親の入浴介助が家族では難しくなったら|デイサービス・訪問入浴・訪問介護の違い
費用の調べ方と、使い始めるまでの流れ
浴槽から親を引き上げるときに腰を痛めた、週末ごとに実家へ帰って入浴を手伝ってきたが毎週は通えなくなった、息子が洗髪を手伝うと母が嫌がる。家族の入浴介助については、こうした相談が寄せられています。家族の入浴介助が回らなくなったときに候補になる介護保険のサービスに、デイサービス(デイケア)での入浴、訪問入浴介護、訪問介護の入浴介助の3つがあります(このほか、小規模多機能型居宅介護やショートステイでも入浴の介助を受けられることがあります)。名前は似ていますが、どこで入るのか、誰が何人で来るのか、どんな状態の方に向くのかが違い、費用の決まり方も別々です。この記事では、その違いと費用の調べ方を、厚生労働省の資料と告示をもとに整理します。国の資料で裏づけが取れていない点は、その箇所に「本記事では確認していません」と書いています。手すりやシャワーチェアなどの道具と、家族が介助するときの手順は「親の入浴が心配になったら」で説明しているので、ここでは扱いません。
先に結論
- 目安として、浴室まで歩けて送迎車で通える方はデイサービス(通所介護)かデイケア(通所リハビリ)の入浴、自宅の浴室での入浴が難しい方は訪問入浴介護、自宅の浴室で入れるけれど家族の代わりに介助する人が要る方は訪問介護の入浴介助が候補になります。
- どれを使うかは、要介護度と本人の状態を見ながらケアマネジャーとケアプランで決めます。この記事の目安は、相談の前に違いをつかむためのものです。
- 要支援1・2の方の訪問入浴(介護予防訪問入浴介護)は、自宅に浴室がない場合など限られた場合に使われるサービスです。要支援の方のデイサービスと訪問介護は市区町村の事業になるので、内容と料金は実家のある市区町村で確認します。
- 費用は「単位数×1単位の単価(地域とサービスで10円〜11.40円)×負担割合(1〜3割)」で決まります。たとえば訪問入浴介護の基本報酬は1回1,266単位です(令和6年度改定後)。加算が上乗せされるので、実際の額は事業所の見積もりで確認してください。 → 費用の調べ方を見る
この記事で扱う範囲
入浴の困りごとは、段階によって打つ手が変わります。一人で入れているけれど心配な段階なら見守りの工夫、浴槽をまたぐ・立ち上がるといった動作が難しくなった段階なら道具の追加と家族の介助、という順番です。この記事は、その次の段階を扱います。道具をそろえても家族の介助が追いつかない、家族が支えると腰を痛める、遠方で毎週は手伝えない、本人が家族の介助を嫌がる。このどれかに当てはまったときに、外の人に入浴を任せる方法です。
まだ道具で工夫できる余地があるか確かめたい場合は、「親の入浴が心配になったら」で動作別の道具を、浴槽のまたぎが難しくなった場合は「浴槽をまたげない方に」で手すり・バスボード・浴槽台の選び方を見てください。一人で入っている間の見守りを整えたい場合は「親が一人でお風呂に入るのが心配」が参考になります。
3つのサービスの違い
まず全体を表で並べます。デイサービス(通所介護)とデイケア(通所リハビリテーション)は、どちらも通って入浴する点は同じですが、介護保険では別のサービスなので行を分けています。
| サービス | 入る場所と浴槽 | 介助する人 | 費用の決まり方(要介護の方) | 向く状態の目安 | 要支援の方は |
|---|---|---|---|---|---|
| デイサービス 通所介護 | 通い先の事業所の浴室・浴槽(設備は事業所ごとに違う) | 事業所の職員 | 基本報酬(提供時間・要介護度・事業所規模)+事業所が算定していれば入浴介助加算(Ⅰ)1日40単位・(Ⅱ)1日55単位 | 送迎車で通えて、事業所で数時間過ごせる | 市区町村の総合事業(通所型サービス)。単価と負担は市区町村が決める |
| デイケア 通所リハビリテーション | 通い先の事業所の浴室・浴槽 | 事業所の職員 | 基本報酬+入浴介助加算(単位数は通所介護と違う) | 通えて、リハビリも受けたい | 介護予防通所リハビリテーションがある |
| 訪問入浴介護 | 自宅。自宅の浴室は使わず、事業所が浴槽を持ち込む | 看護職員1人と介護職員2人が基本 | 基本報酬は1回1,266単位 | 自宅の浴室まで移動するのが難しい、通うのも難しい | 介護予防訪問入浴介護(1回856単位)。自宅に浴室がない場合など限られた場合 |
| 訪問介護 身体介護の入浴介助 | 自宅の浴室・浴槽 | ホームヘルパー(人数は事業所による) | 身体介護の所要時間の区分で163〜567単位+ | 自宅の浴室で、介助があれば入れる | 市区町村の総合事業(訪問型サービス)。単価と負担は市区町村が決める |
※「向く状態の目安」は編集部が各サービスの定義と体制から整理したもので、制度上の条件ではありません。単位数は令和6年度改定後の基本の単位数で、円への換算と出典は費用の調べ方にまとめています。どのサービスが合うかは、ケアマネジャー(要支援の方は地域包括支援センター)と決めてください。訪問入浴介護の人数と単位数は厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第259回 資料2(mhlw.go.jp(PDF))、要支援の方の訪問介護・通所介護が総合事業に移ったことは厚生労働省老健局「介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方」(mhlw.go.jp(PDF))で確認しました。いずれも2026年10月22日参照。
要支援1・2なのか要介護1〜5なのかで使える制度の入り口が変わるので、親の区分がまだはっきりしない場合は「要支援1〜要介護5の目安と区分の違い」もあわせて見てください。
デイサービス(通所介護)とデイケア(通所リハビリ)の入浴
通所介護は、要介護の方が事業所に通い、入浴・排せつ・食事などの介護や機能訓練を受けるサービスです。厚生労働省の資料は、家族の身体的・精神的な負担を軽くすることも目的に挙げています。入浴は定義に含まれていますが、どの事業所でも必ず入浴があるわけではありません。入浴の有無と方法は、事業所と利用の計画によって違います。
入浴は「入浴介助加算」として1日単位で上乗せされる
事業所が入浴介助加算を算定している場合は、入浴の介助を受けた日に、基本報酬とは別にこの加算が上乗せされます。加算には2つの区分があります。
- 入浴介助加算(Ⅰ)は1日40単位です。入浴介助に関する研修を事業所が行っていることなどが要件です。
- 入浴介助加算(Ⅱ)は1日55単位です。医師・理学療法士・作業療法士・介護福祉士・介護支援専門員などが自宅を訪ね、浴室での動作と浴室の環境を評価したうえで入浴介助を行った場合の加算です。
(Ⅱ)は、本人が自宅で、自分で、または家族やヘルパーの介助で入浴できるようになることを目的にしています。デイで入浴してもらいながら自宅でも入れる状態に近づけたい場合は、この加算を算定している事業所かどうかが見る点の一つになります。どちらの加算を算定しているかは事業所ごとに違うので、利用前に事業所に確認してください。
基本報酬は「何時間いるか」で決まり、入浴は加算で上乗せされる
通所介護の基本報酬は、サービスの提供時間(3時間以上4時間未満から8時間以上9時間未満までの区分。送迎の時間は含まない)と要介護度、事業所の規模で決まり、入浴は1日単位の入浴介助加算として上乗せされる形です。「入浴だけ短く利用したい」という希望がある場合、短い時間で入浴を受けられる事業所が近くにあるかは地域と事業所によるので、担当のケアマネジャーに探してもらってください。
デイケア(通所リハビリ)は加算の単位数も医療費控除の扱いも違う
デイケア(通所リハビリテーション)にも入浴介助加算の区分はありますが、単位数は通所介護と同じではありません。医療費控除の扱いも違い、通所リハビリは医療系サービス、通所介護と訪問入浴介護は医療系サービスと併せて使った月だけ対象になる場合があります。くわしい区別は「親の介護費は医療費控除になる?」で確かめてください。
出典:厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第258回(令和8年6月15日)資料1「通所介護」(mhlw.go.jp(PDF))。通所介護の定義、入浴介助加算(Ⅰ)40単位・(Ⅱ)55単位、基本報酬の時間区分。加算(Ⅱ)の趣旨と(Ⅰ)の研修要件は「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準…の制定に伴う実施上の留意事項について」令和6年改正の新旧対照表(mhlw.go.jp(PDF))。いずれも2026年10月22日参照。単位数は介護報酬の改定で変わります。
訪問入浴介護|浴槽ごと自宅に来てもらう
訪問入浴介護は、事業所が浴槽などの設備を持って自宅を訪問し、入浴の介護を行うサービスです(介護保険法第8条第3項)。厚生労働省の資料は、居宅における入浴の援助を行い、身体の清潔の保持や心身機能の維持などを図るものと説明しています。事業所が浴槽を持ち込むので、自宅の浴室と浴槽を使わずに入浴できるのが、ほかの2つとの違いです。自宅の浴室まで移動するのが難しい方や、デイサービスに通うのも難しい方の選択肢になります。
来る人数は、看護職員1人と介護職員2人が基本
要介護の方の訪問入浴介護は、看護職員1人と介護職員2人の計3人で行うのが基本で、基本報酬の1回1,266単位はこの体制で算定されます。要支援の方の介護予防訪問入浴介護は、看護職員1人と介護職員1人の計2人が基本です。
入浴しても体調に支障がないと認められ、主治医の意見を確認した場合は、看護職員を入れずに介護職員だけ(要介護は3人、要支援は2人)で行うことがあります。この場合は所定の単位数の95%で算定されます。実際の体制は事業所と本人の状態で変わることがあるので、契約前に事業所に聞いておくと当日に戸惑わずに済みます。
当日の体調で全身浴が難しいとき
訪問したときの心身の状態から全身の入浴が難しく、本人の希望で清拭(体を拭くこと)や部分浴(洗髪や足だけを洗うなど)に切り替えた場合は、所定の単位数の90%で算定されます。入浴そのものを見合わせた場合は、訪問入浴介護の費用は算定されません。キャンセルの扱いや連絡の期限は事業所ごとに決まっているので、重要事項説明書で確認してください。
要支援の方の介護予防訪問入浴介護は、限られた場合に使うサービス
要支援1・2の方にも介護予防訪問入浴介護がありますが、要介護の方とは条件が違います。介護保険法第8条の2第2項は介護予防訪問入浴介護を厚生労働省令で定める場合に限っており、島根県の手引きが転記する施行規則第22条の4は、その場合を「疾病その他のやむを得ない理由により入浴の介護が必要なとき」としています。倉敷市は、自宅の風呂に入るのが難しく、感染症などの理由で他の施設の浴室を使うのも難しい場合などと案内しています。目黒区は、自宅に浴室がない場合や、感染症などの理由で他の施設の浴室を使うのが難しい場合のほか、寝たきりの方も挙げています。要支援の方が使えるかは個別に判断されるので、地域包括支援センターか実家のある市区町村に確認してください。
出典:厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第259回(令和8年6月29日)資料2「訪問入浴介護」(mhlw.go.jp(PDF))。基本報酬1,266単位・856単位(令和6年6月以降の単位数)と人数の体制。介護職員だけで行う場合の95%、清拭・部分浴の90%、見合わせた場合の扱い、施行規則第22条の4は島根県「居宅介護サービス事業等の手引き Ⅱ訪問入浴介護」(令和6年4月改訂。告示と通知の転記/pref.shimane.lg.jp(PDF))。自治体の案内は倉敷市「介護予防 訪問入浴介護」と目黒区「訪問入浴介護(介護予防)」。いずれも2026年10月22日参照。介護保険法の条番号は島根県の手引きの転記によるもので、e-Gov法令検索の原文は本記事では確認していません。国の解釈通知の文言も本記事では確認していません。
訪問介護(身体介護)の入浴介助|自宅の浴室でヘルパーが手伝う
訪問介護では、ホームヘルパーが自宅に来て、自宅の浴室で入浴を介助します。介護保険では「身体介護」に当たり、厚生労働省の留意事項通知も、家庭の浴槽で全身入浴の介助をする場合を身体介護の例に挙げています。慣れた自宅の浴室をそのまま使えるのが訪問入浴との違いで、そのぶん浴室の段差や浴槽のまたぎは自宅の条件のまま残ります。手すりや浴槽台を合わせて整えることも多いので、道具の選び方は「浴槽をまたげない方に」を参考にしてください。
民間の介護情報サイトでは、ヘルパーは1人で訪問するのが一般的だと紹介されています。ただ、実際に何人で来るか、同性の職員を希望できるかは事業所によります。
入浴専用の単価はなく、身体介護の時間で決まる
訪問介護の入浴介助には「入浴1回いくら」という決まった単位はありません。身体介護の所要時間の区分で算定されます。令和6年度改定後の単位数は次のとおりです。
| 身体介護の所要時間 | 単位数(1回) |
|---|---|
| 20分未満 | 163単位 |
| 20分以上30分未満 | 244単位 |
| 30分以上1時間未満 | 387単位 |
| 1時間以上 | 567単位+30分増すごとに82単位 |
着替えや移動を含めて入浴介助に何分を充てるかは、ケアプランで決まります。同じ入浴介助でも、本人の状態と介助の内容によって時間区分が変わるので、単位数だけを見て「訪問介護の入浴は〇円」とは言えません。
出典:厚生労働省「令和6年4月改定箇所 指定居宅サービス介護給付費単位数の算定構造」(mhlw.go.jp(PDF))と令和6年厚生労働省告示第86号(mhlw.go.jp(PDF))。家庭の浴槽での全身入浴の介助を身体介護の例に挙げる箇所は、留意事項通知(老企第36号)令和6年改正の新旧対照表(mhlw.go.jp(PDF))。いずれも2026年10月22日参照。ヘルパーの人数は民間の介護情報サイトの説明によるもので、一次資料では確認していません。
使い始めるまでの流れ
介護保険のサービスは、ケアマネジャー(要支援の方は地域包括支援センター)がつくるケアプラン(居宅サービス計画)に沿って使うのが一般的です。家族が事業所に直接申し込んだ場合に費用がどう扱われるかを含めて、手続きの進め方は担当のケアマネジャーか市区町村の介護保険の窓口で確認してください。
- 要介護認定を受ける:まだ認定がなければ、実家のある地域の地域包括支援センターか市区町村の窓口に相談して申請します。申請から認定までの進め方は「親の介護は何から始める?」で順に追えます。
- ケアマネジャーに具体的に伝える:「入浴が家族では難しくなった」だけでなく、浴室まで歩けるか、浴槽をまたげるか、家族が手伝える曜日はいつか、本人が家族の介助を嫌がっているか、を伝えると、どのサービスが合うかの話が早く進みます。要支援の方の相談先は地域包括支援センターです。
- ケアマネジャーがサービスの種類と回数をケアプランに入れ、空きのある事業所を探します。デイサービスの場合は、入浴介助加算を算定しているか、浴室の設備がどうなっているかもこの段階で聞けます。
- 契約の前に、事業所の見学や体験利用ができるかを聞きます。料金表と重要事項説明書を見せてもらい、同性の職員の希望、当日体調が悪いときの扱い、キャンセルの連絡期限を確認してから契約します。
入浴だけでなく、家族が数日休むために泊まりで任せたい場合は、ショートステイという別のサービスがあります。申し込み方と費用を知りたい場合は「初めてのショートステイ」を読んでください。
本人が嫌がるとき・家族が気をつけること
サービスを入れたあとに出てくる悩みの一つが、本人が入浴を嫌がることです。デイに入浴のつもりで送り出しているのに、毎回「入浴なし」と書かれて帰ってくる、という家族の相談も見られます。入らない理由は人によって違うので、まず事業所に、入らなかった日の様子と、職員がどう声をかけたかを聞いてみてください。理由が分かれば、入浴の時間帯を変える、声をかける職員を変える、といった工夫を事業所と相談できます。
同性の職員を希望できるかは事業所による
母親の入浴を息子が、父親の入浴を娘が手伝う形には、本人や家族が抵抗を感じることがあります。訪問介護では、同性の職員を希望すると対応できることがあると民間の介護情報サイトが説明していますが、対応できるかは事業所によります。デイサービスや訪問入浴でも希望できるかは、契約前の見学や申し込みの段階で事業所に確認してください。家族が手伝うときの同性介助の考え方は、「親の入浴が心配になったら」の入浴を嫌がるときの章を開いてみてください。
当日の体調を伝え、入浴日を家族も把握しておく
訪問入浴やデイの入浴は、当日の体調で内容が変わります。前の晩に眠れていない、食欲がない、薬が変わった、といった変化は、連絡帳や電話で事業所に伝えておきます。離れて暮らしている場合は、どの曜日に入浴があるかを家族も把握しておくと、サービスのない日に親が一人で入浴していないかを気にかけやすくなります。
消費者庁は、浴槽内での溺死・溺水と浴槽への転落による溺死・溺水が7,776人、うち65歳以上が7,363人だったと公表しています(厚生労働省 人口動態統計・令和6年)。この数値には、家庭の浴槽か施設の浴槽かの区別はありません。同庁は予防策として、湯温は41度以下、湯につかるのは10分までを目安にする、浴槽から急に立ち上がらない、入浴前に脱衣所と浴室を暖める、食後すぐや飲酒後・医薬品を飲んだ後の入浴を避ける、同居者に入浴を伝えてこまめに声をかけてもらう、を挙げています。浴槽内で意識がもうろうとしたら、気を失う前に湯を抜くことも呼びかけています。サービスのない日に一人で入る場面に備えるなら、「親が一人でお風呂に入るのが心配」で見守りの方法を選んでおいてください。
出典:消費者庁「年末年始、高齢者の事故に注意しましょう!」(2025年12月23日公表/caa.go.jp)、消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」(caa.go.jp)。41度・10分は目安として示されたものです。いずれも2026年10月22日参照。
入れない日の体拭きと洗髪
体調で入浴を見合わせた日や、サービスとサービスの間の日は、体を拭くことと髪を洗うことで清潔を保ちます。清拭タオル・体拭きシートやドライシャンプーの選び方と、拭く順番は「お風呂に入れなかった日の清拭とドライシャンプー」を、寝たまま髪を洗う道具は「寝たまま洗髪の道具の選び方」を参考にしてください。
費用の調べ方(単位数・地域の単価・負担割合)
介護保険のサービスの費用は、円ではなく「単位」で決められています。自己負担の額は、次の3つを掛け合わせて出します。
単位数 × 1単位の単価(地域とサービスで10円〜11.40円) × 負担割合(1〜3割)
入浴に関わる主な単位数
| サービス・加算 | 単位数 | メモ |
|---|---|---|
| 訪問入浴介護(要介護) | 1回 1,266単位 | 看護職員1人+介護職員2人の場合 |
| 介護予防訪問入浴介護(要支援) | 1回 856単位 | 看護職員1人+介護職員1人の場合 |
| 訪問入浴を介護職員だけで行った場合 | 所定単位数の95% | 主治医の意見を確認した場合 |
| 訪問入浴を清拭・部分浴に変えた場合 | 所定単位数の90% | 入浴を見合わせた場合は算定なし |
| 通所介護の入浴介助加算(Ⅰ) | 1日 40単位 | 基本報酬(時間区分・要介護度・事業所規模で決まる)に上乗せ |
| 通所介護の入浴介助加算(Ⅱ) | 1日 55単位 | 自宅の浴室を評価したうえでの介助 |
| 訪問介護(身体介護) | 163〜567単位+ | 所要時間の区分で決まる(上の表) |
※令和6年度介護報酬改定後の基本の単位数です(2026年10月22日確認)。次の介護報酬の改定で変わることがあります。このほか処遇改善加算などが事業所ごとに上乗せされます。デイケア(通所リハビリ)の入浴介助加算は通所介護と単位数が違うため、この表には載せていません。出典:厚生労働省 第259回 資料2(PDF)、第258回 資料1(PDF)、令和6年4月改定箇所の算定構造(PDF)。
1単位の単価は、地域とサービスで10円〜11.40円
1単位が何円になるかは、事業所がある地域の区分(級地)と、サービスの種類で決まります。人件費の割合が大きいサービスほど、都市部での上乗せが大きくなる仕組みです。
| 地域区分 | 訪問介護・訪問入浴介護 | 通所介護 |
|---|---|---|
| 1級地 | 11.40円 | 10.90円 |
| 2級地 | 11.12円 | 10.72円 |
| 3級地 | 11.05円 | 10.68円 |
| 4級地 | 10.84円 | 10.54円 |
| 5級地 | 10.70円 | 10.45円 |
| 6級地 | 10.42円 | 10.27円 |
| 7級地 | 10.21円 | 10.14円 |
| その他 | 10円 | 10円 |
級地は事業所がある市区町村で決まります。実家の近くの事業所を使うことが多いので、まず実家のある市区町村が何級地かを確かめておくと、おおよその見当がつきます。デイケア(通所リハビリ)の1単位の単価は本記事では確認していないので、この表の単価を当てはめず、事業所に確認してください。
出典:厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第262回(令和8年8月5日)資料3「地域区分」(mhlw.go.jp(PDF)/2026年10月22日参照)。
負担割合と、ひと月の上限は別の記事で
自己負担の割合は原則1割で、所得によって2割か3割になります。親の割合は、市区町村から届く介護保険負担割合証に書かれているので、手元の証で確認してください。ひと月に保険で使える上限(区分支給限度基準額)を超えた分は全額自己負担になり、逆に自己負担が一定額を超えた月は高額介護サービス費で戻る仕組みもあります。上限の単位数は「要支援1〜要介護5の目安と区分の違い」に、負担割合証と高額介護サービス費は「親の介護は何から始める?」のお金の章で確かめられます。
訪問入浴1回あたりの計算例
要介護の方の訪問入浴介護(1,266単位)・1割負担の場合
- 1単位10円の地域なら、1,266単位×10円×1割で約1,266円
- 1級地(11.40円)なら、1,266単位×11.40円×1割で約1,443円
基本報酬だけの概算で、端数処理の前の数字です。処遇改善加算などが上乗せされるため、実際の請求額はこれより高くなります。正確な額は事業所の見積もりで確認してください。
サイトによって訪問入浴の金額が数円ずつ違って見えるのは、地域の単価と端数処理の違いによるものです。古い記事には改定前の金額が載っていることもあります。見積もりを取る前の目安として単位数から計算しておくと、古い金額との違いに気づきやすく、見積もりの額とも見比べやすくなります。正確な額は事業所の見積もりで確認してください。
よくある質問
入浴だけのデイサービスはありますか?
通所介護の基本報酬はサービスの提供時間(3時間以上4時間未満から8時間以上9時間未満までの区分)で決まり、入浴は1日単位の入浴介助加算として上乗せされます。入浴だけを単位にした区分はありません。短い時間区分で入浴を受けられる事業所が近くにあるかは、担当のケアマネジャーに探してもらってください。
入浴のサービスは月に何回まで使えますか?
回数は、要介護度ごとのひと月の上限(区分支給限度基準額)の範囲で、ほかのサービスとの組み合わせを見ながらケアマネジャーがケアプランで決めます。たとえば訪問入浴介護を月8回使うと、基本報酬だけで10,128単位になり、要介護2の上限19,705単位のおよそ半分を使う計算です(加算は含みません)。上限を超えた分は全額自己負担になります。
訪問入浴やデイサービスの費用は医療費控除の対象になりますか?
サービスによって扱いが違います。デイケア(通所リハビリ)は、医療費控除の上では医療系サービスに分類されます。通所介護(デイサービス)と訪問入浴介護は、医療系サービスと併せて使った月だけ対象になる場合があります。くわしくは「親の介護費は医療費控除になる?」で説明しています。対象になるかは領収証の記載と税務署の判断によります。
要支援でも入浴のサービスは使えますか?
使える場合があります。介護予防訪問入浴介護は、疾病その他のやむを得ない理由で入浴の介護が必要なときに限られ、自治体は自宅に浴室がない場合や寝たきりの方などと案内しています。要支援の方のデイサービスと訪問介護は市区町村の総合事業で行われ、入浴があるか、回数や料金がどうなるかは市区町村と事業所によって違います。デイケアには介護予防通所リハビリテーションがあります。申し込む前に、地域包括支援センターと事業所に確認してください。
介護保険を使わない、自費の入浴サービスはありますか?
介護保険の外で、自費の入浴サービスを行っている事業者もあります。料金は事業者が決めるので、一律の目安はありません。介護保険のサービスでも、ひと月の上限を超えた分は全額自己負担になります。介護保険の枠で足りるかどうかを含めて、まずケアマネジャーに相談してください。