帰省したときに確かめたい、親の「聞こえ」と「見え方」|家族が気づけるサインと、次にすること

テレビ・会話・電話・新聞・薬の袋・段差。帰省中の場面で見るチェック項目と、受診が先か道具が先かの分け方

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お盆や年末年始に帰省したとき、テレビの音が前より大きい、話しかけると「え?」と聞き返される、新聞を顔に近づけて読んでいる、といった様子に気づくことがあります。電話では分からなかった変化も、同じ部屋で何日か過ごすと目に入ってきます。

この記事では、帰省中に見られる場面ごとに、聞こえと見え方のチェック項目を表にしました。そのうえで、気づいたあとに「受診が先か、道具や工夫が先か」を分ける目安をまとめています。チェック項目と受診の目安は、学会・厚生労働省・自治体の資料に載っていた内容だけを使っています。病気を見分けるための表ではなく、どこに相談するかを決めるための表です。道具の選び方や話し方は、それぞれの記事で詳しく説明しています。

先に結論

耳なら「急に聞こえにくくなった(特に片方の耳だけ)」、目なら「急に見えにくくなった」「片方の目が急に見えなくなった」「目の痛みや吐き気を伴う」「線がゆがむ・中心が見えない・一部が欠けて見える」。このどれかがあれば、道具を試す前に、できるだけ早く耳鼻咽喉科か眼科を受診してください。片方の目が急に見えなくなったときは、痛みがなくても、様子を見ずにすぐ眼科を受診してください。

少しずつ進んできた変化でも、下のチェック表に当てはまる項目があれば、耳鼻咽喉科や眼科への相談をすすめます(聞こえは1つでも、見え方はアイフレイルのチェックリストで2つ以上が相談の目安です)。受診を待つあいだや受診と並行して、テレビの音なら手元スピーカー、新聞や薬の字なら拡大鏡、会話なら話し方の工夫、というように、困っている場面に合わせて道具や工夫を試せます。年のせいと決めつけずに一度受診するのは、耳垢の詰まりや中耳炎など、加齢とは別の原因が見つかることがあるからです。

この記事で取り上げる道具3つ

どれも、聞こえ・見え方を治す道具ではなく、テレビの音や手元の字を聞き取りやすく・読みやすくする道具です。価格は楽天の各リンク先に2026年10月22日に表示されていた価格で、ショップやセールによって変わります。Amazonの価格はこの記事では載せていません。PKC-012のAmazonボタンは型番での検索結果へのリンクで、同じ物とは限らないため、型番を商品ページで確かめてください。機種ごとの比較と選び方は、商品名のリンク先の記事で説明しています。

帰省中に見たい「聞こえ」のチェック項目|聞き返し・テレビの音量など家族が気づけるサイン

滋賀県によると、加齢による聞こえの低下は少しずつ進むので本人は気づきにくく、家族など周りの人の指摘が受診の第一歩になることもあります。厚生労働省の広報誌でも、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の専門家が、受診のきっかけは家族からテレビの音量を指摘される例や、話しかけが聞き取れない例が多いと話しています。

国立長寿医療研究センターの地域住民調査(NILS-LSA)では、70代の5人に1人、80代の3人に1人以上が、日常生活に支障が出る程度の「中等度以上の難聴」でした。帰省中は、次のような場面を気にかけて見てください。

場面帰省中に見ること
テレビ・ラジオ家族が「大きい」と感じる音量で見ている・聞いている
1対1の会話聞き返しが多い。聞き間違いで話がかみ合わない。聞き取れなかったところを推測で返事しているように見える
食卓など何人かでの会話何人かでの会話を、うまく聞き取れていないように見える
にぎやかな場所での会話騒がしい場所で、聞きたい声が聞き取りにくそう
後ろからの呼びかけ背中側から声をかけても気づかないことがある
家電・来客の音電子レンジなどの電子音や、玄関のチャイムに気づかない
電話・インターホン鳴っているのに気づかないことが多い
本人の話し声話し声が大きいと、家族や周りから言われる
一緒に外を歩くとき見えない所から近づいてくる車に気づかない
急な変化急に聞こえにくくなった(特に片方の耳だけ)。この場合は表の数に関係なく、道具より先に受診をすすめてください

北九州市は9項目のチェックリストで「1つでも当てはまる方は早めに受診」とし、滋賀県は5項目のどれかに当てはまれば補聴器相談医への相談をすすめています。どちらも1つでも当てはまれば相談、という同じ向きなので、この表も1つでも当てはまれば耳鼻咽喉科に相談する目安として使ってください。自治体の啓発ページの目安で、診断の基準ではありません。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、聞き返しや聞き間違いが増えた、言われたことをすぐに理解できない、早口についていけない、といった様子を聞こえが落ちてきたサインとして挙げ、早めに耳鼻咽喉科専門医の助言を受けるよう書いています。

出典:北九州市「加齢性難聴」(聞こえのセルフチェック・2024年12月26日更新/city.kitakyushu.lg.jp)、滋賀県「高齢者の聞こえについて」(2025年8月6日更新/pref.shiga.lg.jp)、宮城県リハビリテーション支援センター「難聴の理解と支援のために」(電話・インターホンの項目/pref.miyagi.jp(PDF))、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「高齢者とのコミュニケーションに苦労していませんか?」(jibika.or.jp)、広報誌『厚生労働』2024年10月号(mhlw.go.jp)、国立長寿医療研究センター 病院レター第98号(ncgg.go.jp)。表は各自治体のチェック項目を、帰省中に見られる場面ごとに言い換えて並べたものです(最後の「急な変化」の行は、下の章で出典を示す厚生労働省 e-ヘルスネットの説明によります)。いずれも2026年10月22日参照。

帰省中に見たい「見え方」のチェック項目|親が見えにくそうなときのサイン

見え方の変化は、外から分かりにくいことがあります。日本眼科医会は、視野が欠けても初めのうちはほとんど気づかない目の病気があること、片目だけの症状やわずかな変化だとなかなか気づかないことを説明しています。家族が見て分かるのは、生活の中に出てくる様子の一部です。

下の表は、日本眼科啓発会議(日本眼科学会・日本眼科医会などで構成)のアイフレイル・チェックリスト(Ver.1.1)の10項目を、帰省中に目に入りやすい場面ごとに言い換えて、1項目1行で並べたものです。最後の「急な変化」の行は、次の章で扱う受診を急ぐサインで、10項目には入りません。

場面帰省中に見ること
新聞・本前ほど長い時間読まなくなった
薬の袋・手紙眼鏡をかけていても、よく見えないと言うことが増えた
夕方夕方になると見えにくいと言うことが増えた
窓際・外の明るい所まぶしがることが増えた
食事テーブルに食べこぼしが出ることがある
段差・階段段差や階段を危ないと感じたことがある
外出・運転信号や道路標識を見落としそうになったことがある
目の様子目が疲れやすいと言うことが増えた
目の様子はっきり見えないときに、まばたきが増えた
線の見え方まっすぐの線が波打って見えることがある(この項目は、下の注意も読んでください)
急な変化(数には数えない)急に見えにくくなった、片方の目が急に見えなくなった、目の痛みや吐き気を伴う、中心が見えない・一部が欠けて見える。この場合は表の数に関係なく、道具より先に受診をすすめてください

アイフレイル公式サイトは、10項目のうち2つ以上当てはまるとアイフレイル(加齢に伴って目の働きが衰えた状態)かもしれないとして、一度眼科専門医に相談するよう案内しています。日本眼科医会のページも、2項目以上を目安にしています。

聞こえの表(1つでも当てはまれば相談)と基準の数が違うのは、チェックリストを作った団体が別だからです。この記事では、2つの基準を混ぜずに、それぞれの出典の基準のまま載せています。

ただし、線がゆがむ、中心が見えない、一部が欠けて見えるときは、当てはまる数に関係なく、すぐ眼科専門医を受診するよう同じサイトが案内しています。

出典:アイフレイル公式サイト(日本眼科啓発会議)「アイフレイルチェックリスト」(Ver.1.1/eye-frail.jp)、同「目の点検をしよう セルフチェックツール」(eye-frail.jp)、日本眼科医会「40歳からはじめたい アイフレイル(目の老化)対策」(gankaikai.or.jp)、日本眼科医会「目の定期検査のすすめ」(gankaikai.or.jp)。いずれも2026年10月22日参照。

道具より先に受診をすすめたいサイン

チェック表で当てはまる項目があっても、少しずつ進んできた変化なのか、急に起きた変化なのかで、次にすることが変わります。次のような様子があるときは、手元スピーカーや拡大鏡を試すより先に、受診をすすめてください。

耳:片方の耳が急に聞こえにくくなったとき

厚生労働省のe-ヘルスネットは、左右どちらか一方の耳が前触れなく急に聞こえにくくなる病気について、耳がつまった感じ・耳鳴り・めまいを伴うことが多く、発症後すぐに治療しないと難聴や耳鳴りが残ることがあるため、早めの受診が大切だと説明しています。片方の耳が急に聞こえにくくなった、耳がつまった感じや耳鳴り・めまいもある、という話が出たら、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「突発性難聴」(2024年11月12日更新/kennet.mhlw.go.jp)。2026年10月22日参照。

目:急に見えにくい、片目だけ、痛み、ゆがみ

日本眼科学会と日本眼科啓発会議(アイフレイル公式サイト)の案内では、次のような見え方は、道具を試す前に、できるだけ早く眼科を受診する目安になります。日本眼科学会は、急に片目が見えなくなる病気の中には、緊急の対応が必要な眼科救急疾患があり、発症直後(数時間以内)に処置を試みると説明しています。片方の目が急に見えなくなったときは、痛みがなくても、様子を見ずにすぐ眼科を受診してください。

どの病気に当たるかを家族が考える必要はありません。見え方の様子をそのまま眼科で伝えてください。

出典:日本眼科学会「急に見にくい(急激な視力低下)」(nichigan.or.jp)、日本眼科学会 一般向けの目の病気の解説(急に片目が見えなくなる病気の項/nichigan.or.jp、目の痛みや吐き気を伴う病気の項/nichigan.or.jp)、アイフレイル公式サイト「目の点検をしよう セルフチェックツール」(eye-frail.jp)。いずれも2026年10月22日参照。

年のせいと決めつけない理由

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、加齢性難聴には根本的な治療法がないと説明しています。一方で、厚生労働省の広報誌は、加齢性難聴だと思っていたら耳垢の詰まりや中耳炎など別の病気が見つかる場合もあるとして、聞こえにくいと感じたら耳鼻咽喉科を受診するようすすめています。学会の難聴の解説ページも、聞こえにくいのを年のせいと決めつけず、耳鼻咽喉科医に診てもらうよう書いています。治るかどうかを家族が先に判断せず、原因は受診で確かめてもらう、という順番です。

目についても、日本眼科医会は、眼鏡を替えても見えにくい、短い期間に何度も眼鏡を作り直している、という場合は、眼鏡では補えない見えにくさの可能性があると説明しています。日本眼科医会は、40歳を過ぎたら眼科で定期的に検査を受けることもすすめています。

出典:広報誌『厚生労働』2024年11月号 特別企画「『聞こえる』を大切にする(後編)」(mhlw.go.jp)、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「難聴について」(jibika.or.jp)、日本眼科医会「中高年からのロービジョンケア」(gankaikai.or.jp)、同「目の定期検査のすすめ」(gankaikai.or.jp)。いずれも2026年10月22日参照。

聞こえ・見え方の変化が暮らしに起こすこと

ここでは、公的機関と学会の資料で確認できた範囲に絞って書きます。ここで紹介するのは、関連が報告されているというだけの話で、「聞こえにくいから〜になる」と原因と結果で言い切れるものではありません。

見え方と、段差の見落とし

日本眼科医会は、視野に欠けがあると、障害物・段差・縁石を見落とすことがあると説明しています。また、視力の低下は体を動かす機会が減ることを通じて筋肉量や体力の低下を招き、転倒や骨折のリスクを高めることがあるとしています(ページに数値は示されていません)。実家の段差や暗い場所の点検は、「実家の転びやすい場所7つと、帰省時10分チェックリスト」で扱っています。

聞こえと、外出・会話

厚生労働科学研究の報告書は、2016年の国民生活基礎調査で在宅の65歳以上の回答を解析し、「きこえにくい」と答えた人は、そうでない人より外出の制限があると答えた割合が高かった(28.9%と9.5%)と報告しています。ただし、これは一度の調査の中で比べたもので、聞こえにくさのせいで外出が減ったのか、どちらが先なのかは分からないと報告書自身が書いています。回答はいずれも本人の自己申告です。

同じく厚生労働省の広報誌には、社会的に孤立するとうつ状態になる可能性がある、危険な状況に気づきにくくなる、という専門家の談話が載っています。

認知症との関係は、研究が進んでいる段階

国立長寿医療研究センターは、難聴を認知症の危険因子の一つとして紹介しています。補聴器を使っていた人で認知機能の低下が抑えられていたという研究もありますが、補聴器そのものの効果なのか、補聴器を積極的に使う人の特徴によるものなのかは分かっておらず、予防効果の結論はまだ出ていない、と同センターは書いています。

認知症が心配だからという理由で、補聴器を急いで買う必要はありません。国民生活センターの報道発表には、眼鏡店で耳の状態を測られ、認知症のリスクを示されて不安になり約40万円の補聴器を買ったあと、耳鼻咽喉科で聴力は正常と言われた、という相談事例が載っています。相談事例の一つで、誰にでも当てはまる話ではありませんが、不安になって買う前に、まず耳鼻咽喉科で聞こえを調べてもらってください。

出典:日本眼科医会「中高年からのロービジョンケア」(gankaikai.or.jp)、同「40歳からはじめたい アイフレイル(目の老化)対策」(gankaikai.or.jp)、厚生労働科学研究費補助金 分担研究報告書「高齢者における自己申告の難聴と自己申告の外出活動制限、心理的苦痛および、もの忘れの関連」(mhlw-grants.niph.go.jp(PDF))、広報誌『厚生労働』2024年10月号(mhlw.go.jp)、国立長寿医療研究センター 病院レター第98号(ncgg.go.jp)、同「補聴器を使用すると認知機能低下を予防できる?」(ncgg.go.jp)、国民生活センター「補聴器トラブルを防ぎましょう!」(2021年2月25日/kokusen.go.jp)。いずれも2026年10月22日参照。

本人に受診をすすめるときの言い方

受診のすすめ方を具体的に定めた公的資料は見つかりませんでした(2026年10月22日時点)。以下は、資料で分かったことと、編集部の提案に分けて書きます。

資料で確認できたのは、聞こえの低下は少しずつ進むので本人は気づきにくく、家族など周りの指摘が受診のきっかけになることもある、という点です(滋賀県)。話すときの声については、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が、やみくもに大きな声で話すのは逆効果だとして、普通よりやや大きいくらいの声でゆっくりはっきり話し、大事な用件は紙に書いて目で見える形でも伝えるよう案内しています。聞きやすい声の大きさは人によって違うので、本人に聞きながら合わせてください。

そのうえで、編集部としては、次の順で話を切り出すことをすすめます。

ただし、前の章の「急に・片方だけ・痛み・ゆがみ」のサインがあるときは、本人の気持ちが固まるのを待たず、早めの受診をはっきりすすめてください。

声のかけ方や話す位置(正面から口元が見える位置で話す、など)は、自治体の資料をもとに「親の耳が遠くなったら|聞き返しを減らす話し方と、電話・筆談の道具」で説明しています。拡大鏡を渡すときの話の入り方は、「親が新聞や薬の説明書を読みにくそうなら|拡大鏡(ルーペ)の選び方」の置き場所と渡し方の章で説明しています。

出典:滋賀県「高齢者の聞こえについて」(pref.shiga.lg.jp)、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「高齢者とのコミュニケーションに苦労していませんか?」(jibika.or.jp)。いずれも2026年10月22日参照。

家族が補聴器や集音器を先に買って贈る前に

消費者庁のリーフレット(令和2年1月作成)は、補聴器を買う前に専門医に相談すること、店舗で買った補聴器や通信販売の補聴器には、高額でも基本的にクーリング・オフが適用されないことを案内しています。専門医に相談しないと、耳の炎症の治療を優先すべきなのに補聴器を買ってしまう、といったことが起こりうるとも書いています。

国民生活センターには、本人の耳に合うか確かめないまま通信販売の補聴器を母親に贈ったところ合わず、通電済みを理由に返品を断られた、という相談事例があります(相談事例の一つです)。集音器については、国民生活センターが相談を受けて耳かけ型の集音器1銘柄を調べたテストで、音量を上げると会話やテレビの音だけでなく、周りの雑音も大きくなったという結果が出ています。すべての集音器に当てはまる結果ではありませんが、贈る前に、使う場面に合うかを確かめてください。補聴器と集音器がどう違うかは、「集音器と補聴器の違い|買う前に耳鼻咽喉科へ行く理由と選び方」で説明しています。

出典:消費者庁「補聴器の購入の前に専門医に相談しましょう」(令和2年1月作成/caa.go.jp(PDF))、国民生活センター「補聴器トラブルを防ぎましょう!」(2021年2月25日/kokusen.go.jp)、国民生活センター「雑音で音声が聞き取りにくい耳かけ集音器」(相談解決のためのテストNo.164・2022年5月26日/kokusen.go.jp(PDF))。いずれも2026年10月22日参照。

困っている場面別に、次に読む記事

受診を急ぐサインがなければ、受診の相談と並行して、困っている場面を1つ選んで、その場面の記事から読んでください。この記事では、家族が先にいくつも道具を買いそろえるより、本人が困っている場面を1つに絞って、本人と話し合うことをすすめています。

見守りや認知症に関わる介護用品は、見守り・認知症の介護用品の一覧にまとめています。

介護保険・助成・医療費控除のこと

介護保険で借りられる福祉用具(福祉用具貸与の13種目)と、購入費が出る特定福祉用具販売の種目の一覧に、補聴器・集音器・拡大鏡・テレビ用スピーカーは載っていません。

補聴器は、介護保険の福祉用具ではなく、障害者総合支援法の補装具費支給制度の側で扱われます。身体障害者手帳(聴覚障害)の対象になる聴力の方は、補装具費の対象になりえます。手帳の対象に満たない聞こえの方に独自の助成をしている市区町村もあり、内容は地域によって違います。対象になるかどうかは、親が住む市区町村の障害福祉や高齢福祉の窓口に相談してください。

補聴器の医療費控除には条件があります。国税庁の情報(平成30年4月16日)によると、医師の診療や治療のために直接必要な補聴器の購入費用は、一般的な水準を大きく超えない部分が医療費控除の対象になります。これは、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が認定する補聴器相談医が「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」で直接必要と示したものを前提にしています。補聴器相談医に相談せずに量販店などで買った補聴器はこの扱いにならないため、控除を考えるなら、買う前に補聴器相談医を受診してください。控除を受けられるかどうかは、税務署と補聴器相談医に確認してください。補聴器の相談の流れ、助成、医療費控除の詳しい内容は、「集音器と補聴器の違い|買う前に耳鼻咽喉科へ行く理由と選び方」の制度の章で説明しています。

家の段差や暗さの対策は、「実家の転びやすい場所7つと、帰省時10分チェックリスト」の住宅改修費の章で、介護保険の扱いと合わせて説明しています。介護保険の認定や最初の相談先がまだ決まっていない場合は、「親の介護は何から始める?最初の電話と要介護認定の手続き」で、地域包括支援センターへの最初の連絡のしかたを説明しています。

介護の相談の始め方を見る

出典:厚生労働大臣が定める福祉用具貸与及び介護予防福祉用具貸与に係る福祉用具の種目(平成11年厚生省告示第93号/mhlw.go.jp)、厚生労働省「福祉用具・住宅改修」(mhlw.go.jp)、厚生労働省「補装具費支給制度」(mhlw.go.jp)、国税庁「補聴器の購入費用に係る医療費控除の取扱いについて(情報)」(平成30年4月16日/nta.go.jp)。いずれも2026年10月22日参照。

よくある質問

聞こえや見え方が気になったら、何科に行けばいい?

聞こえは耳鼻咽喉科、見え方は眼科です。補聴器を考えているなら、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が認定する補聴器相談医に相談するよう、厚生労働省の広報誌や滋賀県が案内しています。急に聞こえにくくなった・見えにくくなった、片方だけ、痛みやゆがみがある、という場合は、できるだけ早く受診してください。片方の目が急に見えなくなったときは、痛みがなくても、様子を見ずにすぐ眼科へ。

健康診断で、聴力や視力は測っている?

厚生労働省の特定健康診査(40〜74歳)の基本項目と詳細項目には、視力検査と聴力検査は載っていません(眼底検査は、医師が必要と認めた場合の詳細項目です)。ただし、保険者や自治体が独自に項目を足している場合があります。親が受けている健診の内容は、親が住む市区町村か、親が加入している保険者に確認してください。

本人が「年のせい」と言って受診しない

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、加齢性難聴には根本的な治療法がないと説明しています。一方で厚生労働省の広報誌は、加齢性難聴だと思っていたら耳垢の詰まりや中耳炎など別の病気が見つかる場合もあるとして、聞こえにくいと感じたら耳鼻咽喉科の受診をすすめています。治る・治らないを家族が先に決めず、「原因を一度確かめてもらおう」と伝えてください。テレビや電話など、本人が困っている場面から話すと切り出しやすくなります。受診するかどうかは本人が決めることですが、急に・片方だけ、といったサインがあるときは早めの受診をはっきりすすめてください。

見えにくいなら、眼鏡を替えれば済む?

眼鏡で足りるかどうかは、眼科の検査で分かります。日本眼科医会は、眼鏡を替えても見えにくい、短い期間に何度も眼鏡を作り直している、という場合は、眼鏡では補えない見えにくさの可能性があるとして眼科での相談をすすめています。40歳を過ぎたら眼科で定期的に検査を受けることもすすめています。家族が「眼鏡で大丈夫」と判断せず、一度眼科で確かめてもらってください。

補聴器や拡大鏡は、介護保険で借りられる?

介護保険の福祉用具貸与(13種目)と特定福祉用具販売の種目の一覧に、補聴器・集音器・拡大鏡・テレビ用スピーカーは載っていません。補聴器は障害者総合支援法の補装具費支給制度の側で扱われ、身体障害者手帳(聴覚障害)の対象になる聴力の方は対象になりえます。独自の助成をしている市区町村もあるので、親が住む市区町村の障害福祉や高齢福祉の窓口に相談してください。

帰省できないときは、電話で何を聞けばいい?

この記事のチェック表の項目を、本人が答えやすい質問に言い換えて聞いてみてください。たとえば「テレビの音は、いつもどのくらいで見てる?」「家族に音が大きいと言われたことはある?」「電子レンジの音や玄関のチャイムは聞こえてる?」「新聞は前と同じくらい読んでる?」「夕方は見えにくくない?」などです。電話で聞き返しが増えたと感じたら、それも手がかりの一つになります。片方の耳が急に聞こえにくい、急に見えにくくなった、といった話が出たときは、早めの受診をすすめてください。近くに住む家族がいれば、帰省の代わりに様子を見てもらう方法もあります。

聞こえ・見え方のチェック表を見る