温めてから当てる:電子レンジ対応の大判・個包装
介護保険の対象種目に挙がっていない(原則自費)
- 冬に冷たいものを当てると身構えられてしまう
- 体を起こせず、寝たまま拭いている
- 温める工程が1つ増える。ワット数と秒数は商品ごとに違う
- 個包装なのでごみは増える
冬場と、体を起こせずに寝たまま拭く場面で、当てるときの温度を確保したいときに向く製品です。サイズと加熱の秒数は本文に書いたとおりで、いずれも大王製紙エリエールの公式表記です。他社品を同じ秒数で温めないでください。
「今日はもう入れられなかった」で終わる日は、介護をしていれば必ず来ます。熱っぽい、本人が嫌がる、退院したばかりで浴室まで歩けない、こちらの余力が残っていない。理由はその日ごとに違いますが、残る困りごとは同じです。体はどうするのか、髪はどうするのか。このページは入浴そのものを立て直す話ではなく、入れなかった日の体と髪の扱い方だけを引き受けます。用意する物の選び分け、拭く順番と手の動かし方、髪に使うものの違い、そして介護保険で買えるのかどうかまでを順に書きます。
先に結論
この記事で比べる商品(4つのうち最初の3つ)
残りの1つは候補の章にあります。価格・仕様は変わることがあります。購入前に、下の各商品の説明と販売ページで確認してください。
「高齢者は週に何回入浴すればいいか」を数字で示した公的な資料は、今回見つけられませんでした。数字があれば分かりやすくなりますが、根拠のない目安を置いても親の状態には合いません。そこでこの記事は、回数ではなくその日に手を入れる場所のほうから組み立てます。全身をまんべんなく拭こうとすると時間もかかり、本人の体力も持たないので、順番をつけるほうが現実的です。
先に手を入れたいのは、皮膚が重なって蒸れる場所、排泄物がつく場所、汗と皮脂がたまる場所です。ここだけでも済ませておけば、入れなかった日をしのぎやすくなります。
※この並びは「汚れやすさ」と「本人が自分で届くか」で整理したもので、医学的な優先順位を示した資料にもとづくものではありません。
1日だけならその日をしのげば済みます。ただ、入れない日が続いているなら、道具を足しても解決しません。理由が体調にあるのか、本人が拒んでいるのか、退院直後で家の中の動線が変わったのか、介助する側の時間と体力が足りていないのか。ここは分けて考えたほうが早く進みます。体調や痛みが理由なら主治医と訪問看護師、拒否なら声のかけ方と順番、動線なら手すりや浴室の環境、介助者の余力なら訪問入浴やデイサービスの入浴という出口があります。
入浴そのものを立て直す話は、この記事では扱いません。浴室に入る・湯船をまたぐ・立ち上がるという動作ごとの道具と介助、入浴拒否の切り分け、訪問入浴やデイの入浴までは「親の入浴が心配になったら|動作別の道具ガイド」にまとめてあります。この記事はその手前で、今日をどうやり過ごすかだけを扱います。
体を拭く3つの方式は、きれいになる度合いで選ぶものではありません。実際の決め手は、湯を用意して後片付けまでやる人が誰かという一点です。介助する人が毎回そこに10分使えるのか、それとも袋から1枚出して終わりにしたいのかで、選ぶものが変わります。
袋から取り出してそのまま拭き、使い終わったら捨てます。湯を沸かす工程も、洗濯物も出ません。夜中に汚してしまったときや、帰省中に短時間で済ませたいときのように、手数を減らすことが目的の場面に向きます。一方で毎日使えば消耗品の費用がそのまま積み上がるので、1枚あたりの単価は最初に見ておいてください。
電子レンジ加熱に対応した製品や、専用のウォーマーで温めてから使うタイプです。冷たいものをいきなり当てると、身をこわばらせたり、手で払われたりすることがあります。温度は受け入れやすさを左右します。特に冬と、体を起こせずに寝たまま拭く場面では差が出ます。
ただし、加熱の可否も条件も商品ごとに違います。大王製紙エリエールの「アテント 温められるからだふき 超大判・個包装タイプ」は、メーカー公式ページに500Wで1本10秒/2本20秒/4本25秒、破裂を防ぐため端から2cm程度の切り込みを入れる、温めすぎに注意、と加熱の条件が明記されています(2026年9月1日参照)。これはこの商品の公式表記であって、他社の製品にそのまま当てはめてよい数字ではありません。電子レンジに対応していない製品もあります。ワット数と秒数、袋ごと温めてよいのかどうかは、必ず手元のパッケージの表示に従ってください。
材料費だけを見れば、使うたびに買い足す費用は発生しません。そのかわり、湯を運ぶ・使っているうちに冷める・張り替える・終わったら洗濯する、までが一続きの作業になります。タオル本体の購入費と、洗濯の水道光熱費・洗剤代、そこにかかる時間は別に乗ります。もう一つ見落としやすいのが、濡れたまま放っておくと体が冷える点です。拭いたそばから乾いた面で水分を取る手順が要るので、タオルは「拭く用」と「拭き取る用」で分けて用意しておくほうが動きやすくなります。
| 方式 | 用意するもの | その場の手数 | 後始末 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
| 使い捨てシート | シートとごみ袋 | 袋から出して拭くだけ | 捨てる | 夜間・急ぎ・帰省中/介助者が交代制 |
| 温めるタイプ | 対応品+電子レンジか専用ウォーマー | 温める工程が1つ増える | 捨てる | 冬/寝たまま拭く/冷たさを嫌がる |
| お湯とタオル | 湯・洗面器・タオル数枚 | 湯の張り替えが要る | 洗濯する | 毎日続ける/費用を抑えたい/介助者が付き添える |
※上表で比べているのは、その場の手数と後始末だけです。汚れの落ち方を試験した結果ではありません。
実際には、どれか1つに決める必要はありません。普段はお湯とタオル、夜間と外出時はシート、というように場面で分けても構いません。
売り場にもネットにも似た商品が並んでいて、パッケージの表からは違いが見えません。見るべき軸は5つあります。
大判なら1枚で広い面をひと続きに拭けるので、背中や太ももで途中で足りなくなりません。小判は部位ごとに替える前提で、枚数を多く使います。どちらが得かは、拭く人が誰かで変わります。介助者が拭くなら大判で手数を減らすほうが速く、本人が自分で拭けるなら扱いやすい小判のほうが続きます。
大きさの表記は商品ごとにまちまちです。先に挙げた「アテント 温められるからだふき 超大判・個包装タイプ」は、メーカー公式ページで1本300mm×600mm・25本入と表記されています(2026年9月1日参照)。通販サイトの商品名では別のサイズが書かれていることもあるので、数字はメーカーの公式ページで確かめるほうが確実です。
薄いシートは水分をすぐ手放すので、広い面を拭いているうちに乾いてきます。押し当てたときに破れて、手に汚れが移ることもあります。厚みは数値で書かれていないことがほとんどなので、枚数と価格だけを見比べると、この差が計算から抜け落ちます。同じ枚数で価格に開きがあるときは、素材(不織布の目付)や「厚手」の表示が理由になっていることがあります。
電子レンジ対応かどうかは、パッケージの表示で分かります。対応品でも、袋ごと温めてよいのか中身を出すのか、ワット数と秒数がいくつなのかは製品ごとに違います。自己流で長めに温めない。この項目で外せないのはここです。専用のタオルウォーマーを使う手もありますが、こちらは置き場所と保温にかかる電気代が別に発生します。
拭き取りの製品には、エタノールを配合したものとしていないものがあります。判断材料は宣伝文句ではなく成分表示で、そこに「エタノール」があるかどうかです。乾燥や刺激が気になる場合は、ノンアルコール表示のある製品という選択肢があります。無香料かどうかも同じ欄で確認できます。においに敏感な人や、香りが混ざるのを嫌う人には、選ぶときの決め手になる項目です。
※肌への影響は個人差があります。この記事では「どんな成分が入っているか」という商品仕様の話までにとどめます。かゆみ・赤みが出たときは使用をやめて、訪問看護師か主治医に相談してください。
大袋は1枚あたりが安くなりますが、開け閉めの手間があり、閉め忘れると中が乾きます。本人が自分で取り出す場面があるなら、開け口が分かりやすいかも選ぶ基準に入れてください。個包装は1本ずつ使い切れて乾く心配がなく、温めるタイプとも相性がいい一方、ごみが増えます。大判の大袋は、思っているより袋が大きく重くなるので、実家に置く場所と、通販で受け取ったあと誰がしまうのかも、買う前に一度決めておいてください。
毎日使う物なので、袋の値段で比べると判断を誤ります。袋の価格 ÷ 枚数で1枚あたりに直してから並べてください。同じブランドでも容量違いで単価が変わりますし、大容量のほうが必ず安いとも限りません。1日に何枚使うかを決めてから単価を掛けると、月あたりの支出が先に見えます。
介護保険の対象種目に挙がっていない(原則自費)
冬場と、体を起こせずに寝たまま拭く場面で、当てるときの温度を確保したいときに向く製品です。サイズと加熱の秒数は本文に書いたとおりで、いずれも大王製紙エリエールの公式表記です。他社品を同じ秒数で温めないでください。
介護保険の対象種目に挙がっていない(原則自費)
大判の30枚前後入りは、1枚あたりの単価が下がる代わりに袋がかさばります。買う前に、袋の価格ではなく1枚あたりに直して比べてください。大袋は開け閉めの手間があり、閉め忘れると中が乾いてしまうことがあります。フタ付きの容器に移すか、開け口が密閉できる製品を選んでおくと扱いやすくなります。
道具より先に効くのが、順番と手の動かし方です。ここを外すと、次から拒まれる原因になることがあります。
拭いてよいかどうかの判断は、この記事の範囲を超えます。皮膚に傷や赤み、発疹、治りかけの部分があるとき、床ずれができているときは、拭く前に訪問看護師か主治医に確認してください。使ってよい製品や、その部分を避けるべきかどうかも合わせて聞いておくと、次の日から迷いません。まだ訪問看護もケアマネジャーもついていない段階なら、相談の入口は「親の介護は何から始める?最初の電話と要介護認定の手続き」にまとめてあります。
体は拭けても、髪だけ手つかずのまま日が終わることも珍しくありません。水を使わずに髪と頭皮の汚れを拭き取る製品は、剤型で3つに分かれます。手数の少なさ、拭き取りの有無、火気の注意がそれぞれ違います。
手のひらに泡を出して髪になじませ、最後に乾いたタオルで拭き取ります。白十字の「サルバドライシャンプー」200gがこの泡タイプにあたります。販売ページの商品説明には、無香料・保湿成分イソステアロイル加水分解コラーゲンAMPD配合とあり、使い方は「使用前によく振ってからボトルをさかさまにして適量を手に取り、頭髪全体に泡をよく混ぜてなじませた後、乾いたタオルで拭き取る」とあります(2026年9月1日参照)。
ピジョンの「ハビナース お湯のいらない泡シャンプー」200mLも同じ泡タイプ。販売ページには弱酸性・植物性保湿成分(チャ乾留液)配合・洗い流し不要とある一方で、使用後に濡れたタオルで拭き取る手順も書かれています。泡タイプは剤を髪に残さないための拭き取りが必ず一手間として残る、と考えておいてください。
吹きかけて広げるだけなので、3タイプの中では手数が少なめです。ただしここには、他の2つに無い確認事項があります。スプレー缶の製品には、可燃性ガスを噴射剤に使っているものがあります。
消費者庁は2020年8月7日付で「8月に多いスプレー缶によるやけどや皮膚障害に注意」を出し、使用時に吸い込んで呼吸困難になる事故や、廃棄時の穴あけを火の近くでやって引火する事故が起きていると注意を呼びかけています。東京都(東京くらしWEB)も2019年10月にスプレー缶・エアゾール製品の事故として、ガスファンヒーターの使用中に缶が破裂した例や、台所でガス抜き中に引火して指から肘まで火傷を負った例など、個別の事故を挙げています。製品評価技術基盤機構(NITE)も、可燃性ガスを使った冷却スプレーの使用後に近くで火を点けて着衣に着火した事例を挙げて注意喚起しています。
これらはスプレー缶全般についての注意で、ドライシャンプーで同じことが起きたという記録を見つけたわけではありません。使う前にパッケージの火気に関する表示を確認し、暖房器具やコンロのそばで使わず、使った直後に火を点けないでください。捨てるときの処理方法も、自治体の分別の決まりに従ってください。
このタイプで名前をよく見かけるのが「フレッシィ」です。現在の販売元は株式会社ファイントゥデイ(旧・資生堂のヘアケアブランド)で、公式オンラインショップでは「フレッシィ ドライシャンプー f」150mLと「フレッシィ ドライシャンプー ボトル f」250mLが、どちらも税込638円と表示されています(2026年9月1日参照)。ここで見ておきたいのは金額そのものではなく、容量が違っても同じ値段のことがあるという点です。オープン価格なので販売店によって金額は変わります。買うときは、必ずその販売ページの税込価格を見て、mLあたりに直してから比べてください。
1枚ずつ取り出して髪と頭皮を拭くタイプです。1枚が1回分になっているので、出す量で迷いません。短髪の場合や、前髪と分け目だけが気になるという部分的な使い方に向きます。逆に、長い髪の全体を1枚でまかなうのは難しく、枚数を重ねることになります。
白十字の「サルバ 水のいらないシャンプータオル ノンアルコール」30枚入は、販売ページの商品説明にノンアルコール処方、パラベン・プロピレングリコール不使用と書かれています(2026年9月1日参照)。アルコールを避けたいときは、この表示のある製品を選ぶ手があります。
| タイプ | 使い方 | 拭き取り | 火気の注意 | 向いている状態 |
|---|---|---|---|---|
| 泡(ムース) | 手に取って髪に揉み込む | 必要(乾いた、または濡れたタオルで) | 製品の表示による | 寝たまま/髪が長い/頭皮まで届かせたい |
| スプレー(ミスト) | 吹きかけて広げる | 製品により必要 | 可燃性ガス使用の製品あり。表示を確認 | 座位が取れる/手早く済ませたい |
| シート | 1枚ずつ取り出して拭く | 不要(シート自体で拭く) | 缶ではないため該当しにくい | 短髪/部分的な脂っぽさ/外出先 |
※同じ剤型でも手順は製品ごとに違います。最終的には各製品の使用方法の表示に従ってください。
汚れを取るつもりが、かえって髪が重くなった、という結果になりやすいのがこのカテゴリです。関わってくるのは出す量と、拭き取りの2つです。剤を一度に多く出すと、髪の表面に残ったまま乾きます。拭き取りが足りないときも同じで、取りきれなかった分がそのまま残ります。
避け方は単純です。少量ずつ、範囲を分けて根元から入れること。拭き取りは、タオルの面を替えながら、剤を移し取るつもりで進めること。同じ面で拭き続けると、取ったものを戻すことになります。髪が長い場合は、上から下へ区切って、区切りごとに拭き取りまで終わらせるほうが剤が残りません。
介護保険の対象種目に挙がっていない(原則自費)
本文で挙げた泡タイプの代表が白十字「サルバドライシャンプー」200gです。粉末(パウダー)ではありません。拭き取り用のタオルを1枚別に用意しておくと、剤が髪に残りにくくなります。
介護保険の対象種目に挙がっていない(原則自費)
本文で挙げたシートタイプの代表が白十字「サルバ 水のいらないシャンプータオル ノンアルコール」30枚入です。成分の表示は本文のとおり。長い髪の全体に使うと枚数が要るので、1袋の枚数と1枚あたりの単価を先に見ておいてください。
※上の2枚は、記事内で仕様を確認できた製品を剤型の代表として挙げたものです。順位づけではありません。価格と在庫は変動するので、購入前に販売ページの表示を確認してください。
ドライシャンプーではどうにも足りない、湯で流したい、という場面もあります。道具の種類・選び方と湯の使い方の手順は「寝たまま髪を洗う|洗髪器・ケリーパッドの選び方と、ベッドを濡らさない段取り」にまとめています。ベッドの上で洗うための道具は市販されていて、頭の下に敷いて湯を受けるエアー式の洗髪器や、防水シートを組み合わせた洗髪キットが該当します。
買えば解決する、という種類の道具ではありません。湯を運んでくる、頭の下に器具をセットする、流した湯を受ける、受けた湯を捨てに行く、髪を乾かす。この一続きの作業がそのまま残り、道具が引き受けてくれるのは「受ける」ところだけです。途中でベッドを濡らすと、そこからシーツ交換という別の作業が始まります。
そのうえで、道具を検討する価値があるのは次のような場面です。訪問サービスの間隔が空いていて自宅で洗う必要がある、本人が湯で流すことにこだわりがある、髪が長くてドライシャンプーでは追いつかない。逆に、介助者が一人で、湯の運搬と後始末まで背負うことになるなら、道具を増やすより次の選択肢のほうが現実的です。
洗髪は、訪問介護やデイサービス、訪問入浴のサービスの中で受けられることがあります。何がどこまで頼めるかはサービスの種類とケアプランによって変わるので、ここは自分で判断せず、担当のケアマネジャーに「家で髪が洗えていない」と伝えてください。伝え方さえ具体的なら、道具を買うより早く解決することがあります。まだ担当がついていない場合は、介護保険の申請と最初の相談窓口から先に進めてください。入浴そのものを取り戻す方向で考えるなら、入浴の動作別ガイドで、どの動作でつまずいているかを先に切り分けるほうが早いこともあります。
体と髪の話をしてきましたが、清拭では代われない場所が2つあります。ここを体の清拭と一緒に済ませると、手入れが抜け落ちます。
口腔ケアは体を拭く作業とは道具も手順も別です。入浴できない日が続いても、口の中の手入れは止められません。歯科の訪問診療や、歯科衛生士による口腔ケアという選択肢があるかどうかは、状態とケアプランによります。ケアマネジャーか、かかりつけの歯科に相談してください。食べる量が落ちてきた・むせるようになったという段階の準備は、「親の食事が心配になったら|介護食を買う前に決めること」にまとめてあります。
足の指の間と爪は、靴下を脱がせないと状態が分かりません。爪が伸びて変形していると靴の中で指が当たり、歩き方が変わります。清潔のついでに見ておくと、転びやすさの兆候を早く拾えます。家の中のどこで転びやすいかは、「実家の転びやすい場所7つと、帰省時10分チェックリスト」で場所ごとに整理しています。
おむつやパッドを使っている場合、陰部の清拭は交換とあわせて行うことになります。合わせて必要になるのが、使用済みのものをどう処理するかという段取りです。防臭袋の選び方や、ごみに出すまでの動線の決め方は「親の排泄ケア、何から始める?最初に揃える物と月の費用」に書いてあります。
結論から書きます。清拭タオルもドライシャンプーも洗髪用具も、介護保険の福祉用具の種目には入っていません。借りることも、購入費の支給を受けることもできず、原則として全額自費になります。理由は「除外されている」からではなく、そもそも対象となる種目の一覧に載っていないからです。
介護保険で借りられる福祉用具は、厚生労働大臣の告示(平成11年3月31日厚生省告示第93号)で種目が決められています。現行の本文が挙げているのは次の13種目です。車いす/車いす付属品/特殊寝台/特殊寝台付属品/床ずれ防止用具/体位変換器/手すり/スロープ/歩行器/歩行補助つえ/認知症老人徘徊感知機器/移動用リフト(つり具の部分を除く)/自動排泄処理装置。
買ったときに購入費の支給を受けられる種目は、別の告示(平成11年3月31日厚生省告示第94号)で決められています。2026年9月1日時点で告示本文が挙げているのは次の9種目です。腰掛便座/自動排泄処理装置の交換可能部品/排泄予測支援機器/入浴補助用具/簡易浴槽/移動用リフトのつり具の部分/スロープ/歩行器/歩行補助つえ。排泄予測支援機器は令和4年3月23日の告示(厚生労働省告示第80号)で、スロープ・歩行器・歩行補助つえは令和6年3月15日の告示(同第86号)で加わったものです。
借りる側の13種目にも、買う側の9種目にも、清拭タオル・体拭きシート・ドライシャンプー・洗髪用具という種目はありません。だから介護保険では借りられず、購入費の支給も受けられず、原則自費になります。
この線引きは、当サイトの他の記事でも同じ形で出てきます。紙おむつ・尿とりパッドが対象種目に入っていないこと(排泄ケアの記事)、自助食器や自助スプーンが対象種目に挙がっていないこと(食事の記事)も、同じ理由です。
上の9種目のうち、スロープ・歩行器・歩行補助つえの3つは、貸与(レンタル)と販売のどちらかを選ぶ形になりました。ただし、販売の対象になる形は限定されています。スロープは敷居などの小さな段差に使う固定式のもの、歩行器は車輪のない固定式・交互式のもの、歩行補助つえはロフストランドクラッチや多点杖などが対象です。どれがどちらで使えるかは、ケアプラン上の判断になります。親の場合にどうなるかは、担当のケアマネジャーに確認してください。杖の種類ごとの扱いは「自立式の杖(4点杖)の選び方」でも触れています。
介護保険の対象外であることと、どこからも助成が出ないことは別の話です。市区町村が独自にやっている給付や助成があるかどうかは、自治体ごとに違います。全国一律で使える制度は確認できませんでした。要件も金額も、そもそも制度があるかどうかも違うので、ここで一般論を書いても実家の役に立ちません。
実家のある市区町村の高齢福祉の窓口か、地域包括支援センターに「入浴できない日の清潔ケア用品について、市の助成があるか」と聞くのが早道です。まだ介護保険の申請自体をしていない段階なら、順番は「親の介護は何から始める?最初の電話と要介護認定の手続き」にまとめてあります。
家庭で守るべき入浴回数の目安を示した公的な資料は、この記事を書くにあたって確認できませんでした。回数で考えるより、汚れがたまると困る場所(陰部と肛門のまわり、脇の下、足の指の間、首の後ろ)をその日のうちに手当てするほうが判断しやすいはずです。においや皮膚の状態が気になってきたときは、訪問看護師やケアマネジャーに様子を伝えてください。
製品によります。電子レンジ加熱に対応していない製品もあり、対応品でもワット数と秒数、袋ごと温めてよいかどうかは商品ごとに違います。この記事で挙げた「アテント 温められるからだふき 超大判・個包装タイプ」の加熱条件は、本文の「方式2・温めて使うタイプ」に書いたとおりで、メーカー公式ページの表記です。他社品に当てはめてよい数字ではありません。必ず手元のパッケージの表示に従い、自己流で長く温めないでください。
介護保険の福祉用具としては対象になりません。借りられる福祉用具貸与の13種目にも、購入費の支給が受けられる特定福祉用具販売の9種目にも、ドライシャンプーや洗髪用具という種目は挙がっていないためです。清拭タオル・体拭きシートも同じで、原則として自費になります。市区町村が独自にやっている給付や助成があるかどうかは自治体ごとに違うので、実家のある市区町村の高齢福祉の窓口か地域包括支援センターに確認してください。
全身を一度に済ませようとせず、1か所ずつ区切って進めてください。冷たさと寒さは嫌がられる原因になりやすいので、室温を上げ、拭いていない部分は覆ったままにし、冷たいものをいきなり当てないようにします。温められるタイプを使うのはこの場面です。痛みを訴える場所があるときや、以前は受け入れていたのに急に嫌がるようになったときは、体調の変化が理由のこともあります。主治医か訪問看護師に伝えてください。
本人の姿勢と髪の長さで決めると迷いません。体を起こせず寝たままで、髪が長いなら、根元まで広げられる泡タイプが扱いやすくなります。短髪で前髪や分け目だけが気になるなら、1枚ずつ使えるシートタイプで足ります。手数を減らしたいならスプレータイプですが、可燃性ガスを噴射剤に使った製品があるので、火気に関する表示を先に確認してください。