親が水を飲まない|高齢者の脱水のサインと、飲みやすくするコップ・水分補給ゼリーの選び方

帰省するたびに、買い置きの飲み物が減っていないことに気づいた方へ

PR本ページはプロモーション(広告)を含みます。楽天アフィリエイトのリンクを掲載しています。また、Amazonのアソシエイトとして、親ケアナビは適格販売により収入を得ています。製品の評価・順位は収益で変えていません。運営・選定方針

たとえば帰省したとき、買い置きのお茶が前回からほとんど減っていない。電話で「水、飲んでる?」と聞いても「飲んでるよ」としか返ってこない。そんな様子が気になって調べ始めた方に向けた記事です。編集部が使い比べた記事ではなく、厚生労働省・消費者庁・環境省・自治体の資料とメーカー公式ページをまとめたものです(参照日はいずれも2026年10月17日)。むせる・飲み込みにくいといった食事全体の心配は「親の食事が心配になったら」で扱っています。

先に結論

この記事で比べる3つ(ストローコップ2つ・水分補給ゼリー1つ)

価格は2026年10月17日時点の各販売ページの表示で、変わることがあります。購入時に販売ページで確認してください。1本あたりの金額は編集部の計算です。②は飲み込む力が落ちた方に向けた食品で、医師・言語聴覚士などの相談指導のもとで使うようメーカーが書いています。向き不向きは比較表とカードで説明しています。

家族が気づける脱水のサイン

脱水は、本人が「のどが渇いた」と言わないまま進むことがあります。長寿科学振興財団の「健康長寿ネット」によると、脱水に伴う症状がない人も少なくありません。離れて暮らしていると毎日は様子を見られないので、帰省したときに見るところと、電話で聞けることを分けておきます。

帰省したときに見るところ

港区が港区医師会の監修で作ったリーフレット「高齢者は隠れ脱水になりやすい」は、脱水のときに出る症状として次のものを挙げています。

環境省の熱中症環境保健マニュアル改訂の検討資料(案・令和6年3月)も、わきの下や口の中の乾き具合を、脱水かどうかを判断する指標の1つとしています。世話をする人が見る点としては、元気があるか、食欲はあるか、熱はないかを挙げています。帰省したときなら、一緒に食事をしながら食欲と口の乾きを見て、トイレの回数が前より減っていないかを本人に聞くこともできます。

港区のリーフレットには、皮膚をつまんで戻るまでの時間や、爪の先を押して赤みが戻るまでの時間を見る方法も「チェック方法」の目安として載っています。ただ、これは家族が脱水かどうかを決めるための検査ではありません。気になる結果が出たら、その様子をメモして、かかりつけ医に相談してください。

出典:港区(港区医師会監修)「高齢者は隠れ脱水になりやすい」(city.minato.tokyo.jp(PDF))、環境省「熱中症環境保健マニュアル 各論(案)各論5 高齢者の注意事項」(wbgt.env.go.jp(PDF))、健康長寿ネット「脱水症」(tyojyu.or.jp)/いずれも2026年10月17日参照。環境省の資料は検討会に出された「案」です。

電話で聞けること

電話では顔色も口の中も見えないので、本人の言葉で返ってくることを聞きます。「水を飲んでる?」という聞き方だと、答えが「飲んでる」の一言で終わってしまうことがあります。聞く内容を変えて、食欲はあるか、体がだるくないか、立ち上がったときにふらつかないか、トイレに行く回数が減っていないかを、1つずつ聞くようにします。

もう1つ聞いておきたいのが、部屋の温度と、エアコンを使っているかどうかです。厚生労働省の高齢者向け熱中症対策リーフレットは「熱中症は、室内や夜間でも多く発生しています」と書いています。同じリーフレットは東京都監察医務院のデータとして、令和3年夏に東京23区で熱中症により亡くなった方(速報値39人)の約8割が65歳以上で、屋内で亡くなった方の約9割がエアコンを使っていなかったことを図で示しています。その内訳は、エアコンがあるのに使っていなかった人が76%、エアコンが無かった人が18%でした。

全国の数字では、消防庁の確定値で、令和7年5〜9月に熱中症で救急搬送された人は100,510人でした。このうち65歳以上は57,433人(57.1%)です。発生場所で見ると、全年齢では住居が38,292人(38.1%)で最も多くなっています。この2つは別々の集計で、高齢者に限った住居の割合はこの資料からは出せません。

出典:厚生労働省「高齢者のための熱中症対策」(リーフレット・2023年5月版、mhlw.go.jp(PDF)・原典は東京都監察医務院)、消防庁「令和7年(5月〜9月)の熱中症による救急搬送状況」(確定値・令和7年10月29日、fdma.go.jp(PDF))/いずれも2026年10月17日参照。東京23区の数字は令和3年夏の速報値で、全国の値ではありません。消防庁の数字は全年齢・5〜9月の集計で、秋冬の数字ではありません。

すぐ受診・相談する状態|3つの段階で分ける

サインに気づいたあと、家族が何をするかは本人の状態で変わります。この記事では、イオン飲料や経口補水液を家族の判断で飲ませて様子を見る方法はすすめていません。下の3つの段階のどこに当たるかで、相談先が変わります。

本人の状態家族がすること相談先
口の乾き、尿の色が濃い、尿が少ない、食欲がない、に気づいたいつもの飲み物を飲む場面を増やす。続くときは相談するかかりつけ医
下痢や嘔吐が続いている、汗を多くかいた何をどれだけ飲ませるかを家族の判断で決めないかかりつけ医・薬剤師、#7119(使える地域の場合)
ぐったりしている、呼びかけへの反応がおかしい、水分がとれない家で様子を見ない受診、または救急(119番)

救急車を呼ぶべきか、すぐ受診すべきか迷ったときに、医師・看護師・救急救命士から電話で助言を受けられる仕組みとして、総務省消防庁が「救急安心センター事業(#7119)」を案内しています。全国どこでも使えるわけではなく、#7119以外の番号で救急の電話相談をしている地域もあります。実家のある地域でどの番号が使えるかを先に調べて、電話の近くに貼っておいてください。

かかりつけ医がいない、相談先が決まっていない場合は、実家のある市区町村の介護保険の窓口や地域包括支援センターに聞く方法があります。窓口の探し方は「親の介護は何から始める?」で説明しています。

出典:総務省消防庁「救急安心センター事業(#7119)」(fdma.go.jp/2026年10月17日参照)。表の段階分けは、公的資料の記述をもとに編集部が整理したものです。受診するかどうかの判断は、かかりつけ医・#7119に相談してください。

高齢になると水を飲まなくなる理由

何度言っても飲んでくれないと感じるとき、本人の気の持ちようだけで説明できるとは限りません。公的な資料に挙がっている理由を、体の変化と暮らしの事情に分けて見ていきます。

体の変化|のどの渇きを感じにくくなる

厚生労働省のリーフレットは、高齢者が水分不足になりやすい理由として3つを挙げています。若い人より体の水分量が少ないうえに、老廃物を出すのに多くの尿が要ること。加齢によって暑さやのどの渇きの感覚が鈍くなること。体の調節機能が落ちて、熱がたまりやすくなることです。港区のリーフレットも、のどの渇きを感じにくい、腎臓の働きが落ちて尿がたくさん出る、筋肉量が減って体の水分の総量が少ない、という点を挙げています。

のどが渇いたら飲む、という順番に任せていると、渇きを感じる前に水分が足りなくなることがあります。冒頭で「飲む時間と場面を先に決める」とすすめたのは、このためです。

暮らしの事情|トイレ、むせ、開けられないキャップ

健康長寿ネットによると、失禁や夜間のトイレを心配して水分を控える人がいます。港区のリーフレットでも、トイレを気にして水分を控えることが理由に挙がっています。夜中に何度も起きるのがつらい、という気持ちから飲む量を減らしている場合もあります。

飲むたびにむせることも理由になります。介護の情報サイトLIFULL介護の解説記事は、水分補給の際にむせることがあって苦しい、水は味気なく飲みにくい、といった理由を挙げています。むせが続くなら、飲み物の工夫より先に相談の場面です(受診・相談の章)。食べるときの姿勢は「食事中にむせる・体が傾く方の食べる姿勢」で説明しています。

道具の側に理由があることもあります。環境省の検討資料(案)は、介護が必要な高齢者はペットボトルから自分で飲むのが難しかったり、キャップを開けられなかったりする場合があるとして、ストロー付きキャップを使うなど、周りの人が水分補給のハードルを下げる工夫をするよう書いています。Yahoo!知恵袋にも、一人暮らしの84歳の母がペットボトルのふたを開けられない、という相談が投稿されています。冷蔵庫に飲み物があるのに減っていないときは、キャップが固くて開けられない可能性も考えてください。

出典:厚生労働省「高齢者のための熱中症対策」、港区(港区医師会監修)「高齢者は隠れ脱水になりやすい」、健康長寿ネット「脱水症」、環境省「熱中症環境保健マニュアル 各論(案)各論5 高齢者の注意事項」(URLは出典一覧)、LIFULL介護「高齢者が水分補給を嫌がる原因は?」(kaigo.homes.co.jp)、Yahoo!知恵袋「84歳で一人暮らしの母親の対処方法に苦慮しています」(chiebukuro.yahoo.co.jp)/いずれも2026年10月17日参照。知恵袋は個人の投稿で、誰にでも当てはまる事実ではありません。

1日にどれくらい飲めばいいか

先に1つだけ書いておきます。心臓や腎臓の持病などで、主治医から水分の量を制限されている方は、この章の数字より主治医の指示が先です。飲む量を増やす前に、主治医に確認してください。

厚生労働省の高齢者向け熱中症対策リーフレットでは、1日あたり1.2L(コップ約6杯)が目安です。1時間ごとにコップ1杯、入浴前後や起床後もまず水分・塩分補給を、という呼びかけも載っています。同じリーフレットには「水分や塩分の摂取量はかかりつけ医の指示に従いましょう」「心臓や腎臓の悪い方や持病をお持ちの方は、かかりつけの医師にご相談下さい」とあります。この1.2Lは熱中症対策としての目安で、1年を通じて飲む量の基準として示されたものではありません。

冬の目安の一例としては、文京区高齢福祉課の情報便(令和6年1月)が、冬の脱水対策として、食事以外で1日1リットルは水分をとる、としています。

目安の数字は資料によって違い、飲み物だけで数えるか、食事に含まれる水分まで数えるかでも変わります。健康長寿ネットでは、心臓や腎臓の病気がある人は、よりゆっくり水分をとるよう勧めています。この章の数字は目標ではなく参考です。持病のある方は、量も飲む速さも、かかりつけ医の指示に従ってください。

離れて暮らしていると、親が飲んだ量を家族が測るのは難しいものです。量を測るより、飲む場面を決めて回数で数えるほうが、本人も家族も把握しやすくなります。起きたとき・食事のたび・薬を飲むとき・風呂上がり・寝る前、と場面で数える方法は「親の食事が心配になったら」の水分の章で説明しています。

冬も脱水は起きる

熱中症の印象が強いので、脱水は夏のものと思われがちです。国の資料では冬の脱水についての記述を今回確認できませんでしたが、自治体の高齢者向け資料では冬の脱水についても説明しています。文京区の情報便(令和6年1月)が冬の脱水の原因として挙げているのは、次の4つです。

港区の高齢者向けページも、隠れ脱水は夏も冬も1年中注意が必要としています。暖房を使う季節になっても、飲む場面を決めておく考え方は夏と変わりません。

出典:厚生労働省「高齢者のための熱中症対策」(2023年5月版)、文京区福祉部高齢福祉課「高齢者あんしん相談センター情報便 第53号」(令和6年1月、city.bunkyo.lg.jp(PDF))、港区「高齢者のかくれ脱水対策」(2025年4月15日更新、city.minato.tokyo.jp)、健康長寿ネット「脱水症」/いずれも2026年10月17日参照。文京区・港区の説明は自治体の高齢者向け資料の記述で、国が冬の脱水について示した基準ではありません。

飲む場面を1日の中に作る|離れて暮らす子ができること

飲む場面の基本の形は「親の食事が心配になったら」に書いたので、ここでは離れて暮らす家族の側でできることに絞ります。環境省の検討資料(案)も、水分をとっているか、エアコンの温度調整ができているかは本人任せにせず周りの人が気にかけること、家族と別居している場合は身近な人の協力や介護保険サービスを使って見守れる環境を作ることが挙がっています。

電話の時間を、飲む時間にする

毎日、または決まった曜日に電話をかけているなら、その時間を飲む時間にしてしまいます。電話を受けたら、手元の飲み物を一口でも飲んでもらう。そう決めておけば、電話のたびに飲む場面が1回増えます。「飲んだ?」と確かめるより、電話口でお互いにお茶を飲みながら話すほうが、責めている感じが出にくいかもしれません。

飲み物を、見える所と手の届く所に置く

冷蔵庫の中の飲み物は、扉を開けないと目に入りません。いつも座る椅子の横、ベッドの枕元、台所の調理台など、本人の目に入って手の届く所に置いてください。ペットボトルのキャップが固いなら、開けてからふた付きのストローコップに移しておく、ストロー付きキャップに付け替える、という方法もあります。

枕元に置く飲み物は、夜中のトイレの回数と、主治医から水分の指示が出ているかどうかに合わせて決めてください。夜中に何度も起こされる家族の側の睡眠は「夜中に何度も起こされて眠れない」で、夜のトイレそのものの備えは「親の排泄ケア、何から始める?」で扱っています。

帰省したら、ペットボトルの減り方を見る

帰省したときに見ておきたいのが、買い置きの飲み物の減り方です。帰る前に冷蔵庫の中を写真に撮っておくと、次に来たときに本数を比べられます。減っていなければ、飲む場面がどこで抜けているかを本人と一緒に考えます。開けられないのか、トイレが気になるのか、味が苦手なのか。理由によって、手を打つところが変わります。

入浴の前後と、見守ってくれる人

厚生労働省のリーフレットには、入浴前後や起床後の水分補給も入っています。お風呂の前の一杯も、飲む場面の1つに数えられます。入浴中の見守りは「親が一人でお風呂に入るのが心配」で説明しています。

毎日の様子を家族だけで見るのが難しいなら、近所の人や、介護保険のサービスで関わる人に、飲み物の減り方を気にかけてもらえないか相談してください。要介護認定をまだ受けていない場合の進め方は「親の介護は何から始める?」で説明しています。

出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル 各論(案)各論5 高齢者の注意事項」(資料4・令和6年3月)、厚生労働省「高齢者のための熱中症対策」(2023年5月版)/いずれも2026年10月17日参照。電話の時間を飲む時間にする方法と、冷蔵庫の写真を撮る方法は編集部の提案で、効果を確かめたものではありません。

経口補水液・スポーツドリンク・お茶との違い

毎日の水分と、脱水が疑われるときの補給は、分けて考えます。消費者庁のリーフレットは「経口補水液は、脱水状態でない方が日常の水分補給として飲むものではありません」と書き、医師からナトリウムやカリウムの摂取量を制限されている場合は、必ず医師と相談するよう求めています。

ゼリーの形をした経口補水液もあります(例:明治「アクアサポートゼリー」200g)。これは脱水が疑われるときに使うもので、毎日の水分補給とは用途が分かれています。えん下困難な方は医師に相談するよう、メーカーの商品ページに書かれています。この記事で比べるのは毎日の水分をとるためのゼリーなので、経口補水ゼリーはカードに入れていません。

お茶や水、スポーツドリンクは日常の飲み物です。スポーツドリンクと経口補水液の成分の違いは、各メーカーの公表値をそろえられなかったため、この記事では比べていません。経口補水液の区分や買い置きの考え方は「親の食事が心配になったら」で説明しています。どれを飲ませればいいか迷う状態になったら、それはもう相談の段階です(受診・相談の章)。

出典:消費者庁「経口補水液ってなに?」(caa.go.jp(PDF))、明治「明治アクアサポートゼリー 200g」商品ページ(meiji.co.jp)/いずれも2026年10月17日参照。

飲みやすくする道具の選び方|コップの形と水分補給ゼリー

ここで挙げる道具は飲む動作を助けるもので、脱水を治したり防いだりするものではありません。本人が飲むときに困っている動作(持ち上げる、傾ける、吸う、飲み込む)に合わせて、コップの形と水分補給ゼリーの選び方を整理します。

コップの形|重さ・持ち手・ふた・ストロー

陶器の湯のみやマグカップは、樹脂のコップより重いものが多く、中身を入れるとさらに重くなります(重さは製品によって違います)。持ち上げるのが大変そうなら、軽い樹脂のコップや、持ち手の付いたコップが候補になります。ふたがあれば、飲みかけのまま枕元やテーブルに置いておけます。

ストローは、コップを傾けずに飲めるのが利点です。ただし、吸う力が要ります。むせる方や、認知機能が落ちてきた方に合うかどうかは、医師・言語聴覚士・歯科などの専門職に確認してから選んでください。ペットボトルに付けるストロー付きキャップも、環境省の検討資料(案)が挙げている方法の1つです。

顔を上に向けないと飲みきれない様子なら、鼻に当たりにくい切り欠きのあるコップもあります。切り欠きのあるコップの見るところは「手が震える・力が入らない方の食事|自助食器とスプーン・箸の選び方」のコップの章で説明しているので、この記事ではストロー付きのコップを比べます。

水分補給ゼリー|表示の区分を先に見る

この記事で「水分補給ゼリー」と呼ぶのは、毎日の水分をゼリーでとるための食品です。脱水が疑われるときに使う経口補水ゼリーとは分けて考えます。環境省の検討資料(案)によると、果物やみそ汁、ゼリーなど、ふだんの食事からも水分をとれます(資料が挙げているのは食事の例で、特定の商品を指したものではありません)。

選ぶときに先に見るのは、パッケージにある表示の区分です。同じ「ゼリー」という名前でも、消費者庁の特別用途食品「えん下困難者用食品」の表示許可を受けたもの、経口補水液として「個別評価型病者用食品」の表示許可を受けたもの、どちらの表示も無いものがあります。この記事で比べるニュートリー「アイソトニックゼリー」は、えん下困難者用食品 許可基準Iの表示許可を取得した水分補給ゼリーだと、メーカーが説明しています。病者用食品ではありません。

むせる方、飲み込みにくい方にゼリーが合うかどうかは、医師・言語聴覚士・歯科に確認してから選んでください。ニュートリーも、医師・歯科医師・管理栄養士・薬剤師・言語聴覚士などの相談指導を得て使うこと、この製品を使えば誤嚥が確実に防げるわけではないことを書いています。飲み物にとろみが要るかどうかも、家族が決めることではありません。専門職に確認したうえでとろみ剤を使うことになったら、入れる順番と待ち時間は「とろみ剤がダマになる・毎回とろみが違う」で説明しています。

薬を飲むときの水がつらそうなら、服薬補助ゼリーという別の食品があります。こちらは「服薬補助ゼリーの使い方」で扱っています。

出典:ニュートリー「アイソトニックゼリー(えん下困難者用食品)」(nutri.co.jp)、環境省「熱中症環境保健マニュアル 各論(案)各論5 高齢者の注意事項」/いずれも2026年10月17日参照。

ストローコップ2つと水分補給ゼリーの比較表

前の章で挙げた見方(コップは重さ・持ち手・ふた・ストロー、ゼリーは表示の区分)に沿って、3つを選びました。①と③はどちらもストロー付きのコップで、容量・電子レンジの可否・価格が違います。②は飲み込む力が落ちた方に向けた水分補給ゼリーです。仕様は①②がメーカー公式の表示、③がAmazonと楽天の商品ページで一致した記載です。価格とレビュー件数は2026年10月17日時点の各販売ページの表示で、編集部は実物を試していません。食事まわりのほかの用品は「食事・栄養の介護用品」から探せます。

商品(メーカー)タイプ容量食洗機・電子レンジ価格レビュー(Amazon)
①使っていいね! 飲みやすいストローコップ300
リッチェル・140040
ストロー・ふた・持ち手付きのコップ380mL
(最大目盛300mL・重量98g・煮沸/薬液消毒可)
食洗機 可/電子レンジ 不可
(メーカー表示)
楽天 税込1,870円
(リッチェル公式直営店)
Amazon 1,573円
(ピンク)
★4.4・91件
②アイソトニックゼリー 100mL×30本
ニュートリー
水分補給ゼリー
(えん下困難者用食品 許可基準I)
100mL×30本—
(食品)
楽天 3,680円
(cheeky店・1本約123円)
Amazon 3,300円
(1本110円)
★4.4・160件
③ストローコップ280ml シニア向けベーシック
スケーター・KSNS1
ストロー・ふた付きのコップ280mL食洗機 可/フタとストローを外せば電子レンジ 可
(販売ページの記載)
楽天 948円
(colorfulbox店)
Amazon 907円
★4.2・187件

※価格は2026年10月17日時点で、変わることがあります。購入時に販売ページで確認してください。②の1本あたりは、楽天が3,680円÷30本、Amazonが3,300円÷30本で編集部が計算しました。楽天のレビュー件数は店ごとに別に集計されるため、表にはAmazonの件数を載せています(楽天側は②cheeky店が14件、③colorfulbox店が12件)。①のAmazonはピンクの商品ページの価格で、色によって価格が違うことがあります。送料は店によって違います。

①と③の違いは、容量・電子レンジの可否・値段です。①は容量380mL(最大目盛300mL)、③は280mLで、①の目盛りの300mLと比べると差は20mLです。容量の差より、電子レンジの可否と値段のほうが選ぶときの違いになります。①は電子レンジが使えず、③はフタとストローを外せば本体を電子レンジで温め直せます。電子レンジで温め直したいなら③が候補です。温かい飲み物をストローで飲むときは、やけどしない温度まで冷めているかを確かめてから渡してください。値段は、③が①の5〜6割です(Amazonどうしで907円と1,573円、楽天どうしで948円と1,870円・2026年10月17日時点)。ストローで飲めるかどうかをまず試すなら③から、という選び方もできます。②は飲み物とは別の食品なので、①③と値段では比べず、専門職に相談してから選ぶものとして並べています。

ふた・持ち手付き
🥤

持ち手付きで煮沸・薬液消毒もしたい:リッチェル「使っていいね! 飲みやすいストローコップ300」(140040)

容量380mL(最大目盛300mL)・重量98g/楽天 税込1,870円(リッチェル公式直営店)・Amazon 1,573円(ピンク)

向いている方
  • コップを傾けて飲むのが大変になってきた
  • 飲みかけをテーブルや枕元に置いておきたい
  • 煮沸や薬液で消毒して使いたい
気になる点
  • 電子レンジは使えない(メーカー表示)
  • ストローで吸う力が要る。むせる方は先に専門職に確認する

リッチェルの公式ページでは、製品サイズ12.2×6.7×17.4cm(高さ)、重量98g、容量380mL(最大目盛容量300mL)です。食洗機は使えて電子レンジは使えず、煮沸消毒と薬液消毒はできると書かれています。材質はキャップ・フタ・ハンドルがポリプロピレン、飲み口・ストロー・パッキンがシリコーンゴム、ボトルが飽和ポリエステル樹脂で、生産地は中国です。メーカー希望小売価格は1,700円(税抜)で、税込にすると1,870円になります。「楽天で見る」のリンク先はリッチェル公式直営店で、2026年10月17日時点の価格は税込1,870円でした。「Amazonで見る」のリンク先はピンクの商品ページで、同日時点で1,573円、評価は5つ星のうち4.4(91件)です。色によって価格が違うことがあります。価格は2026年10月17日時点で、変わることがあります。

楽天で見る Amazonで見る

水分補給ゼリー
🍧

飲み込む力が落ちた方に向けた:ニュートリー「アイソトニックゼリー」100mL×30本

えん下困難者用食品 許可基準I(メーカー表示)/Amazon 3,300円(1本110円)・楽天 3,680円(1本約123円)

向いている方
  • 医師や言語聴覚士などから、水分をゼリーでとるよう勧められている
  • 1本ずつ数えて、1日に何本とれたかを家族が把握したい
気になる点
  • 合うかどうかは専門職への確認が先(メーカーも相談指導のもとで使うよう表示)
  • 経口補水ゼリーではなく、脱水が疑われるときに使うものとは別

ニュートリーの公式ページでは、消費者庁の特別用途食品「えん下困難者用食品 許可基準I」の表示許可を取得した水分補給ゼリーです。100mL1本あたりの栄養成分は、エネルギー4kcal、たんぱく質0g、脂質0g、炭水化物0.8g、食塩相当量0.13g、カリウム17mg、水分99gと表示されています。腎臓の病気などで食塩やカリウムの指示が出ている方は、成分表示を主治医に見せてから選んでください。メーカーは「医師、歯科医師、管理栄養士、薬剤師、言語聴覚士等の相談指導を得てご使用ください」と書き、この製品を使えば誤嚥が確実に防げるわけではないとも注意しています。「Amazonで見る」のリンク先(100g×30本)は2026年10月17日時点で3,300円(1本あたり110円)、評価4.4(160件)でした。「楽天で見る」のリンク先(cheeky店・30本セット)は同日時点で3,680円(1本あたり約123円、編集部計算)、レビュー14件です。楽天のページはタイトルに店舗クーポンの表示があり、実際の支払額が変わることがあります。価格は2026年10月17日時点で、変わることがあります。

楽天で見る Amazonで見る

電子レンジ可
🥛

電子レンジで温め直したい:スケーター「ストローコップ280ml シニア向けベーシック」(KSNS1)

容量280mL/Amazon 907円・楽天 948円(colorfulbox店)

向いている方
  • 本体を電子レンジで温め直して使いたい(フタとストローは外す)
  • ストローで飲めるかどうかを、まず1つ手ごろな値段で試したい
気になる点
  • 容量は①より小さい(①の最大目盛300mLとの差は20mL)
  • 温めた飲み物をストローで飲むときは、熱すぎないかを確かめてから渡す
  • 重さはメーカー公式で確認できていない

容量280mLのストロー付きコップです。食洗機が使えて、フタとストローを外せば電子レンジも使える、という記載がAmazonと楽天の商品ページで一致しています。重さは、販売ページの重量の記載に誤記とみられる数字があるため、この記事では載せていません。ストローで吸う力が要るのは①と同じで、むせる方は先に専門職に確認してください。「Amazonで見る」のリンク先は2026年10月17日時点で907円、評価4.2(187件)でした。「楽天で見る」のリンク先(colorfulbox店)は同日時点で948円、レビュー12件です。送料は含めていません。価格は2026年10月17日時点で、変わることがあります。

楽天で見る Amazonで見る

出典:リッチェル「使っていいね! 飲みやすいストローコップ 300」(richell.co.jp)、ニュートリー「アイソトニックゼリー(えん下困難者用食品)」(nutri.co.jp)、スケーター KSNS1 のAmazon商品ページ(amazon.co.jp)と楽天 colorfulbox店の商品ページ(item.rakuten.co.jp)/いずれも2026年10月17日参照。

介護保険は使えるか

コップや水分補給ゼリーは、介護保険の福祉用具の貸与13種目・販売9品目のどちらにも入っていないので、購入費は原則として自己負担です。

コップや水分補給ゼリーのほかに、介護保険の対象になるかどうか迷う物があれば、担当のケアマネジャーか、実家のある市区町村の介護保険の窓口に確認してください。障害者手帳をお持ちの方などは、市区町村の日常生活用具の給付の対象になるかどうかを、実家のある市区町村の障害福祉の窓口で確認してください。

道具の費用とは別に、見守る人の手を増やすところでは介護保険のサービスが関わってきます。要介護認定をまだ受けていない場合の入口は「親の介護は何から始める?」で説明しています。

介護保険の申請の流れを見る

出典:厚生労働省「福祉用具・住宅改修」(mhlw.go.jp)、厚生労働大臣が定める特定福祉用具販売に係る特定福祉用具の種目(平成11年厚生省告示第94号、mhlw.go.jp(PDF))、厚生労働省「日常生活用具給付等事業の概要」(mhlw.go.jp)/いずれも2026年10月17日参照。日常生活用具の対象品目は市区町村ごとに決められていて、コップ等が対象になるかどうかはこの記事では確認できていません。

よくある質問

お茶やコーヒーも水分に数えていいですか?

飲み物をどこまで数えるかは資料によって違い、この記事では決めきれません。港区の高齢者向けページは、予防のポイントとして、アルコールやカフェインを多く含む飲み物の飲みすぎに注意するよう書いています。お茶やコーヒーが好きな方なら、それを飲む場面に置いたうえで、ほかの飲み物も1日のどこかに組み合わせる方法があります。持病や飲んでいる薬で飲み物の指示が出ているなら、その指示に従ってください。

夜トイレに起きるのが嫌で、夕方から飲まなくなります。

健康長寿ネットによると、失禁や夜間のトイレを心配して水分を控える人がいます。本人からすれば筋の通った理由なので、責めないでください。港区と文京区の資料は、寝る前も水分をとる場面に挙げています。枕元の飲み物は、夜中のトイレの回数と主治医の水分の指示に合わせて決めてください。夜中のトイレの回数そのものが気になるなら、かかりつけ医に相談してください。夜のトイレの備えは「親の排泄ケア、何から始める?」で扱っています。

経口補水液を買い置きしておくべきですか?

消費者庁のリーフレットは、経口補水液は脱水状態でない方が日常の水分補給として飲むものではない、としています。医師からナトリウムやカリウムの摂取量を制限されている場合は、必ず医師と相談するよう求めています。買い置きするかどうかと、どんなときに飲ませるかは、かかりつけ医か薬剤師に確認してください。経口補水液の区分と価格の見方は「親の食事が心配になったら」で説明しています。

ゼリーは水分の代わりになりますか?

環境省の検討資料(案)によると、果物やみそ汁、ゼリーなど、ふだんの食事からも水分をとれます(資料が挙げているのは食事の例で、特定の商品を指したものではありません)。飲み込む力が落ちた方に向けては、消費者庁の「えん下困難者用食品」の表示許可を受けた水分補給ゼリーもあります。ただ、むせる方や飲み込みにくい方に合うかどうか、1日の水分のうちどれだけをゼリーにするかは、医師・言語聴覚士・歯科に相談して決めてください。経口補水ゼリーは脱水が疑われるときに使うもので、毎日の水分補給ゼリーとは別のものです。

冬でも脱水になりますか?

自治体の高齢者向け資料では、冬の脱水についても説明しています。文京区の情報便(令和6年1月)は、空気の乾燥(暖房でさらに乾く)、汗をかかずのどの渇きを感じにくいこと、トイレの回数を減らそうと水分を控えること、感染症による発熱・下痢・嘔吐を原因に挙げています。港区のページも、夏も冬も1年中注意が必要としています。暖房を使う季節も、飲む場面を決めておく考え方は夏と同じです。

コップや水分補給ゼリーは介護保険で買えますか?

コップや水分補給ゼリーは、介護保険の福祉用具の貸与13種目・販売9品目のどちらにも入っていないので、購入費は原則として自己負担です。障害者手帳をお持ちの方などは、日常生活用具の給付の対象になるかどうかを、実家のある市区町村の障害福祉の窓口で確認してください。

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