雪道・凍った道で転びにくくする|靴に付ける滑り止め・杖のアイスピック・冬の歩き方
滑りやすい場所を先に知って、靴底と杖の先を冬用にする
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電話で親から「雪の日に家の前で滑りそうになった」と聞いた、帰省したら玄関の冬靴の底がすり減っていた——そんな経験のある方もいるのではないでしょうか。この記事は、親が雪国や冬に路面が凍る地域に住んでいる子世代が、親の冬の外出の備えを整えるためのものです。扱うのは家の外(玄関先から雪道・凍った道まで)だけです。どこで滑りやすいか、靴の側でできること(冬靴の靴底と、今の靴に付ける滑り止め)、杖の側でできること(杖用アイスピック)、歩き方、家族が先にできること、介護保険の扱いの順に、札幌市消防局・東京消防庁・ウインターライフ推進協議会の資料と、メーカーの商品ページ・取扱説明書に書いてある範囲で整理しました。編集部が製品を使って試した記事ではありません(価格は2026年9月27日時点の各商品ページの表示)。家の中の履き物は室内の履き物の選び方、家の中の転びやすい場所は「実家の転びやすい場所7つ」で扱っているので、ここでは繰り返しません。
先に結論
滑りやすい場所は、ある程度決まっています。横断歩道の白線や歩道との境目、車の出入りがある歩道、バスやタクシーの乗り降り場所、店や地下街の出入口です。親がよく歩く道のどこにそれがあるかを、先に親と話しながら確かめておきます(場所の章)。
靴の側で手早いのは、今の靴に付ける着脱式の滑り止めです。ただし金属ピン付きのものは建物の中の床でかえって滑ることがあるので、屋内や店に入る前に外します。製品によっては寒冷地での常用を想定していないものもあるので、毎日雪道を歩くなら冬靴そのものの靴底も見直します(靴の章)。
杖を使っているなら、杖の先も冬用に。杖に後付けするアイスピックは、屋内ではツメを上げて収納します(杖の章)。道具に加えて、小さな歩幅で歩く・靴裏全体をつける・急がない、という歩き方と、降雪後の数日や朝の出かける時間も見直します(歩き方の章)。
靴の滑り止めと杖用アイスピックは、介護保険で借りられる品目にも購入費が出る品目にも名前が載っておらず、自費で買うのが基本です。最終確認はケアマネジャーか市区町村の窓口に確認してください。 → 介護保険の章へ
雪道の転倒はどれくらい起きているか
雪の多い地域と、雪の少ない都市の両方で数字が出ています。地域・期間・集計元がそれぞれ違うので、別々に読みます。
東京消防庁のページ(2025年12月17日更新)によると、毎年12月から3月の期間に積雪や凍結路面で滑って転ぶなどの救急事故が起きていて、過去5年間のこの期間に、東京消防庁管内で801人が救急搬送されています。管内は東京都のうち稲城市と島しょ地区を除く地域で、直近の令和6年12月から令和7年3月までは速報値です。年齢層では50歳から84歳までが多く、普段の転倒では65歳以上が多いのに対して、積雪時は50代から増えるのが特徴だとしています。初診時には3割以上が中等症以上(入院を要する程度以上)と診断され、時間帯では午前7時と8時が多くなっています。雪の少ない地域でも、積もった日や降雪後の数日は注意が必要だと東京消防庁は呼びかけています。
札幌市消防局の「令和6年度 雪道の自己転倒による救急搬送概要」では、札幌市で1,869人が雪道の自己転倒で救急搬送されました。傷病の程度は軽症65.2%、中等症34.0%、重症0.8%。発生場所は道路(歩道・歩道橋を含む)が1,402人で75.0%を占め、月別では2月が617人でいちばん多くなっています。同じ消防局のリーフレットは、雪道での転倒で救急搬送される方の半数以上が高齢の方だとしています。
2つの数字は集計の範囲が違うので、足したり比べたりはできません。東京消防庁は中等症を「生命の危険はないが入院を要するもの」としており、札幌市の集計でも中等症が3割台を占めています。
冬の道で滑りやすい場所
ウインターライフ推進協議会(札幌の冬みち情報サイト「転ばないコツおしえます。」の運営団体)と札幌市消防局のリーフレットが挙げている場所をまとめます。親がよく歩く道、たとえば家から駅・スーパー・病院までの間にこうした場所が何か所あるかを、帰省したときに一緒に歩いて確かめておくと、「ここは白線を避ける」「ここは車道側を通らない」と具体的に話せます。
横断歩道の白線・横断歩道と歩道の境目
横断歩道は車や人が多く通るので雪が踏み固められやすく、止まっていた車が発進するときのタイヤの摩擦で路面が磨かれて滑りやすくなります。横断歩道のあたりの歩道には緩い傾斜も付いています。ウインターライフ推進協議会は、横断歩道と歩道の境目、中央分離帯と横断歩道の境目は傾斜が変わったり段差ができたりすることがあるので要注意だとしています。
見落としやすいのが白線です。白線の部分は普通の舗装と違って水が染み込まないため薄い氷の膜ができやすく、予想以上に滑ることがあるとして、同協議会はなるべく白線の上を歩かないよう勧めています。
車の出入りがある歩道・バスやタクシーの乗り降り場所
住宅や店舗の駐車場の入口、ガソリンスタンドの前など、車が歩道を横切る場所は、雪がタイヤに踏まれて固くなり、摩擦で磨かれて滑りやすくなることがあります。車道へ下りるための傾斜が付いていることも多い場所です。バスやタクシーの乗り降り場所も人や車で踏み固められやすく、札幌市消防局のリーフレットは、乗り物から降りるときは段差や通行人との接触で転ぶおそれもあると書いています。
ロードヒーティングの切れ目・マンホール・歩道橋
ロードヒーティングのある所とない所の境目は、段差ができるうえ、その部分だけ周りより滑りやすくなっていることがあります。特に、ヒーティングのある快適な路面から、ない所へ入るときに路面が急に変わります。マンホールのある場所は、そこだけ穴のように凹んでいることがあります。東京消防庁のページには、通勤途中に歩道橋の上の凍った路面で足を滑らせて転び、腰を痛めた70代の方(中等症)の事例が載っています。
地下街・店の出入口(濡れたタイル)
同協議会によると、地下鉄の駅や地下街の出入口付近は人通りが多くつるつる路面ができやすいうえ、段差があることも多い場所です。逆向きに、雪道から店や地下街に入るときは、タイル張りの床が靴の裏についた雪や水で滑ることがあります。入る前に靴裏の雪や水を落とします。ここはピン付きの靴や滑り止めを付けていると、かえって滑りやすくなる場所でもあります(次の章で)。
靴側の対策:冬靴の靴底で見るところと、今の靴に付ける滑り止め
靴の側でできることは2つあります。冬靴そのものを見直すことと、今の靴に着脱式の滑り止めを付けることです。
冬靴で見る3点と、靴底のタイプ
札幌市消防局のリーフレットは、雪道に合う冬靴の条件として、滑らない(靴底が滑りにくくなっている)・濡れない(靴の中までしみこまない)・暖かい(靴の中の保温性が良い)の3つを挙げています。滑りにくさを決めるのは靴底で、リーフレットでは次の4つに分けて説明しています。
- ピン・金具付きの底は、先の尖った金属のピンや金具が固い氷をひっかきます。一方で、じゅうたんなどの上では金具がひっかかってつまずいたり、建物の中のタイルの床で滑ったりすることがある、という注意書きも同じページにあります。
- 深い溝のある底は、路面をつかむ力が強い作りです。ただし靴底が硬いと、溝が深くてもつるつる路面では滑りやすく、溝に雪が詰まっても滑りやすくなります。
- 軟らかいゴム底は、路面に対する接着力が強いので滑りにくくなっています。
- 滑り止め材入りのゴム底は、ゴムに混ざった滑り止め材がヤスリのように路面の表面をひっかきます。
どれか1つで全部の路面に対応できるわけではありません。ウインターライフ推進協議会は、つるつる路面にはピン・金具付きや深い溝のある靴底、いろいろな路面には柔らかいゴム底や滑り止め入りのゴム底、と向く路面が違うとして、靴底の違う靴を2〜3足持つことや、靴底は使うたびに減るので点検することを勧めています。Q&Aサイトにも、冬靴として買った靴で雪の日に何度も転んだ、底に雪が詰まってタイルの上ではさらに滑った、という趣旨の相談が見られます。帰省したら親の冬靴を裏返して、溝が残っているか、底が硬くなっていないかを見ておきます。
靴に付ける滑り止め(つま先型・全面型、金属ピンの有無)
ウインターライフ推進協議会は、靴に後から付ける滑り止め(同協議会の呼び方では「靴用アタッチメント」)を、つま先をおおうつま先型と、足裏全体をおおう全面型に分けています。つま先型はかかとの面が狭い婦人靴など、全面型は靴底が広く平らなスニーカーや紳士靴に向くと同協議会は説明していて、どちらにも金属ピンが付いたものと付いていないものがあります。多くはゴムバンドやマジックテープで靴底に引っかけて固定します。
同協議会が選ぶときのポイントに挙げているのは、着脱が簡単か、手軽にしまえるか、軽くてかさばらないか、靴に固定されて歩いたときに違和感がないか、バンドや金具が丈夫か、の5つです。親が使うなら、玄関で本人が一人で付け外しできるかを加えます。かがんで靴底にバンドを掛ける動作になるので、玄関に腰かけられる場所があるかも関係します(腰かける場所の作り方は「玄関の上がり框の段差対策」に)。
もう1つ、製品の説明書きにある使い方の注意を読んでおきます。この記事で例に挙げたコモライフの靴底用スパイクは、商品説明に「※登山や寒冷地での常用はお避け下さい。」と書かれています。雪国で毎日の外出に使うのか、雪の少ない地域で急に積もった日だけ使うのかで、選ぶ製品が変わります。
屋内や店に入る前に外す理由
ウインターライフ推進協議会は、金属ピン付きの滑り止めについて「屋内で装着したまま歩くと逆に滑るので、屋内に入る前には必ず取り外す必要があります」と書いています。タイル張りの地下街や店内では、収納できるピンは収納し、アタッチメントは外すほうが安全、とも説明しています。札幌市消防局のリーフレットにも、タイル張りの地下街や店内では「滑り止め金具付きタイプの冬靴は、このような場所では滑りやすくなることもあります」とあります。
親が一人で出かけるなら、どこで外してどこにしまうかを最初に決めておきます。たとえば「スーパーの入口の手前で外して、外した滑り止めは手提げの袋へ」のように、よく行く場所ごとに決めておくと迷いません。病院や役所のように床がタイルの建物も同じです。家に帰ってからは、玄関に入る前に外します。家の中の履き物については室内の履き物の選び方で詳しく説明しています。
杖側の対策:杖用アイスピック
杖を使っているなら、杖の先も冬用にします。先ゴムそのものに「氷雪用・スパイクタイプ」があることは杖の先ゴムの種類で触れているので、ここでは今の杖に後から取り付けるアイスピックについて、幸和製作所「テイコブ アイスピック5本爪 IA03」の取扱説明書を例に見ていきます。杖そのものの選び方は自立式の杖の選び方と「T字杖と4点杖の違い」にあります。
取り付け方と、使わないときのツメの収納(跳ね上げ式)
IA03の取扱説明書では、固定金具・ネジ・ゴムシートで杖に取り付け、左右のネジを締めて杖と本体を固定します。ツメを使わないときは、左右のレバーを押さえながらツメを上げて収納します。材質はステンレスです。同じシリーズに1本爪のIA01があり、型番が違うので注文のときに取り違えないようにします。
取扱説明書には使わないときにツメを上げて収納する手順が書かれているので、建物や乗り物に入る前にはツメを上げておきます。収納は「レバーを押さえながら上げる」操作なので、親が手袋をしたままできるかを、帰省時に親の手元を見ながら試してもらいます。取扱説明書はネジを締めて杖と本体を固定するよう書いているので、出かける前にアイスピックがぐらつかないかも確かめます。
付ける前に杖の太さを確かめる
IA03が対応する杖の太さ(パイプの径)は、メーカーの製品ページにも取扱説明書にも数値で書かれていませんでした(2026年9月27日、編集部が確認した範囲)。取り付ける前に親の杖の太さを測り、合うかどうかを販売店かメーカーに確かめてください。杖の太さの測り方は先ゴムのサイズの測り方で説明しています。介護保険で借りている杖(多点杖など)に付けたいときは、自分で付ける前に、担当の福祉用具専門相談員に相談します。
冬の歩き方と、出かける日・時間
道具を付けても、歩き方が夏のままでは滑りやすさは残ります。札幌市消防局とウインターライフ推進協議会が挙げている歩き方は次のとおりです。
- 小さな歩幅で歩く。歩幅が大きいと足を高く上げることになり、体の揺れ(重心の移動)が大きくなって転びやすくなるためです。
- 靴裏全体をつけて歩く。氷のようなつるつる路面では、小さな歩幅で靴裏全体をつける「すり足」のような歩き方が有効です。ただし完全に地面を擦って歩くとつまずきの原因になるので、軽く足を浮かせます。
- 左右の足の幅は、適度に離しておく(20cm前後)。
- 急がず焦らず、余裕をもって歩く。余裕があると、滑りそうな道を見分けながら歩けます。
- 携帯電話で話しながら歩くような「ながら歩き」をしない。
- 横断歩道で止まっていた状態から歩き出すときや、急ぎ足になったり急に遅くしたりするときは、転びやすいので気をつける。
出かける日と時間も変えられます。東京消防庁は、降雪後の数日間は事故が多いので特に注意すること、天候を前もって調べて残雪や凍結路面を避けることを呼びかけています。同庁の集計で搬送が多いのは午前7時と8時の時間帯で、札幌市消防局も、午前7時から正午ごろにかけて外出する人が多く、転倒で搬送される人も多くなる傾向があるとしています。通院や買い物を、路面が落ち着いた日や少し遅い時間にずらせないか、親と相談してみてください。
札幌市では、ウインターライフ推進協議会が翌朝(7時〜10時)の歩道の滑りやすさを3段階で予測する「つるつる予報」を出していて、いちばん滑りやすいレベル3のときにメールで知らせるサービスもあります。親が住んでいる地域に似た情報があるかは、市区町村のホームページで確かめられます。
歩き方や道具が合うかどうかは人によって違います。歩き方そのものに不安がある方は、ケアマネジャーや理学療法士など専門職に相談してください。
家族が先にできること
玄関先・外階段の滑り止めと融雪
家を出て最初に踏むのは、玄関ポーチと外階段です。ここは帰省中に家族が手を入れやすい場所なので、冬が来る前に見ておきます。屋外用の置くだけの滑り止めマットを敷く、融雪剤や滑り止めの砂を玄関に置いておいて親がすぐまけるようにする、といった準備です。融雪剤や滑り止め材は、製品ごとに使える床材や使い方の注意が違うので、パッケージの表示を確認してから使います。
通路を滑りにくい舗装に変えたり、外階段に手すりを付けたりする工事は、介護保険の住宅改修の対象になる場合があります(介護保険の章)。玄関の中の上がり框の段差は玄関の上がり框の段差対策、家全体の転びやすい場所の点検は帰省時10分チェックリストで扱っています。
雪の日の外出を減らす工夫と、除雪の相談先
降雪後の数日間は特に事故が多い、というのが東京消防庁の見方なので、その数日は出かける用事そのものを減らせると安心です。日用品の宅配やネットスーパーを、雪が降る前に親のスマホか電話で使える状態にしておきます。通院の予約が雪の日に当たったとき、日を変えられるかを病院に聞いておくのも手です。
除雪も転ぶ場面の1つです。消費者庁は、除雪作業は無理をせず二人以上で行い、用具の点検と安全対策を確実に行うよう呼びかけています。一人暮らしの親の家の雪かきについては、自治体によって高齢の方の世帯向けの支援がある場合がありますが、名前も対象も内容も市区町村ごとに違います。親が住んでいる市区町村の窓口か、地域包括支援センターに聞いてください。
比較表と、取り上げる3つの道具
ここまでの話を、付ける場所・着脱・サイズ・屋内での扱い・価格・メーカーの注意書き・介護保険の7つの軸で並べます。メーカーと販売ページの表示を編集部がまとめたもので、実際に使って比べたものではありません。価格は2026年9月27日時点の表示(税込)で、変動します。
| 道具(例に挙げた製品) | 付ける場所 | 着脱 | 対応サイズ・太さ | 屋内に入るとき | 価格 | メーカーの注意書きなど | 介護保険 |
靴に付ける滑り止め コモライフ 靴底用スパイク(23〜27cm) | 今の靴の靴底 | 付け外しして使う。左右兼用 | 靴のサイズ23〜27cm | 外す(金属ピン付きは屋内で逆に滑るため) | リンク先で確認 (Amazonの価格を確認できず) | 「※登山や寒冷地での常用はお避け下さい。」 | 貸与・購入費支給の種目一覧に記載なし(自費が基本) |
杖用アイスピック テイコブ アイスピック5本爪 IA03 | 杖の先の近く | 固定金具とネジで取り付け。ツメはレバーで上げ下げ | 対応する杖の太さの記載なし。付ける前に確認 | ツメを上げて収納 | 3,119円 楽天・イースクエア(送料無料)。メーカー公式サイトの掲載価格は2,640円 | ステンレス製。1本爪のIA01とは別型番 | 貸与・購入費支給の種目一覧に記載なし(自費が基本) |
冬用の靴 あゆみ 大きく開く防寒ブーツ2【7E】(5022) | 靴そのものを替える | 付け外しの手間はない | M(22.0〜22.5cm)〜6L(28.0〜28.5cm)、足囲7E | そのまま(商品ページにスパイク・ピンの記載なし) | 14,960円 楽天・公式あゆみシューズ楽天市場店(送料無料) | むくみのある方や装具を使う方に向く、とメーカーが説明 | 貸与・購入費支給の種目一覧に記載なし(自費が基本) |
①今の靴に付ける
👟
急な雪の日の備えに:コモライフ「靴底用スパイク(23〜27cm)」
価格はリンク先でご確認ください(Amazon)
向いている方- 雪の少ない地域に住んでいて、積もった日だけ備えたい
- 今履き慣れている靴をそのまま使いたい
気になる点- 商品説明に「※登山や寒冷地での常用はお避け下さい。」とある
- 屋内や店に入る前に外す手間がかかる
本体はシリコーンゴム、スパイク部はABS樹脂と鉄。重さ約72g、左右兼用で、靴のサイズ23〜27cmに対応します(Amazonの商品ページの表示)。メーカーが寒冷地での常用を避けるよう書いているので、この記事では雪国で毎日使う道具ではなく、急な降雪の日などに使う備えとして取り上げました。毎日雪道を歩くなら、冬靴の靴底を先に見直してください(靴の章)。同じシリーズのコンパクトサイズは別の型番なので、注文のときに対応サイズを確かめます。
楽天で見る
Amazonで見る
②杖の先に付ける
🦯
今の杖に後付け:幸和製作所「テイコブ アイスピック5本爪 IA03」
3,119円(税込・送料無料/楽天 イースクエア。Amazonの価格はリンク先でご確認ください)
向いている方- 普段から自分の杖を使って外出している
- 雪のない日や屋内では、ツメを上げていつもの杖として使いたい
気になる点- 対応する杖の太さが公式に書かれていない。付ける前に確認が要る
- ツメの収納はレバーを押さえながら上げる操作。手袋の指でできるか試しておく
ステンレス製の5本爪で、固定金具・ネジ・ゴムシートで杖に取り付けます(取扱説明書)。JANは4938765019028。メーカー公式サイトの掲載価格は2,640円(税込)です。1本爪のIA01とは型番が違います。介護保険で借りている杖に付けたいときは、先に福祉用具専門相談員に相談してください。杖の太さの測り方は先ゴムの記事で説明しています。
楽天で見る
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③靴を冬用に替える
🥾
足囲7Eの防寒ブーツ:徳武産業 あゆみ「大きく開く防寒ブーツ2【7E】」(5022)
14,960円(税込・送料無料/楽天 公式あゆみシューズ楽天市場店。Amazonの価格はリンク先でご確認ください)
向いている方- 足がむくみやすい、装具を使っているなどで、ふつうの冬靴が入りにくい
- 付け外しの手間がない冬靴にしたい
気になる点- 商品ページにスパイクやピンの記載はない。凍った路面での滑りにくさは靴底の表示で確認を
- 足囲7Eの幅広設計なので、普段の靴の足囲と比べて選ぶ
サイズはM(22.0〜22.5cm)から6L(28.0〜28.5cm)まで、足囲は7Eです。むくみのある方や装具を使う方に向く、とメーカーが説明している防寒ブーツで、公式通販でも同じ14,960円(税込)でした。靴底のタイプは靴の章の4つのどれに当たるかを商品ページで確かめ、靴底だけでは足りない路面を歩く日は①のような滑り止めを重ねるか考えます。重ねる場合は、滑り止めの対応サイズにこのブーツが収まるかを先に確認してください。
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3つは組み合わせて使うこともできます。冬靴を③のような靴に替え、杖に②を付け、雪の少ない地域への外出や急に積もった日には①を持って出ます。どの組み合わせでも、屋内に入る前に靴の滑り止めを外し、杖のツメを上げることは変わりません。
介護保険は使えるのか
杖、靴の滑り止めと杖用アイスピック、家の外の工事の3つに分けて書きます。どれも、実際に使えるかは要介護度や心身の状態、市区町村の運用によって変わるので、最後は担当のケアマネジャーか市区町村の介護保険担当窓口に確認してください。
杖:介護保険の対象は多点杖やクラッチ類。T字杖は対象の一覧に入っていない
介護保険で借りられる「歩行補助つえ」は、厚生省告示で「松葉づえ、カナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ、プラットホームクラッチ及び多点杖に限る」とされています。一般的な一本杖(T字杖)はここに入っておらず、購入費が支給される種目にも入っていないので、自費で買うのが基本です。
令和6年(2024年)4月からは、このうち松葉づえを除いたカナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ、プラットホームクラッチ、多点杖について、借りるか買うかを選べる「選択制」になりました。選ぶときは、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員から説明と提案を受けて決めます。実際に借りられるか、買えるかは、要介護度と心身の状態をもとにケアマネジャーが判断します。杖の種類による違いや、介護保険での扱いの違いは「T字杖と4点杖の違い」で詳しく説明しています。
靴の滑り止め・杖用アイスピック:一覧に名前がない
靴に付ける滑り止めと杖用アイスピックは、介護保険で借りられる品目にも、購入費が支給される品目(令和6年4月からは9種目)にも名前が載っていません。自費で買うのが基本です。ただ、「対象外」と明記した公的な文書は編集部では見つけられていないので、ここでは「一覧に載っていない」ことだけを書いておきます。迷ったらケアマネジャーか市区町村の窓口に確認してください。
介護保険で借りている多点杖に冬用の先端を付けたいときは、自分で付ける前に福祉用具専門相談員に相談してください。借りている杖の先ゴムの扱いは杖の先ゴムの記事の介護保険の章にあります。
住宅改修:玄関から道路までの通路を滑りにくくする工事
介護保険の住宅改修には「滑り防止等のための床材変更」があり、北九州市の案内には「通路面においては、滑りにくい舗装材への変更等」と書かれています。玄関から道路までの通路を滑りにくい舗装に変える工事は、対象になる場合があります。支給限度基準額は20万円で、自己負担は原則1割(一定以上の所得がある方は2割か3割)です。
住宅改修は原則として着工前の事前申請が必要で、工事を始めた後では支給を受けられないことがあります。利用には要介護・要支援の認定が前提です。先に担当のケアマネジャー(要支援の方は地域包括支援センター)に相談し、市区町村に届け出てから着工します。細かな手順は市区町村の介護保険担当窓口で確認してください。同じ案内には、「本来置くだけで足りるもの(滑り止めマット等)を張り付けて使用した変更」は対象外とも書かれています。住宅改修20万円の枠で何ができるかの全体は「実家の転びやすい場所7つ」にまとめています。
まだ要介護認定を受けていない場合の進め方は「親の介護は何から始める?」にまとめています。
介護保険の申請の流れを見る
よくある質問
靴に滑り止めを付けたまま、お店に入ってもいいですか?
金属ピン付きの滑り止めは、入る前に外してください。ウインターライフ推進協議会は、金属ピン付きのものは屋内で付けたまま歩くと逆に滑るので、屋内に入る前に必ず取り外す必要がある、としています。札幌市消防局の資料にも、タイル張りの地下街や店内では滑り止め金具付きの冬靴が滑りやすくなることがあると書かれています。よく行く店ごとに、どこで外してどこにしまうかを親と決めておくと迷いません。
アイスピックを付けた杖は、雪のない日も使えますか?
テイコブ IA03の場合、使わないときは左右のレバーを押さえながらツメを上げて収納する、と取扱説明書にあります。雪や氷のない日や屋内ではツメを上げておき、凍った路面を歩くときだけツメを下ろす使い方です。ツメの上げ下げを親が手袋をしたままできるかは、帰省したときに実際に操作してもらって確かめてください。
冬靴は何を見て選べばいいですか?
札幌市消防局は、滑らない(靴底が滑りにくい)、濡れない(中までしみこまない)、暖かい(保温性が良い)の3つを冬靴の条件に挙げています。靴底はピン・金具付き、深い溝、軟らかいゴム底、滑り止め材入りゴム底に分かれ、ピン・金具付きは屋内のタイルの床で滑ることがあり、硬い底は溝が深くてもつるつる路面で滑りやすく、溝に雪が詰まっても滑りやすくなります。今の冬靴は、溝が残っているかと底が硬くなっていないかを確かめてください。
雨の日も同じ対策でいいですか?
この記事で参照した資料は、冬の雪道と凍った路面を対象にしたもので、雨の日向けの基準は確かめられていません。確かなのは、金属ピンや金具が付いたものは、建物の中のタイルの床などで滑りやすくなることがあるという点です。凍っていない屋外の路面でピンやツメを出したまま歩いてよいかは、参照した資料では確かめられていません。製品の説明書きに従い、分からないときは販売店やメーカーに確認してください。濡れた店の入口では、入る前に靴裏の水を落とします。
親が面倒がって、滑り止めを付けてくれません。
付け外しの手間が理由なら、着脱の要らない冬靴の側で選ぶ方法があります。ウインターライフ推進協議会は、路面に合わせて靴底の違う靴を2〜3足持つことも勧めています。付ける場合は、玄関に腰かける場所を作って座って付けられるようにする、付ける日を「雪が降った翌日から数日」のように決める、といった工夫で手間を減らせます。歩くこと自体に不安が強いようなら、ケアマネジャーや理学療法士など専門職に相談してください。
この記事の根拠とした主な情報源