浴室の床で足が滑る|置くマット・貼るシート・塗る滑り止めの違いと、洗い場と浴槽内の使い分け
工事はまだ決められない。今週のうちに、数千円でできることを探している人へ
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帰省したら、親が浴室の床に手をついて移動していた。本人から「風呂で滑ってヒヤッとした」と聞いた。そういう場面で最初に検索されるのが「浴室 滑り止め」です。ただ、買ってみたら端がめくれる、ひと月で黒ずむ、かえって滑る気がする、という買い直しの相談や検索も少なくありません。この記事は濡れた浴室の床で足が滑るとき、床そのものに何をするかだけを扱います。置くマット、貼るシート、塗るコーティング剤の3方式を、メーカー公式の表示と商品ページの記載、介護保険の告示・通知に書いてある範囲で比べました。編集部で敷いて滑りやすさを測った記事ではありません(価格は各商品ページの2026年9月10日時点の表示)。浴室は、家の中で転ぶ回数の多さで見る場所ではなく、転んだときの重症化のしやすさ(骨折や入院につながりやすいか)で見る場所です。人数の数字とその読み方は「親の入浴が心配になったら」の入浴中の事故と季節・温度の章で扱い、ここでは床の話に絞ります。
先に結論
買う前に、どこで滑っているかを「洗い場」「浴槽の中」「浴槽をまたぐ一瞬」の3つに切り分けてください。場所ごとに使える物が違い、洗い場用のマットを浴槽に沈めても浮くかずれるだけで、浴槽用の吸盤マットを洗い場に敷いても本来の使い方ではありません。
洗い場なら置く(マット・すのこ)か塗る。浴槽の中なら浴槽用と明記された吸盤マットか貼るシート。またぐ一瞬は床ではなく支えの問題なので、手すり側の話として「親の入浴が心配になったら」の動作別ガイドを見てください。
介護保険については、購入費支給の対象になる「入浴補助用具」7種目のうち、床まわりの物で挙がっているのは浴室内すのこ・浴槽内すのこまでで、滑り止めマット・貼るシート・塗る剤はその一覧に名前が無く、原則自費です。 → 介護保険の章へ
どこで滑っているのかを切り分ける
「風呂で滑った」という一言には、4つの違う場面が混ざっています。場面ごとに床の状態も、使える物も違うので、買い物の前にどれなのかを親に聞いておきます。聞くときは「どこで滑った?」ではなく「体を洗っているとき? 湯船の中? またぐとき?」と選ばせる形のほうが答えが返ってきます。
洗い場|石けんやシャンプーの流れた床
体を洗っている最中と、洗い終わって浴槽へ向かうときに滑るなら、洗い場の床です。ここで床に残っているのは水だけではなく、流したシャンプーや石けんです。「バスマジックリンで洗ってみたのですが、ぬるぬるが落ちません」という相談がYahoo!知恵袋に上がっているように、洗剤で洗っても取れないぬめりが床に残る家は珍しくありません。皮脂や石けんカスの膜が原因として挙げられることはありますが、この記事ではぬめりの成分を断定しません。洗い場に対してできるのは、置くか塗るの2つです。
浴槽の中|お湯と、つるつるの浴槽面
湯船に入っている最中に足が前へ流れる、立ち上がろうとして足元が滑る、というのは浴槽の中の話です。浴槽の底はお湯に浸かっていて、洗い場と同じ物は使えません(吸盤で底に付けるか、貼るしかありません)。浴槽の中の章で扱います。
浴槽をまたぐ一瞬|床ではなく支えの問題
片足を上げて浴槽の縁を越えるときに体が揺れるのは、床が滑っているというより、片足立ちの一瞬に支えが無いことが原因になっている場合があります。どちらなのかは体の状態(筋力、麻痺、めまいの有無)で変わるので、気になるなら主治医やリハビリ職に聞いてください。支えが足りない場合は床に何を敷いても解決せず、浴槽の縁に挟む手すりやバスボード(制度上の名称は入浴台)の話になります。この記事では扱わないので、「親の入浴が心配になったら」の動作別に道具を1つずつの章へ進んでください。またぐ動作そのものを減らす手順もそこにあります。
脱衣所の足元|濡れた足とバスマット
浴室から出た直後、濡れた足でバスマットの上や洗面所の床を踏んで滑るのは、浴室の床の話ではなく履き物とマットの話です。「洗面所のクッションフロアが、ところどころツルツルするようになった」という相談も知恵袋にあります。脱衣所側は「室内で転びにくい履き物の選び方」で扱っているので、そちらを見てください。
床に置く|浴室用マットとすのこ
いちばん手軽で、賃貸でも使える方式です。そのぶん、買い直しの相談で挙がる不満は、サイズが合わない・裏面が床に合わない・乾かない、の3点に集まりやすいと、販売ページの注意書きや相談文から読み取れます。
見る点:洗い場の実寸、裏面の作り、厚み
- 買う前に洗い場の床を測ります。マットが洗い場より大きいと端が浴槽の縁や排水口に乗って浮き、小さいとマットの外へ足が出た瞬間に床の滑りに戻ります。消費者庁は高齢者の転倒・転落事故への対策として「床や階段につまずきそうなものや引っ掛かりやすいカーペット、マットを置かない」ことを挙げていて、これは浴室用に限らない家庭内のマット全般への注意です。端が浮くマットは、滑り止めのつもりで置いたつまずきの元になります。
- 裏面が吸盤式か、全面が接地する平らな裏面かを商品ページで見ます。吸盤式は平らでつるつるした床に向き、表面がざらついた床では吸盤が付きません。平らな裏面は床を選ばない代わりに、水が下に回ったときのずれは製品の加工次第です。サンコーの「お風呂洗い場マット」は販売店の商品説明で「裏表両面、ずれにくく、すべりにくい加工」「タイル張りの床には使用できません」と書かれていて、同じ店が「ステンレス製の浴槽には吸盤式のすべり止めマットを」と使い分けを案内しています。床の種類で裏面を選ぶ、という順番です。
- 厚みのぶんだけ、敷くと洗い場の床が上がります。厚さ2cmのマットを敷けば、浴槽の縁との高低差が2cm変わり、浴室のドアの開閉に当たることもあります。サンコーのマットが厚さ0.3cmで「つまずきにくく、浴室のドアの開閉の邪魔になりません」と説明されているのは、薄さがそのまま売りになるからです。逆に、洗い場の冷たさをやわらげたい目的なら厚手のほうが向きます。
- 耐熱温度の表示があるか。サンコーのマットは60℃と表示されています。熱めのシャワーを直接かける使い方をするなら、この数字を見ておきます。
カビと洗い方:使用後に立てて乾かす
「入浴剤を入れるため毎回ヌルヌルして洗うのが面倒で放置していたらカビだらけになって落ちない」という相談が知恵袋にあります。マットの黒ずみは、濡れたまま床に置きっぱなしにしている時間が長いほど出やすい、と多くの販売ページや手入れの案内に書かれています。買うときに見るのは、洗濯機で洗えるか、つけ置きができるか、掛けて乾かせる重さかの3点で、どれも製品表示に書いてあります。サンコーのマットは340gで「サッと洗ってバスタブ等に掛けておけば乾きも早く」と説明されています。厚手のクッションマットは掛けて乾かすのに場所を取るので、脱衣所に掛ける場所があるかも合わせて見ておきます。
商品名に「抗菌」「防カビ」と付いている製品は多くあります。これは各販売ページや商品パッケージの表示であって、この記事で効果を確かめたものではありません。表示があってもなくても、使い終わったら立てて乾かすという手入れは変わりません。
すのこの実売例は「実家の転びやすい場所7つ」で扱っている
洗い場に置く物には、マットのほかに折りたたみ式のすのこがあります。すのこは水が下に抜けるので乾きやすい一方、厚さ2cm前後あって床がその分上がります。実売例(Warm「パタッとすのこNEO ロングサイズ」)と置き方は「実家の転びやすい場所7つ」が扱っているので、ここでは早見表の1行として位置づけを示すにとどめます。介護保険の種目としての「浴室内すのこ」は、滑り止めではなく段差の解消が要件です(介護保険の章)。
床や浴槽に貼る|滑り止めシート・テープ
薄いシートを床や浴槽の底に貼りつける方式です。置くマットと違って、正しく貼れていれば動きにくく、床の高さも変わりません。そのかわり、貼れる面が製品ごとに決まっていて、剥がすときのことまで含めて選ぶ必要があります。
見る点:貼れる床材、貼る前の乾燥、剥がすとき、賃貸
- どの面に貼れるかは、製品ごとにメーカーが指定しています。ユニットバスのFRP、タイル、ホーロー、人工大理石のどれに使えるかは共通の答えが無く、メーカー公式の適用面と使用上の注意に書いてあるものだけが根拠です。この記事で確認できた製品の条件は次の項に書きました。
- 貼る前に床を洗って乾かすこと。東和産業は「濡れた状態で貼りますと粘着力が極端に弱まります」と注意しています。夜の入浴後ではなく、床が完全に乾いた日中に貼る段取りになります。
- 剥がすとき床に跡が残らないか。「滑り止めシートが床にくっついて取れなくなる」という相談が知恵袋にあり、教えて!gooにも「浴槽の粘着テープの綺麗な剥がし方」という相談が立っています(本文は未確認のため、こういう悩みが実在するという以上のことは書きません)。糊残りの少なさをうたう製品でも、貼る面と期間で結果は変わります。
- 賃貸の実家なら原状回復の問題があります。壁の話ですが「賃貸なので退去時に現状回復しなければいけません」と浴室に貼る前に悩んでいる相談が知恵袋にあり、床の滑り止めシートも、退去時に借主が原状回復を求められるかもしれないという同じ心配につながります。貼る前に製品の「剥がした跡」の記載を読み、迷うなら管理会社へ聞いてからにします。
例:東和産業「貼れるお風呂の滑り止めシート」の適用面と注意
メーカー公式ページで条件を確認できた製品として、東和産業の「貼れるお風呂の滑り止めシート」(16.5×29.5cm、日本製)を挙げます。公式ページの記載は次のとおりです。
- 貼れる場所として「浴槽の床や背中、袖部分、洗い場の床、手すりなど」が挙げられ、自由にカットして使える。
- 材質は表面がポリウレタン・ポリエステル、裏面がアクリル系粘着剤・ポリエステル。表面は「基布の表面に気泡のあるポリウレタン樹脂を含浸させ、表面を削って起毛風に仕上げている」ため滑りにくく、水を吸って乾きも早い、と説明されている。
- 「濡れた状態で貼りますと粘着力が極端に弱まります」「木製の浴槽、タイルへのご使用はお避けください」という注意書きがある。
- 「剥がした跡の糊残りもしにくい」とメーカーが書いている(残らないとは書いていない)。
1枚が16.5×29.5cmなので、洗い場の床全体を覆う製品ではありません。足を置く位置、浴槽の底の足が当たる位置、浴槽の縁に手をつく位置、と点で貼る使い方になります。タイル張りの実家には使えないことが公式に書いてあるので、そこはこの製品ではなく置くマットか塗る側の検討になります。
床に塗る|滑り止めコーティング剤と業者の防滑施工
床材を貼り替えずに表面の摩擦を上げる、という考え方の方式です(透明な製品もあれば、色の付く塗料もあります)。市販の塗るタイプと、業者が行う防滑施工の2つがあります。どちらも「塗れば終わり」ではなく、床材の指定と、洗浄・脱脂・乾燥・養生の手順が製品ごとに違います。
市販の塗るタイプ:床材の指定と手順が製品ごとに違う
この記事の執筆時点で、メーカー公式ページに対応素材と手順が書いてあることを確認できた市販品は、サンデーペイントの「すべらない塗料」です。公式ページの記載は次のとおりです。
- 対応素材は「コンクリート、モルタル、鉄、木、石材など」。使える場所として「屋内外の階段やエントランス、ベランダ、浴室、トイレなど」が挙げられているが、ユニットバスのFRP床や樹脂の床が対応素材に含まれるかは書かれていない。
- 手順は、塗る面の油分・汚れ・ゴミを取り除く→塗料をよく混ぜて平滑に塗り広げる(厚塗りするとひび割れる)→一晩以上乾燥。「塗装後2週間以内に塗膜が水に浸ると、軟化してはがれやすくなることがありますが、再度乾燥すると元通り密着します」という注意がある。
- 1kg缶で約2〜3平方メートル(一回塗り)分。色はイエロー・グリーン・グレーの3色で、透明ではない。
「浴室」という言葉があっても、実家の床材が対応素材に入っているかは別の話です。ユニットバスに塗ってよいかは、この製品に限らずメーカーの問い合わせ窓口に床材を伝えて聞くのが確実で、この記事では答えを書きません。もう1点、乾燥と養生の間はその浴室が使えません。「一晩以上」に水に浸けない期間を足した日数のあいだ、親が浴室を使えなくても困らないように段取りできるかが、塗る方式を選べるかどうかの分かれ目です。乾燥の途中で入れないなら、その日の体の扱いは「お風呂に入れなかった日の清拭とドライシャンプー」に書いてあります。
業者施工:価格は要見積り。住宅改修に当たるかは市区町村の判断
床の表面を薬剤で処理して滑りにくくする防滑施工を、業者が行うこともあります。床の材質と面積で内容が変わるため、価格は要見積りとしか書けません。介護保険の住宅改修(20万円枠)には「滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更」という種類があり、厚生労働省の通知(老企第34号)は浴室について「床材の滑りにくいものへの変更」を想定すると書いています。ただし、市販の貼るシートや塗るコーティング剤、業者の防滑施工がこれに当たるかは通知に明文が無く、市区町村の判断です。住宅改修費は着工前の申請が原則で、着工後の申請は認められないことがあるので、着工前にケアマネジャーと市区町村の介護保険窓口へ。住宅改修6種類の一覧と申請の順番は「実家の転びやすい場所7つ」にあります。
浴槽の中の滑り|浴槽用と明記された物を選ぶ
湯船の中で足が前に流れる、立ち上がりで足元が滑る、という場合は、洗い場と別の物が要ります。
洗い場用と同じ物が使えないことが多い理由
洗い場用のマットは床に置いて重さで留まりますが、お湯の中では浮くか、ずれます。浴槽の中で使う製品は裏面の吸盤で底に付けるか、シートを貼るかのどちらかで、サイズも浴槽の底に合わせて小さく作られています。アロン化成の「安寿 吸着すべり止めマット」は公式ページに「浴槽内専用タイプです」とあり、「浴槽内で足もとやお尻のすべりを防止します」という用途で、C(幅36×奥行28cm)・S(36×55cm)・M(36×70cm)の3サイズ、厚さは0.8cmです。販売店の商品説明には、木製の浴槽、泡の出る浴槽、大理石の浴槽、入浴剤が入った浴槽、小石敷き・タイル敷きの浴槽、お湯が循環している浴槽、表面がざらつく浴槽では吸盤が付かず使えない、という注意が並んでいます。吸盤式は、平らでつるつるの浴槽面でだけ働く、という条件を先に押さえておきます。入浴剤を毎日使う家なら、この条件でまず引っかかります。
浴槽の中に貼るシートは、上で挙げた東和産業の製品が「浴槽の床や背中、袖部分」を適用面に含めています。吸盤が付かない浴槽で貼る側を選ぶ場合も、木製浴槽とタイルは不可という条件は同じです。
浴槽の中で姿勢が崩れる話にとどめる
この記事で扱うのは、浴槽の中で足が滑って姿勢が崩れる、という場面までです。湯船の中で意識が遠のく、のぼせる、持病があって長湯が心配、という話は床の滑り止めでは扱えません。入浴中の体調と見守りの考え方は「親の入浴が心配になったら」の入浴中の事故と季節・温度の章に、体調そのものは主治医に聞いてください。
早見表|滑っている場所 × 方式 × 費用 × 賃貸 × 手入れ × 介護保険
ここまでの内容を1枚にしました。費用は幅で示し、この記事で価格を確認できた商品ページと参照日を下に添えています。介護保険の列は、すのこの行とマット・シート・塗る剤の行で答えが違うので、行を分けてあります。
| 滑っている場所 | 方式 | 目安の費用 | 賃貸の実家 | 手入れ | 介護保険での扱い |
| 洗い場 | 置く:浴室用マット | 1,100円〜6,490円 (35×70cmの汎用品〜60×90cmの洗い場用) | 使える(床を変えない) | 使用後に立てて乾かす。洗濯可否は製品表示 | 種目名に無い=原則自費 |
| 洗い場 | 置く:折りたたみすのこ | 4,950円 (実売例1点・「実家の転びやすい場所7つ」に載せた2026-08-24時点の価格) | 使える | 水が下に抜ける。裏面の洗いは必要 | 「浴室内すのこ」は種目名にある。ただし要件は段差の解消で、滑り止め目的で当たるかは窓口の判断 |
| 洗い場・浴槽の縁 | 貼る:滑り止めシート | 917円〜1,225円/枚 (16.5×29.5cm) | 剥がした跡の記載を読む。迷えば管理会社へ | 貼りっぱなし。表面の汚れは洗う | 種目名に無い=原則自費 |
| 洗い場 | 塗る:市販のコーティング剤 | 製品による (本記事では価格未確認) | 床を変えるので貸主・管理会社の確認が要る | 塗り直しの周期は製品表示による | 種目名に無い=原則自費。住宅改修に当たるかは市区町村の判断 |
| 洗い場 | 塗る:業者の防滑施工 | 要見積り | 貸主の承諾が前提 | 業者の説明による | 住宅改修「床材の変更」に当たるかは市区町村の判断。着工前に窓口へ |
| 浴槽の中 | 沈める:浴槽内専用の吸盤マット | 4,566円〜8,030円 (Mサイズ・販売店の実売〜メーカー公式ページ表示の税込価格) | 使える | 吸盤の裏まで洗って乾かす。入浴剤の家は吸盤が付かないことがある | 種目名に無い=原則自費(「浴槽内すのこ」は別物。要件は底面の高さ補正) |
| またぐ一瞬 | 床ではなく手すり・バスボード | この記事の対象外 | 「親の入浴が心配になったら」を参照 | 「親の入浴が心配になったら」を参照 | 浴槽用手すり・入浴台は購入費支給の種目名にある(→親の入浴が心配になったら) |
比べた3つの滑り止め(比較表とカード)
置く・貼る・浴槽の中の3方式から1つずつ、メーカー公式ページか販売ページで寸法・適用面・価格を確認できた製品を選びました。下表はメーカー公式と販売ページの表示を編集部が並べたもので、実物を敷いて比べたものではありません。価格は2026年9月10日時点の各楽天市場店の表示(税込表示)です。
| 製品(メーカー) | 方式 | サイズ | 対応する面(メーカー・販売店の表示) | 手入れ | 実売価格 |
お風呂洗い場マット 60×90cm サンコー | 洗い場に置く | 幅90×長さ60×厚さ0.3cm・340g | 使用場所「洗い場」。タイル張りの床は不可。ステンレス浴槽には吸盤式を、と販売店が案内 | サッと洗って掛けて乾かす(販売店の説明)。耐熱温度60℃ | 6,490円 ライフプラザ楽天市場店(3,980円以上で送料無料) |
貼れるお風呂の滑り止めシート 東和産業 | 床・浴槽・手すりに貼る | 16.5×29.5cm(カット可) | 浴槽の床・背中・袖部分、洗い場の床、手すり。木製浴槽・タイルは不可。濡れた面に貼ると粘着力が極端に弱まる(公式) | 貼りっぱなし。糊残りしにくいと公式が記載 | 990円 住マイル(ポスト投函送料無料)。Yahoo!ショッピングの価格比較では917円の店もある(送料別) |
安寿 吸着すべり止めマット M アロン化成 | 浴槽の中に沈める(吸盤) | 幅36×奥行70×厚さ0.8cm・約0.6kg | 浴槽内専用(公式)。木製・大理石・タイル敷き・泡や循環のある浴槽、入浴剤入りの湯では吸盤が付かない(販売店の注意) | 吸盤の裏まで洗って乾かす | 4,566円 ウェルビー介護用品楽天市場店(3,980円以上で送料無料)。アロン化成公式ページの表示は税込8,030円 |
洗い場に置く
🛁
厚さ0.3cmの薄手:サンコー「お風呂洗い場マット」60×90cm
★6,490円(税込表示・ライフプラザ楽天市場店)
向いている家- ユニットバスの洗い場で、浴槽の縁との高低差を変えたくない
- 使い終わったら掛けて乾かす習慣を親がつけられる
気になる点- タイル張りの床には使えないと販売店が明記
- 60×90cmが洗い場に収まるか、先に実寸を測る必要がある
厚さ0.3cmで、販売店の説明では「裏表両面、ずれにくく、すべりにくい加工」「浴室のドアの開閉の邪魔になりません」と書かれています。表面はSBR(合成ゴム)、耐熱温度60℃、重さ340g。洗い場の冷たさをやわらげる厚手のマットとは狙いが違い、床を上げずに滑りだけを減らしたい家向けの1枚です。
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貼る
🩹
足を置く位置に点で貼る:東和産業「貼れるお風呂の滑り止めシート」
★990円/枚(税込表示・住マイル。ポスト投函送料無料)
向いている家- マットを置くと端がめくれる・ずれると分かっている
- 浴槽の底や縁など、滑る位置が決まっている
気になる点- 木製浴槽・タイルには使えない(公式)。濡れた面に貼ると粘着力が落ちる
- 1枚16.5×29.5cmなので洗い場全体は覆えない
東和産業の公式ページが適用面を「浴槽の床や背中、袖部分、洗い場の床、手すりなど」と書いていて、この記事で条件を確認できた貼るタイプです。表面はポリウレタン樹脂を含浸させた基布を削って起毛風に仕上げたもので、水を吸って乾きも早いと説明されています。貼るのは床が完全に乾いた日中に。剥がした跡については「糊残りもしにくい」という表現までで、残らないとは書かれていません。
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浴槽の中
🫧
浴槽の底に吸盤で付ける:アロン化成「安寿 吸着すべり止めマット」M
★4,566円(税込表示・ウェルビー介護用品楽天市場店)
向いている家- 湯船の中で足が前に流れる、立ち上がりで足元が滑る
- 浴槽の底が平らでつるつるしている(吸盤が付く条件)
気になる点- 入浴剤を入れた湯、泡や循環のある浴槽、タイル敷き・木製・大理石の浴槽では吸盤が付かない(販売店の注意)
- 約0.6kgあり、毎回外して吸盤の裏まで洗う手間がある
アロン化成の公式ページで「浴槽内専用タイプ」と明記され、C・S・Mの3サイズ(Mは幅36×奥行70×厚さ0.8cm)、材質はエラストマー、色はレッド・グリーン・ブルー。販売店の説明では裏面に吸盤が696個。アロン化成の公式ページがMサイズに表示している価格は本体7,300円・税込8,030円(2026年9月10日参照)で、販売店ではこれより低い価格で売られています(介護もーる5,193円、てらすけ4,999円送料無料、いずれも2026-09-10時点の表示)。浴槽の底のサイズに合わせてSやCを選ぶ手もあります。
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3つとも「床そのものに何をするか」の道具です。またぐ一瞬の支えと、立ち座りの高さの問題は別の道具になるので、そちらは「親の入浴が心配になったら」の早見表(つまずく動作 × 支える道具)で見てください。浴室以外の場所に置く手すりは、工事なしで置ける手すりの選び方にあります。
介護保険で安くなるのか
結論から書くと、この記事の主役である滑り止めマット・貼るシート・塗る剤は、介護保険の給付対象を定めた一覧に名前がありません。ここは既存の解説記事でも書き方が分かれる点なので、告示と通知の本文で確認した範囲だけを書きます。
購入費支給の「入浴補助用具」7種目のうち、床まわりで挙がっているのは、すのこまで
介護保険で浴室の道具が扱われるのは、主に「特定福祉用具販売(購入費支給)」の枠です。その対象種目を定めた厚生省告示第94号(平成11年3月31日)の「入浴補助用具」に列挙されているのは、入浴用いす・浴槽用手すり・浴槽内いす・入浴台・浴室内すのこ・浴槽内すのこ・入浴用介助ベルトの7つで、告示の本文に「滑り」「マット」という語はありません(2026年9月10日に原文で確認)。
ここで「浴室内すのこ」の種目に滑り止めマットも入るのではないか、と考える人がいます。通知(老企第34号)が示す要件を見ると、浴室内すのこは「浴室内に置いて浴室の床の段差の解消を図ることができるものに限る」、浴槽内すのこは「浴槽の中に置いて浴槽の底面の高さを補うものに限る」と書かれています。つまり種目としての「すのこ」の要件は段差の解消と底面の高さ補正で、滑り止め目的のマットをすのこに読み替える根拠は通知にありません。すのこを買う場合でも、個々の商品が給付対象になるかは、指定を受けた事業者から買ったか、その人に必要と認められたかで変わるので、ケアマネジャー・福祉用具専門相談員・市区町村窓口の判断です。
滑り止めマット・貼るシート・塗る剤は一覧に無い=原則自費
滑り止めマット・貼るシート・塗る剤は、要支援・要介護の認定があっても、介護保険の購入費支給の対象種目一覧(入浴補助用具7種目)に名前が無いため、原則自費です。この記事では「対象外」と言い切らず「一覧に無い=原則自費」と書いています。理由は、市区町村が独自に高齢者向けの用具の助成を設けていることがあり、それは介護保険の告示とは別の制度だからです。実家のある市区町村に独自の助成があるかは、市区町村の介護保険窓口(または高齢者福祉の窓口)で「浴室の滑り止めに使える助成はありますか」と聞くのが早道です。年度10万円の枠や自己負担の割合、償還払いの流れなど、購入費支給の仕組みそのものは「親の入浴が心配になったら」の介護保険の章に書いてあります。
住宅改修の「床材の変更」に貼る・塗るが当たるかは市区町村の判断
もう1つの枠が住宅改修費(支給限度基準額20万円)で、6種類の工事のうち3番目が「滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更」です。通知は浴室について「床材の滑りにくいものへの変更」を想定すると書いているだけで、市販の貼るシート・塗るコーティング剤・業者の防滑施工がここに当たるかの明文はありません。当たる、当たらないのどちらもこの記事では書けず、市区町村の判断です。住宅改修は着工前の申請が前提なので、貼る・塗るで保険を使いたいなら、作業の前にケアマネジャーと市区町村窓口へ相談してください。6種類の一覧と申請の順番は「実家の転びやすい場所7つ」に、まだ認定を受けていない段階の入口は「親の介護は何から始める?」にあります。
介護保険の申請の流れを見る
よくある質問
100円ショップの滑り止めマットでもいいですか?
店で決めるのではなく、サイズと裏面の作りで決めてください。見る点は本文と同じで、洗い場の実寸に対して端が浮かない大きさか、裏面が吸盤式か平らな全面接地か、使う床がその裏面に合うか、掛けて乾かせる重さか、の4つです。「100均にお風呂場の床に置くお風呂マットは売ってますか?」という相談が知恵袋に立っているように、まず安く試したい人は多く、それ自体は悪い順番ではありません。試して端がめくれる・ずれると分かったら、その原因(サイズか裏面か)を踏まえて次を選びます。
マットのカビはどうすれば減りますか?
使い終わったら床から上げて、立てるか掛けるかして乾かすことです。浴室の床に濡れたまま置いてある時間が長いほど黒ずみは早く出ます。洗い方は製品表示に従ってください(洗濯機で洗えるか、つけ置きできるか、漂白剤が使えるかは製品で違います)。商品名の「抗菌」「防カビ」は各販売ページやパッケージの表示で、この記事で効果を確かめたものではありません。
賃貸の実家でも貼れますか?
置くマットなら床を変えないので問題は起きにくく、貼るシートは製品ごとに「剥がした跡」の記載を読んでから決めてください。東和産業の製品は「糊残りもしにくい」という表現で、残らないとは書かれていません。塗るタイプと業者の防滑施工は床そのものを変えるので、貸主・管理会社の確認が要ります。退去時の原状回復の扱いは契約ごとに違うため、迷ったら貼る前に管理会社へ聞くのが確実です。
風呂の床がザラザラなのに滑るのはなぜですか?
この記事で理由を断定できる一次情報は取れていません。「洗剤で洗ってもぬるぬるが落ちない」という相談は知恵袋に実在し、皮脂や石けんカスの膜が原因として挙げられることはありますが、家ごとに床材も使っている石けんも違います。できることは2つで、浴室メーカーが案内している床の洗い方で一度ぬめりを落としてみること、それでも滑るなら床の上に置く・貼るで摩擦を足すことです。ザラザラの床は吸盤が付きにくいので、吸盤式ではなく平らな裏面のマットか、貼るシートの側になります。
介護保険で買えますか?
滑り止めマット・貼るシート・塗る剤は、介護保険の購入費支給の対象種目(入浴補助用具7種目)に名前が無く、原則自費です。市区町村独自の助成があるかは市区町村の介護保険窓口に確認してください。すのこは「浴室内すのこ」「浴槽内すのこ」として種目名にありますが、要件は段差の解消・底面の高さ補正で、個々の商品が対象になるかはケアマネジャー・福祉用具専門相談員・窓口の判断です。詳しくは介護保険の章を見てください。
この記事の根拠とした主な情報源