在宅介護が難しくなったら|特養・老健・有料老人ホーム・サ高住・グループホームの違いと費用の内訳

施設の種類を1枚の表で比べ、月額に含まれないお金と、選ぶ順番・見学で聞くことを並べました

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入院中の親について、病院から「退院後の行き先を考えておいてください」と言われた。あるいは、実家で親を見ている家族が夜も眠れず、在宅のままでは続かないと分かってきた。そこで施設を調べ始めると、特養、老健、介護医療院、介護付き有料老人ホーム、住宅型、サ高住、グループホーム、ケアハウスと名前が並び、どれがどう違うのかで手が止まります。「介護付き」が付く名前が複数あるのも、混乱しやすいところです。この記事では、これらを入居できる方・介護の受け方・費用の内訳・長く住めるかの4つの面から1枚の表で比べ、月額の表示に含まれないお金、入居一時金が戻る仕組み、選ぶ順番と相談先までを、厚生労働省・国土交通省などの公開資料で確認できる内容にしぼって説明します。民間施設の月額の相場は、施設ごとの差が大きく一律に示せないため載せていません。

先に結論

施設の種類の比較表を見る

施設の種類を1枚で比べる

まず全体を並べます。表の「長く住めるか」は、施設の目的と契約の形から見た目安です。実際に住み続けられる条件は、施設ごとの契約書と重要事項説明書で決まります。

種類区分・根拠になる法律入居できる方介護の受け方費用の内訳長く住めるか
特別養護老人ホーム(特養)
介護老人福祉施設
介護保険施設(介護保険法)原則要介護3以上。要介護1・2は特例入所施設の職員から受ける前払金なし。介護サービス費の自己負担(1〜3割)+居住費+食費+日常生活費長く暮らすことを前提にした施設
介護老人保健施設(老健)介護保険施設(介護保険法・都道府県知事の許可)要介護の認定を受けた方施設の職員から、リハビリを中心に受ける前払金なし。介護サービス費の自己負担(1〜3割)+居住費+食費+日常生活費在宅復帰が目的。住み続ける前提ではない
介護医療院介護保険施設(介護保険法・都道府県知事の許可)要介護の認定を受け、長期の療養が必要な方医学的な管理の下で、施設の職員から受ける前払金なし。介護サービス費の自己負担(1〜3割)+居住費+食費+日常生活費長期の療養を前提にした施設
介護付き有料老人ホーム有料老人ホーム(老人福祉法・都道府県などへ届出)+特定施設入居者生活介護の指定ホームごとに決めているホームの職員から受ける前払金(入居一時金)がある場合あり+家賃・管理費・食費など+介護サービス費の自己負担+その他の実費退去の条件は契約で確認
住宅型有料老人ホーム有料老人ホーム(老人福祉法・都道府県などへ届出)ホームごとに決めている訪問介護・デイサービスなどを外部の事業所と個別に契約前払金(入居一時金)がある場合あり+家賃・管理費・食費など+使った介護サービスの自己負担+その他の実費介護や医療が重くなったときの条件を契約で確認
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)高齢者住まい法の登録住宅(都道府県などに登録)60歳以上の方、または要支援・要介護の認定を受けた方など指定を受けていない住宅は、外部の事業所と個別に契約敷金(敷金・家賃・サービスの対価以外の金銭は受け取れない)+家賃・共益費+状況把握・生活相談のサービス費+使った介護サービスの自己負担+食費など介護や医療が重くなったときの条件を契約で確認
認知症グループホーム介護保険の地域密着型サービス(市区町村が指定)認知症の診断を受けた要支援2・要介護1〜5の方。原則その市区町村に住む方ホームの職員から、5〜9人の共同生活の中で受ける介護サービス費の自己負担+家賃・食費など状態が変わったときの条件を契約で確認
ケアハウス
軽費老人ホーム
軽費老人ホーム(老人福祉法)60歳以上で、自立した生活に不安があり家族の援助を受けにくい方外部の介護サービスを使うホームと、指定を受けて中で介護を提供するホームがある所得に応じた利用料(施設ごとに違う)+生活費など+介護サービス費の自己負担要介護になったときの対応はホームごとに違う

出典:厚生労働省 法令等データベース「介護保険法」、厚生労働省「有料老人ホーム事業と老人福祉法」、国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の概要」(令和7年度版)、厚生労働省 社会保障審議会資料ほか(詳しくはページ末尾の出典一覧。2026年10月22日参照)。

介護保険施設3つ(特養・老健・介護医療院)

介護保険法で定められた施設で、入所できるのは要介護の認定を受けた方です。要支援の方は入所の対象になりません。3つとも、施設サービス計画に沿って施設の職員が介護をします。違いは、施設の目的です。

特別養護老人ホーム(特養):原則要介護3以上

特養は、常に介護が必要で自宅での生活が難しい方が暮らす施設です。入所定員30人以上のものが介護老人福祉施設、29人以下のものが地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特養)として、介護保険法で分けて定められています。

厚生労働省の指針(「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について」平成26年12月12日・老高発第1212001号)は、2015年(平成27年)4月1日以降の特養への入所を、原則として要介護3以上の方に限るとしています。この指針は2017年と2023年に一部改正されていますが、原則要介護3以上という枠組みは変わっていません。要介護度の区分の目安は「要支援1から要介護5まで、うちの親はどれ?」で説明しています。

要介護1・2の方も、自宅での生活が難しいやむを得ない事情があれば、特例で入所できる場合があります。指針が例に挙げている事情は次の4つです。

特例入所を申し込むと、施設はそのことを市町村に報告して意見を求め、市町村は地域のサービスの状況や担当ケアマネジャーの話も踏まえて意見を述べます。特例に当たるかどうかは、施設と市区町村が一人ずつ判断します。また、入所の優先順位は申込みの順番だけでは決まらず、その決め方は自治体ごとの入所指針で違います。親が住む市区町村の窓口かケアマネジャーに、その地域の入所指針を確認してください。

介護老人保健施設(老健):在宅復帰を目指すリハビリの施設

老健は、介護保険法で、主に心身の機能の維持回復を図り、自宅で生活できるようにするための支援が必要な要介護の方に、看護や医学的な管理の下での介護、機能訓練などを行う施設と定められています。入所中も、自宅に戻れるかどうかが定期的に検討されます。

そのため、老健は住み続ける前提の住まいではありません。入所前に、入所の見直しがいつ行われるか、退所の目安をどう考えているかを、施設とケアマネジャーに確認してください。時期の決め方は施設ごとに違います。退所したあとに自宅で暮らすのが難しそうなら、老健にいる間から次の行き先を探し始めることになります。

介護医療院:長期の療養と医学的管理が必要な方の施設

介護医療院は、長期にわたって療養が必要な要介護の方が、療養上の管理・看護・医学的な管理の下での介護や機能訓練を受ける施設です。厚生労働省の説明では、Ⅰ型は介護療養病床に相当し、Ⅱ型は老健に相当する以上の体制で、Ⅰ型より容体が比較的安定した方が対象です。経管栄養や喀痰吸引などの医療的な処置や、看取りの役割も位置づけられています。なお、以前あった介護療養型医療施設は2024年3月末で廃止されました。

民間・その他の住まい(有料老人ホーム・サ高住・グループホーム・ケアハウス)

このグループは、名前が似ていて区別がつきにくいものが多くあります。見分けるときは、介護を「その施設の職員から受けるのか」「外部の事業所と別に契約するのか」を最初に確かめると整理しやすくなります。

有料老人ホームとは

有料老人ホームは老人福祉法(第29条)で定められ、高齢の方を入居させて、入浴・排せつ・食事の介護、食事の提供、洗濯・掃除などの家事、健康管理のいずれかを提供する施設です。設置するときは都道府県知事(政令指定都市・中核市では市長)への届出が必要です。

厚生労働省の調査(第17回フォローアップ調査)では、令和7年6月30日時点で、届出をしていない有料老人ホームが568件(有料老人ホーム全体の3.1%)ありました。この数には、有料老人ホームに当たるかどうかの判断がまだ済んでいない施設も含まれます。見学先が届出をしているかは、施設に聞くか、都道府県(政令指定都市・中核市では市)の有料老人ホームの担当課に問い合わせてください。

2026年6月に公布された法改正(令和8年法律第51号)で、中重度の要介護の方などを受け入れる有料老人ホームに登録制が導入されることが決まりました。施行日と登録の基準は、これから示されます。

介護付き有料老人ホーム:ホームの職員から介護を受ける

介護付き有料老人ホームは、介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けたホームです。入居者は、ホームの介護職員・看護職員から介護保険のサービスを受けます。「介護付き」と表示しているか、指定を受けているかは、重要事項説明書か都道府県の公表情報で確認してください。

住宅型有料老人ホームとサ高住:介護は外部の事業所と別に契約する

住宅型有料老人ホームは、食事などのサービスはホームが提供し、介護は入居者が訪問介護やデイサービスなどの外部の事業所と個別に契約して受けます。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢者住まい法にもとづいて都道府県などに登録された賃貸住宅です。国土交通省の登録制度の概要(令和7年度版)が示す主な登録基準は次のとおりです。

入居できるのは、60歳以上の方か、要支援・要介護の認定を受けた方などです。サ高住の多くは、介護を外部の事業所と別に契約して受ける形です。特定施設入居者生活介護の指定を受けて、住宅の職員が介護をするサ高住もあります。また、サ高住でも食事・介護・家事・健康管理のいずれかを提供していれば、有料老人ホームにも当たります。

見学先の住戸の面積や共用部分の有無は、サ高住の登録情報か事業者に確認してください。外部の介護サービスを使う形では、介護や医療の必要が増えたときにどこまで対応できるかが住宅ごとに違うため、入居前に契約書で住み続けられる条件を見ておきます。

認知症グループホーム:認知症の診断・要支援2から・原則その市区町村の方

認知症グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症の診断を受けた要支援2または要介護1〜5の方が対象です。認知症の原因の病気が急性の状態にある方は除かれます。1ユニット5〜9人で、家庭的な環境の中で共同生活をしながら、入浴・排せつ・食事などの介護や機能訓練を受けます。居室は原則個室です。要支援1の方の扱いは、親が住む市区町村の窓口で確認してください。認知症の受診がまだなら、受診の進め方を「親が認知症かもしれないとき」で説明しています。

グループホームは地域密着型サービスなので、原則として、施設がある市区町村の介護保険の被保険者(その市区町村に住所がある方)が対象です。ほかの市区町村の方が利用できるかどうかは、市区町村どうしの同意(指定)など、自治体の取り扱いによります。住民票を移してから一定期間住んでいることを条件にしている自治体もあるため、施設がある市区町村と親が住む市区町村の両方の窓口で確認してください。

ケアハウス(軽費老人ホーム):60歳以上・低い料金

ケアハウスは軽費老人ホームの一つで、60歳以上で、体の機能の低下などで自立した生活に不安があり、家族の援助を受けにくい方が、無料または低い料金で入る施設です。要介護になったときの対応はホームによって違い、外部の介護サービスを使うホームと、特定施設入居者生活介護の指定を受けて中で介護を提供するホームがあります。費用は所得に応じて施設ごとに違うので、見学のときと親が住む市区町村の窓口で確認してください。

費用の内訳の見方

施設のパンフレットにある「月額」は、施設によって含めている項目が違います。2つの施設を比べるときは、合計額ではなく、何が含まれていて何が別払いかをそろえてから比べます。

月額の表示に含まれないことがあるもの

厚生労働省のサイトに掲載されている「知って納得!有料老人ホーム選び方マニュアル」(公益社団法人全国有料老人ホーム協会作成)は、有料老人ホームの費用を、入居時の前払金・敷金、毎月の家賃・管理費・食費・介護費・光熱水費など、その他の費用の3つに分けています。その他の費用として挙がっているのは、医療費、おむつなどの消耗品費、通信費、アクティビティの参加費です。

見積もりを取るときは、次の費用が月額に入っているかを一つずつ聞いてください。

住宅型有料老人ホームやサ高住では、外部の事業所と契約した介護サービスの量で自己負担が月ごとに変わります。介護保険施設とグループホームの介護サービス費は、要介護度などで決まります。施設の種類によって医療費控除の扱いも違い、詳しくは「親の介護費は医療費控除になる?」で説明しています。控除の対象額は、施設が出す領収証に「医療費控除の対象となる金額」の欄があればそこで確かめられます。欄がない場合や判断に迷う場合は、税務署に確認してください。

入居一時金(前払金)の償却と返還

有料老人ホームには、家賃などの一部または全部を入居時にまとめて払う「前払金(入居一時金)」の方式があります。支払い方は、全額前払い、一部前払い・一部月払い、月払いの3つに分かれます。前払金について、老人福祉法(第29条)と同法施行規則は次のことを定めています。

「90日ルール」という呼び名を目にすることがあります。これは、2012年の法改正の前に国の指導指針が「概ね90日」としていた名残の呼び名で、現在の法令の期間は3か月です。

厚生労働省の第17回フォローアップ調査では、令和7年6月30日時点で前払金を受け取っている有料老人ホーム2,384件のうち、25件(1.0%)が保全措置を講じていませんでした。また、国民生活センターの資料によると、2024年度の有料老人ホームに関する相談は834件(2025年3月31日までのPIO-NET登録分。後から登録される分で増えることがあります)で、そのうち解約に関するものが29.7%、契約書・書面に関するものが28.4%、説明不足に関するものが18.7%でした(複数回答)。

返還額の計算方法と、解約を申し出てから契約が終わるまでの予告期間の扱いは、契約書と重要事項説明書で必ず確認してください。読んでも分からないときは、親が住む市区町村の窓口か、都道府県(政令指定都市・中核市では市)の有料老人ホームの担当課に相談できます。

負担限度額認定(補足給付):対象は介護保険施設とショートステイ

所得と預貯金が一定以下の方は、親の介護保険の保険者である市区町村(ふつうは親が住む市区町村。施設に入って住民票を移した場合は、住所地特例で元の市区町村のままのことがあります)に申請して負担限度額認定を受けると、介護保険施設の食費と居住費に段階ごとの上限が設けられます。基準になる費用の額(基準費用額)と上限(負担限度額)の差額は、介護保険から施設に支払われます(特定入所者介護サービス費)。

この仕組みで食費・居住費が軽くなるのは、介護保険施設(特養〈地域密着型特養を含む〉・老健・介護医療院)とショートステイです。介護付き・住宅型の有料老人ホーム、サ高住、グループホームの家賃・食費は、この仕組みの対象外です(厚生労働省の周知文書が対象に挙げているのは、介護保険施設とショートステイです)。市区町村が独自に家賃などの助成をしている場合があるので、親が住む市区町村の窓口で確認してください。

令和8年8月から、所得の区分と金額が見直されました。施設に入所している場合の食費は次のとおりです。

利用者負担の段階対象の目安食費の負担限度額(日額)預貯金などの上限(単身/夫婦)
第1段階生活保護を受けている方、または世帯全員が市町村民税非課税で老齢福祉年金を受けている方300円1,000万円/2,000万円(生活保護を受けている方は預貯金の要件なし)
第2段階世帯全員が市町村民税非課税で、年金収入額(非課税年金を含む)と合計所得金額の合計が82.65万円以下の方390円650万円/1,650万円
第3段階①世帯全員が市町村民税非課税で、同じ合計が82.65万円超120万円以下の方680円550万円/1,550万円
第3段階②世帯全員が市町村民税非課税で、同じ合計が120万円超の方1,420円500万円/1,500万円
第4段階世帯に市町村民税の課税者がいる方、または本人が市町村民税を課税されている方原則として補足給付の対象外(市町村民税課税層の特例減額措置に当てはまる場合を除く)。食費・居住費は施設との契約で決まる―

令和8年8月〜。食費の基準費用額は日額1,545円。「世帯」には、世帯を分けている配偶者も含みます。出典:厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1506(令和8年5月29日)、同Vol.1513(令和8年6月22日)、2026年10月22日参照。金額は改定で変わります。最新の金額は、親の介護保険の保険者である市区町村の窓口で確認してください。

居住費も、多床室・従来型個室・ユニット型個室といった部屋の種類と、特養か老健・介護医療院かの施設の種類ごとに、基準費用額と負担限度額が決まっています。組み合わせが多いので、入所を考えている施設の部屋の種類を確かめたうえで、施設か市区町村の窓口で金額を聞いてください。

段階の判定は市区町村が行います。表を見て自分で段階を決めつけず、窓口で確認してください。ほかに、市町村民税が課税されている世帯でも一定の要件に当てはまると負担が軽くなる「特例減額措置」があり、これも申請が前提です。社会福祉法人などが行う利用者負担の軽減制度が使える場合もありますが、実施していない法人もあります。ショートステイでの扱いは「初めてのショートステイ、申し込みから当日まで」で説明しています。

住民票を移すとどうなるか(住所地特例)

介護保険は、住民票のある市区町村が保険者になるのが原則です。ただし、特養・老健・介護医療院などの介護保険施設や、有料老人ホーム・軽費老人ホームなどの特定施設(定員29人以下の地域密着型特定施設を除く)に入って住民票を移しても、元の市区町村が引き続き介護保険の保険者になります。これを住所地特例といいます。

グループホームや地域密着型特養などの地域密着型サービスは、この特例の対象外です。住民票を移すと、保険者もその市区町村に変わります。サ高住は、特定施設に当たるものと、特定施設入居者生活介護の指定を受けていない賃貸借方式のものとで扱いが分かれます。施設の種類と契約の形で扱いが変わるので、入居前に親が住む市区町村の介護保険の窓口で確認してください。

選ぶ順番と相談先

施設の名前から探し始めると、候補が多すぎて決められなくなります。親の側の条件を先に書き出し、それに合う種類を絞ってから、個別の施設を探します。

  1. 親の状態と希望を書き出します。どこで暮らしたいか、誰の近くにいたいか、今の困りごと(夜間の排せつ、徘徊、転倒、食事など)は何かを、本人に聞ける範囲で聞いておきます。
  2. 要介護度を確認します。認定がまだなら申請から始めます。特養は原則要介護3以上、介護保険施設は要介護の認定が前提、グループホームは要支援2からなので、要介護度によって入れる施設の種類が変わります。申請の手順は「親の介護は何から始める?」にまとめています。
  3. 医療の必要を確認します。経管栄養や喀痰吸引、頻繁な通院が必要かどうかで、介護医療院や看護職員のいる施設を候補に入れるかどうかの目安になります。主治医と、入院中なら病院の相談室(医療ソーシャルワーカーなど)にも聞いてください。
  4. 毎月出せるお金の上限を決めます。親の年金や預貯金の額と、家族が出せる額を分けて考えます。前払金がある施設では、入居時に払う額も別に考えます。兄弟で負担を分ける話し合いは「親の介護を兄弟でどう分担するか」で説明しています。
  5. 場所を決めます。親の住む地域か、家族の住む地域か。グループホームや地域密着型特養は原則としてその市区町村の方が対象なので、場所の選び方で使える施設が変わります。
  6. 候補を2〜3か所に絞って見学します。聞くことは次の章にまとめました。

相談先は、担当のケアマネジャーがいればまずケアマネジャーです。まだいなければ、親が住む地域の地域包括支援センターか、親が住む市区町村の介護保険の窓口に相談してください。特養の入所指針、グループホームの利用の条件、負担限度額認定の申請は、市区町村の窓口で聞くことができます。特養の申込み先(施設に直接か、市区町村か)も地域によって違うので、あわせて確認してください。

介護している家族自身の疲れと相談先は「介護でもう限界かもと感じたら」で、施設探しの間に使える介護休業などの制度と仕事との両立は「介護で仕事を辞める前に」で説明しています。

見学で聞くことチェックリスト

見学では、建物や雰囲気だけでなく、書類で確かめることがあります。重要事項説明書と契約書の写しをもらい、次の点を聞いてください。

事故の連絡を聞いておく理由は、国の通知(介護保険最新情報Vol.1332、令和6年11月29日)が、介護保険施設、グループホーム、有料老人ホーム、サ高住、軽費老人ホームなどで死亡に至った事故と、医師の診断を受けて治療が必要になった事故は、原則すべて市町村へ報告するとしているためです。施設の中でどう記録し、家族にどう伝えるかは施設ごとに違います。報告の範囲も自治体ごとに違います。

同じ施設がショートステイを行っていれば、入居の前に短期間利用して、親が食事や夜の過ごし方に慣れられるかを見る方法もあります。申し込みの流れは「初めてのショートステイ、申し込みから当日まで」で説明しています。施設に入ったあと実家をどうするかは「実家が空き家になったらどうする」で扱っています。

よくある質問

特養に要介護1・2で入れますか

原則は要介護3以上ですが、要介護1・2の方も、やむを得ない事情があれば特例で入所できる場合があります。国の指針が挙げる事情は、認知症で日常生活に支障をきたす症状が頻繁に見られる、知的障害・精神障害などで同じような状態がある、家族などからの深刻な虐待が疑われる、単身世帯や同居家族が高齢・病弱で家族の支援が期待できず地域の介護サービスなども十分でない、の4つです。特例に当たるかは施設と市区町村が個別に判断し、入所の優先順位の決め方も自治体ごとの入所指針で違います。親が住む市区町村の窓口かケアマネジャーに確認してください。

年金だけで入れる施設はありますか

入れるかどうかは、施設の費用と親の所得・預貯金によって変わるため、一律には言えません。介護保険施設(特養・老健・介護医療院)なら、所得と預貯金が一定以下の方は負担限度額認定を受けると食費と居住費に上限が設けられます。有料老人ホーム、サ高住、グループホームの家賃や食費はこの仕組みの対象外ですが、市区町村が独自に助成している場合があります。毎月出せる上限額をケアマネジャーか地域包括支援センターに伝えて、その範囲で考えられる施設の種類や探し方を相談してください。生活費そのものが足りないときも、どこに相談すればよいかをケアマネジャーか地域包括支援センターに聞いてください。

住民票のない市区町村の施設に入れますか

施設の種類で扱いが分かれます。特養・老健・介護医療院などの介護保険施設や、有料老人ホーム・軽費老人ホームなどの特定施設(定員29人以下の地域密着型特定施設を除く)は、入居して住民票を移しても元の市区町村が介護保険の保険者のまま続きます(住所地特例)。グループホームや地域密着型特養などの地域密着型サービスは、原則として施設がある市区町村に住む方が対象で、ほかの市区町村の方が使えるかは自治体の取り扱いによります。サ高住は、特定施設入居者生活介護の指定の有無と契約の形で扱いが分かれます。施設がある市区町村と親が住む市区町村の両方の窓口で確認してください。

入居後に要介護度が上がったらどうなりますか

介護保険のサービスの自己負担は、要介護度に応じて変わります。住み続けられるかどうかは施設の種類と契約によります。介護付き有料老人ホームでは、住み続けている間はホームの職員から介護を受けます。ただし、医療的な処置が必要になったときの対応や退去の条件はホームごとに違います。住宅型有料老人ホームやサ高住では、外部の介護サービスを増やして対応することになり、どこまで対応できるかは住まいによって違います。入居前に、介護が重くなったときと長く入院したときに住み続けられる条件、契約を解除される条件を契約書で確認してください。

夫婦で入れますか

夫婦で入れるかは施設によって違います。入居の条件は一人ずつ見られることがあります。たとえば特養は原則要介護3以上、グループホームは認知症の診断が条件なので、夫婦の一方だけが当てはまる場合があります。サ高住は単身・夫婦世帯が入居でき、ケアハウスにも夫婦で入れるところがあります。夫婦の一方だけが入居したときは、自宅に残る配偶者の生活費も合わせて考える必要があります。負担限度額認定の預貯金の上限も、夫婦の場合は別の額になります。夫婦の部屋の有無と条件は、各施設に確認してください。

入居一時金は戻ってきますか

有料老人ホームでは、入居した日から3か月以内に契約を解除した場合、または入居者が亡くなって契約が終わった場合は、前払金から実際に住んだ日数分の家賃等を差し引いた額が返還されます。3か月を過ぎても、想定居住期間(償却期間)の中で契約が終わった場合は、残りの期間分が返還されます。いずれも老人福祉法と同法施行規則にもとづく仕組みです。返還額の計算方法と予告期間の扱いは契約書と重要事項説明書で確認し、分からなければ親が住む市区町村の窓口か、都道府県(政令指定都市・中核市では市)の有料老人ホームの担当課に相談してください。

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