新の内容をご確認ください。

楽天で見る Amazonで見る

映像なし
🔌

動いていないことを知らせる:まもりこ

本体9,900円/14,300円(税込)+月550円(税込)

向いている実家
  • 映像は親が嫌がる。動きだけ分かればいい
  • 電池交換のために帰省するのを避けたい
気になる点
  • コンセントが届かない場所には置けない
  • 抜かれて止まったのか、動いていないのかを通知だけでは切り分けられない

人感センサーが本体9,900円(税込)、振動センサーが14,300円(税込)、月額利用料はどちらも550円(税込)。センサー本体がLTE通信するのでプロバイダや通信回線の契約は不要で、工事不要、コンセントに繋いで設置するだけと公式サイトが説明しています。一定時間検知がないとスマホへ通知が届く方式で、映像はありません。料金・仕様は改定されることがあります。

設置と管理の確認点を見る

機器を置かない

電気の使用量から推定:見守り電気 プラスサポート

初期費用0円/月990円(税込)+電気の契約切り替えが条件

向いている実家
  • 実家に物を増やしたくない、設置に行く時間が取れない
  • 親が電気の契約変更に同意している
気になる点
  • 電気の供給元をこの事業者に切り替えることが前提。対応する電力会社と料金プランも限られる
  • 親名義の契約を変える手続きになるため、本人の同意と手続きが要る
  • 電気料金そのものが今の契約から変わる

月額990円(税込)、初期費用なし、カメラやセンサーの設置も工事も不要。通知は基本メールで、LINEとアプリも選べます。ただし公式ページには当社からの電気供給が必要とあり、対応プランは東京・東北・中部・北陸・九州・北海道の各電力管内が従量電灯B、関西・中国・四国の各電力管内が従量電灯Aです。現在の電気契約と比べたうえで判断してください。対応エリア・料金は変更されることがあります。

1年・3年の総額を見る

※この枠に載せているのは、提供元の公式ページで料金と仕様を確認できたものだけです。編集部による実機テストは行っていません。「Wi-Fi不要」と書かれた市販カメラの中には、SIMを自分で契約して挿すタイプ(例:PLANEX スマカメ2 LTE)があります。月額の見え方が変わるので、購入前に仕様欄でSIMの扱いを確認してください。

よくある質問

Wi-Fiがないと、市販の見守りカメラは本当に1台も使えない?

家のWi-Fiにつなぐ前提の機種は、そのままでは使えません。回線がない実家で映像を見るなら、本体が携帯回線で通信する機種を選ぶか、モバイルルーター・ホームルーターを実家に置いて回線側を用意するかの二択になります。なお「Wi-Fi不要」と書かれていても、SIMを自分で契約して挿すタイプがあります。買う前に、通信の契約が必要かどうかを仕様欄で確認してください。

実家にモバイルルーターを置くのと、本体が携帯回線で通信する機器を選ぶのは、どちらが安い?

契約するプラン次第なので、一律には決まりません。ルーターを置く方式は回線の月額とルーター本体の費用がかかる代わりに、カメラの選択肢が広がります。本体が携帯回線で通信する機器は月額が機器側で決まっていて読みやすい反面、その機器でできることに限られます。この記事の総額の表のように、初期費用と月額を1年・3年で足したうえで、月額に何が含まれるかを揃えて比べてください。

親がコンセントを抜いてしまったら、こちらは気づける?

機種によります。コンセントで動く機器は抜かれれば止まりますし、動きがないことを知らせる方式では、親が動いていないのか機器が止まっているのかを通知だけでは切り分けられません。通知が来たら電話で確かめる、という手順をセットにしておくのが現実的です。実家にルーターを置く方式でも、ルーターの電源が切られたりコンセントが抜けたりすれば、カメラの映像は届かなくなります。

見守り機器を置けば、転倒に気づける?

気づける範囲は方式によって違います。映像がある機器なら映っている場所の様子は分かりますが、映っていない場所は分かりません。動きを見る機器は「一定時間動きがない」ことを知らせるので、転んだ瞬間ではなく、その後の異変として届きます。見守り機器は気づくための道具で、転倒そのものを防ぐものではありません。実家の危ない場所を減らす話は実家の転びやすい場所7つと、帰省時10分チェックリストにまとめています。

介護保険で借りられる見守り機器はある?

「認知症老人徘徊感知機器」として登録された機器なら、福祉用具貸与の対象になりえます。ただし要支援1・2と要介護1は原則として対象外で、状態像の要件を満たす場合に例外給付の仕組みがあります。使い方も、徘徊を感知して家族へ知らせる目的に限られ、転落防止や徘徊のない人の見守り目的は対象になりません。月々のデータ通信料は保険給付の外です。実際に借りられるかどうかは、担当のケアマネジャーと市区町村の介護保険担当窓口へご確認ください。

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