介護で仕事を辞める前に|介護休業・介護休暇・介護休業給付金と会社への伝え方
親が倒れた、認知症と言われた。辞めると決める前に、人事に聞く制度を一覧にしました

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親が入院した。認知症の診断を受けた。休めば職場に迷惑がかかるし、いっそ辞めたほうが早いのでは、と考え始めたときに、先に知っておいてほしい制度があります。育児・介護休業法の介護休業と介護休暇、残業や深夜勤務の制限、短時間勤務などの措置、そして雇用保険の介護休業給付金です。介護休業は、勤務先に独自の制度がなくても、法律の要件を満たしていれば申し出て取れます。この記事では、日数・金額・期限を厚生労働省とハローワークの資料で確かめ、出典と参照日を付けました。取れるかどうか、給付の対象になるかの最終判断は勤務先と窓口がするので、「どこに何を聞くか」まで書いています。

先に結論

制度の比較表を見る

辞める前に知っておく制度の一覧

家族の介護をしながら働いている人は、全国で約365万人います(2022年)。一方で、家族の介護・看護を理由に、過去1年間に前の仕事を辞めた人は10.6万人で、2017年の9.9万人から増えました(介護をしながら働く365万人とは別の集計で、365万人に対する割合ではありません)。辞める前に使える制度を、まず1枚の表にまとめます。

出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」(stat.go.jp(PDF)/2026年10月22日参照)。介護をしている15歳以上の629万人のうち、仕事をしている人が365万人(58.0%)。ここでの「介護をしている」は、ふだん家族の入浴・着替え・トイレ・移動・食事などで何らかの手助けをしている場合を指し、要介護認定を受けていない家族の手助けも含みます。離職者の10.6万人は、過去1年間に前の仕事を辞めた人のうち、理由が「介護・看護のため」だった人の数です。

制度名何ができるか日数・回数申出・請求の時期給与・給付
介護休業まとまった期間休んで、介護の体制を作る家族1人につき3回まで・通算93日まで希望どおりの日から休むには、開始したい日の2週間前まで(原則書面)賃金が出るかは会社の規定による。条件を満たせば雇用保険の介護休業給付金(賃金日額×日数×67%)
介護休暇通院の付き添いや手続きなど、短い用事のために休む1年度に5日(対象家族が2人以上なら10日)。1日単位か時間単位口頭でも申し出られる。当日の申出でも取れるようにすることが会社に求められている賃金が出るかは会社の規定による(年次有給休暇とは別の休み)
所定外労働の制限会社の決めた労働時間を超える残業をしない1回につき1か月以上1年以内。回数の制限なし始めたい日の1か月前まで―(働きながら使う制度)
時間外労働の制限残業を月24時間・年150時間までに抑える1回につき1か月以上1年以内。回数の制限なし始めたい日の1か月前まで―(働きながら使う制度)
深夜業の制限午後10時〜午前5時に働かない1回につき1か月以上6か月以内。回数の制限なし始めたい日の1か月前まで―(働きながら使う制度)
短時間勤務などの措置短時間勤務・フレックスタイム制・時差出勤・介護サービス費用の助成などのうち、会社が設けたものを使う家族1人につき、利用開始から連続3年以上の期間で2回以上会社の規定による会社の規定による

表のどの制度も、対象になる家族は同じで、配偶者(事実婚を含む)・父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫・配偶者の父母です。同居しているかどうかは問いません。

出典:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」(令和7年12月作成版/mhlw.go.jp(PDF))、同「介護休業制度特設サイト」(対象家族の範囲は、介護休業・介護休暇・所定外労働の制限・時間外労働の制限・深夜業の制限・短時間勤務等の措置の各ページに同じ範囲が載っています)、ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」(いずれも2026年10月22日参照)。労使協定によって対象外になる人がいます。くわしくはパート・契約社員・自営業の場合で説明しています。

介護休業・介護休暇

介護休業は、要介護状態の家族1人につき、3回まで・通算93日まで取れる休業です。1回の申出で取るのは連続したひとまとまりの期間で、93日に達した家族については、それ以上は取れません。

介護休暇は、通院の付き添いや、介護サービスを受けるための手続きの代行など、その日だけ抜けたい用事に使う休みです。1年度に5労働日(対象家族が2人以上なら10労働日)まで、1日単位か時間単位で取れます。年度は、会社に決まりがなければ4月1日から翌年3月31日までです。年次有給休暇とは別に与えるものなので、取得の要件を満たしていれば、有休が残っていなくても取れます。

時間単位で取る場合、法律が求めているのは「始業時刻から続けて」か「終業時刻まで続けて」の形です。勤務の途中で抜けて戻る取り方(中抜け)までは義務になっていないので、勤務先が認めているかを就業規則で確かめてください。

残業・時間外労働・深夜業の制限

毎日の残業が介護の時間を削っているなら、休むより先にこちらが合うこともあります。どれも家族を介護している社員が会社に請求するもので、事業の正常な運営を妨げる場合は会社が断れます。

請求は、どれも始めたい日の1か月前までに行います。残業を減らしたいと言うのはわがままではないか、と迷う方もいますが、所定外労働の制限は法律で決まった請求の手続きです。

短時間勤務などの措置(会社が1つ以上を選んで設ける)

会社は、要介護状態の家族を介護する社員のために、短時間勤務、フレックスタイム制、時差出勤、介護サービス費用の助成などのうち、少なくとも1つを設けなければなりません。家族1人につき、利用を始めた日から続けて3年以上の期間で、2回以上使えるものとされています。

どれを設けるかは会社が選ぶので、短時間勤務が必ず使えるとは限りません。自分の勤務先にどの措置があるかは、就業規則を見るか人事に聞いてください。時短を勧められたけれど収入が減るのが不安、という場合は、フレックスタイム制や時差出勤があるかも聞いておいてください。勤務時間を変えても、短くせずに済むことがあります。

介護休業は「介護の体制を作る」期間

93日と聞くと、そのあいだ自分で親を介護する日数のように見えます。厚生労働省のQ&Aは、介護休業は介護の体制を整えるための一定期間の休業で、「介護に専念するためのもの」ではないと説明しています。93日は、介護の長期的な方針を決める期間と考えるとよい、とも書いています。

93日を自分の介護で使い切っても、そのあとも親の介護は続きます。休業中に、自分が仕事に戻ったあとも、親の介護と自分の仕事が両立できる段取りを作っておく。そのための休みです。厚生労働省は、休業期間を介護保険のサービスを受けるための準備にも使い、市区町村や地域包括支援センターに相談するよう案内しています。

休業中にやること

  1. 地域包括支援センターに電話する…親が住む市区町村のセンターに、親の様子を伝えて、要介護認定を申請したほうがよいかを相談します。子が離れて暮らしていても、かける先は親の側の市区町村です。
  2. 要介護認定を申請する…結果が届くまでには日数がかかります(下の注を見てください)。休業の早い時期に申請しておくと、93日のうちに結果を待つ期間を収めやすくなります。
  3. ケアマネジャーを決める…ケアプランを作るときに、仕事を続けたいこと、勤務時間、帰省できる頻度を最初に伝えておきます。
  4. 使うサービスと施設を見る…デイサービス、ショートステイ、訪問介護など、使うサービスを決めます。施設への入所も考えるなら、見学はこの時期に入れておきます。
  5. 復帰後の働き方を決める…残業の制限、介護休暇、短時間勤務などの措置のどれを使うかを、人事と相談します。

電話のかけ方と申請の手順は、「親の介護は何から始める?」で順番に説明しています。もの忘れが気になっていて、まだ受診していない段階なら、受診の進め方を「親が認知症かもしれないとき」で説明しています。

※要介護認定は、申請から認定(二次判定)までの全国平均が40.2日でした(令和4年度下半期。市町村ごとの平均値は20.0日から78.7日まで開きがあります)。休業を始めた日に申請した場合、平均では93日のうち1か月以上が結果を待つ期間に重なる計算です。出典:厚生労働省「要介護認定の認定審査期間について」(社会保障審議会介護保険部会 第115回・令和6年12月9日 資料2/mhlw.go.jp(PDF)/2026年10月22日参照)。かかる日数は、親が住む市区町村の窓口で確認してください。

93日を分けて使う

介護休業は、同じ家族について3回まで分けて取れます。倒れた直後に体制を作るために1回、退院や施設への入所など状況が変わるときにもう1回、というように、日数を残しておく使い方ができます。

介護休業を終えて復職した人の取得期間を見ると、「1か月〜3か月未満」が34.2%でいちばん多く、次いで「1週間未満」が17.6%、「2週間〜1か月未満」が16.3%でした。一度に93日を使い切る人ばかりではありません。

出典:厚生労働省「令和6年度雇用均等基本調査」事業所調査の結果概要(mhlw.go.jp(PDF)/2026年10月22日参照)。介護休業を終えて復職した人の取得期間の割合で、休業のあと退職した人は含みません。

日々の用事は介護休暇、夜の負担はショートステイ、と分けて使えば、介護休業の93日を、入院や施設入所のような大きな節目に取っておけます。ショートステイの申し込みの流れは「初めてのショートステイ」、夜中に何度も起こされる生活の立て直し方は「夜中に何度も起こされて眠れない」で説明しています。仕事中に離れて暮らす親の様子を確かめる道具は、「離れて暮らす親の見守りカメラ・センサー比較」で比べています。

対象になる家族と「要介護状態」

対象家族

介護休業・介護休暇、残業・時間外労働・深夜業の制限、短時間勤務などの措置の対象家族は、どれも同じ範囲で、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。同居しているかどうかは問いません。離れて暮らす親の介護でも、配偶者の親の介護でも対象になります。

「常時介護を必要とする状態」の判断基準

育児・介護休業法でいう要介護状態は、けが・病気・障害によって、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態です。常時介護を必要とする状態かどうかは、次のどちらかで判断します。

12項目は、座位保持、歩行、移乗、水分・食事摂取、排泄、衣類の着脱、意思の伝達、外出すると戻れないことや危険回避ができないことがある、物を壊したり衣類を破くことがある、周囲の対応が必要なほどの物忘れなど認知・行動上の課題がある、医薬品又は医療機器の使用・管理、日常の意思決定です。項目ごとに状態の見方の注記があるので、当てはめるときは厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」の判断基準(p.63)を勤務先と一緒に見てください。

厚生労働省は、会社がこの基準を厳密に当てはめて、取得を制限することがないよう、柔軟に運用することが望ましいとしています。また、会社は要介護状態を証明する書類の提出を求めることはできますが、要介護認定の結果通知書や医師の診断書を出すことを、制度を使う条件にはできません。

介護保険の要介護認定とは別の基準

育児・介護休業法の「要介護状態」は、介護保険の要介護認定とは別の基準で判断します。厚生労働省のQ&Aにも、要介護認定を受けていることは必ずしも要件ではない、と書かれています。認定を受けていない方や、要介護1以下の方でも、上の12項目に当てはまれば対象になる場合があります。当てはまるかどうかは勤務先と確認し、迷ったら都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談してください。

介護保険の区分(要支援1〜要介護5)がそれぞれどんな状態の目安なのかは、「要支援1〜要介護5の目安と区分の違い」で説明しています。

介護休業給付金の計算と申請

介護休業の間に賃金を払わなくても、法律上は問題にならず、有給か無給かは会社の規定で決まります。休業中の収入を支えるのが、雇用保険の介護休業給付金です。会社ではなく、雇用保険から支給されます。

受け取れる人の条件

同じ家族について支給されるのは、93日を限度に3回までです。自分が対象になるかどうかは、事業所を管轄するハローワークで確認できます。

休業を始める時点で休業後の退職が予定されていると、給付金の対象外

介護休業を始める時点で、休業が終わったら辞めることが予定されている人は、給付金の対象になりません。また、支給単位期間の途中で辞めた場合、その支給単位期間の分は支給されません。

まだ辞めるかどうか決めていないなら、先に休業を申し出てください。休業中に介護の体制が作れそうかを見てから、仕事を続けるかどうかを決められます。休業後の退職がすでに決まっている場合は給付金の対象になりません。退職の予定は事実のとおり会社に伝えてください。休業中や休業明けに辞める場合の個別の扱いは、事業所を管轄するハローワークに確認してください。

支給額の計算と上限

1支給単位期間(1か月)の支給額は、原則として次の式で計算します。

休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

賃金日額は、原則として休業を始める前6か月の賃金を180で割った額です。会社がハローワークに出す「休業開始時賃金月額証明書」がもとになります。たとえば休業前6か月の賃金が毎月30万円なら、賃金日額は1万円(180万円÷180)で、30日分は1万円×30日×67%=20万1,000円が目安です。

項目令和8年8月1日〜令和9年7月31日の額
賃金月額(賃金日額×30)の上限546,600円
賃金月額の下限96,090円
1支給単位期間(30日分)の給付金の上限366,222円

出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「介護休業給付の内容及び支給申請手続について」(PL080801保06/mhlw.go.jp(PDF))、ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」(hellowork.mhlw.go.jp)。いずれも2026年10月22日参照。上限額・下限額は毎年8月1日に変わります。個別の支給額はハローワークで確認してください。

休業中に会社から賃金が出る場合は、賃金と給付金の合計が賃金月額の80%を超えると、その分だけ給付金が減ります。賃金が賃金月額の80%以上出ている支給単位期間は、給付金は支給されません。

※休業中に会社から賃金が出ず、1支給単位期間(30日)を全部休んだ場合の目安です。令和8年8月1日〜令和9年7月31日の上限額(賃金月額546,600円)と下限額(96,090円)で計算しています。実際の支給額は、会社が届け出る賃金の額をもとにハローワークが決めます。

申請の流れと期限

  1. 会社に介護休業を申し出て、休業に入る。
  2. 会社が、休業開始時賃金月額証明書をハローワークに出す。
  3. 1回の介護休業が終わったあと、支給申請書を、事業所の所在地を管轄するハローワークに出す。期限は、休業終了日の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日までです(介護休業が3か月を超える場合は、休業開始日から3か月を経過した日の翌日から数えます)。

支給申請書は、原則として勤務先がハローワークに出します。本人が自分で申請したいと希望する場合は、本人が出すこともできます。手続きの分担は勤務先によって違うので、会社経由で出すのか自分で出すのかを、休業を申し出るときに人事と、必要ならハローワークにも確認してください。期限を過ぎると受け取れなくなるおそれがあります。

休業中に払った介護サービスの費用が、税金の計算で戻るかどうかは「親の介護費は医療費控除になる?」で説明しています。

会社への伝え方と、申出の時期

Q&Aサイトには、介護休業を申し出たら上司に人手不足を理由に断られた、先に介護サービスや施設の利用を検討するよう言われた、何度も休んでいて次の休みを言い出しにくい、といった相談が投稿されています。上司の言葉と法律の扱いが食い違うことがあるので、上司に話すのと同じ時期に、人事の窓口へ制度の相談として伝えてください。

最初に人事へ:就業規則と労使協定を確かめる

伝える内容は、「親が骨折して、歩くことや食事に手助けが必要になった」のように、介護が必要になった状況をそのまま話せば足ります。厚生労働省の資料でも、こうした申出が「介護に直面した旨の申出」の例として挙げられています。

2025年4月1日から、こうした申出を受けた会社は、介護休業や両立支援の制度、申出先、介護休業給付金について個別に知らせ、使うかどうかの意向を確認しなければなりません。取得の前例がないことをことさら強調するなど、利用を控えさせるような形での案内は認められていません。そのときに、次のことを聞いておくと後の手続きが進めやすくなります。

申出の期限

介護休業を希望どおりの日から始めるには、開始したい日の2週間前までに申し出ます。それより遅れると、会社が一定の範囲で開始日を指定できます(就業規則で、この期限をもっと短くしている会社もあります)。申出は原則として書面で、会社が認めればFAXや電子メールなども使えます。申出書には、申出の日付、氏名、対象家族の氏名と続柄、要介護状態にあること、休業の開始日と終了日、これまでに取った介護休業の日数を書きます。終了予定日を後ろに延ばしたいときは、元の終了予定日の2週間前までに申し出れば、1回に限り延ばせます。

介護休暇は口頭でも申し出られます。当日の電話での申出でも取れるようにし、書面は後から出せばよい扱いにすることが、会社に求められています。急に休む日が続いて言い出しにくいときも、有休とは別に、介護休暇として申し出られます。

残業・時間外労働・深夜業の制限は、始めたい日の1か月前までに請求します。

2025年4月からの会社側の義務

2025年4月1日から、介護について会社に次の義務が加わりました。

同じ日に、介護休暇を勤続6か月未満の人に取らせないとする労使協定の仕組みも廃止されました。

申出や取得を理由にした不利益な扱いは禁止

介護休業、介護休暇、残業・深夜業の制限、短時間勤務などの措置を申し出たことや使ったことを理由に、解雇、降格、減給、賞与での不利益な算定、正社員からパートへの変更の強要などをすることは禁止されています。2025年4月1日からは、介護が必要な状況になったと申し出たこと自体を理由にした不利益な扱いも禁止されました。

会社は、要件を満たした介護休業の申出を断れません。断れるのは、労使協定で対象外にされている人(勤続1年未満の人、申出から93日以内に雇用関係が終わることが明らかな人、週の所定労働日数が2日以下の人)と、日々雇われる人の場合に限られます。勤務先に介護休業の制度がなくても、法律の要件を満たしていれば申し出て取れます。先に介護サービスや施設の利用を検討することは、介護休業を取るための要件には入っていません。

相談先

聞きたいことによって、相談先が分かれます。

相談先こんなときに
勤務先の人事・相談窓口就業規則と労使協定の中身、申出書の様式、介護休業給付金の申請を誰が出すか
都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)申出を断られた、制度がないから辞めるよう言われたなど、育児・介護休業法の扱いで会社と食い違うとき。判断基準に当てはまるか迷うとき
ハローワーク(事業所の所在地を管轄するところ)介護休業給付金の支給要件、支給額、申請期限、退職の時期による扱い
親が住む市区町村の地域包括支援センター・ケアマネジャー要介護認定の申請、ケアプラン、ショートステイなど、仕事を続けながら介護を回すためのサービスの組み方

雇用環境・均等部(室)の所在地は、厚生労働省の「都道府県労働局 所在地一覧」で確認できます。電話番号は都道府県ごとに違うので、この一覧から確認してください。

厚生労働省のリーフレット「介護で仕事を辞める前にご相談ください!」には、介護休業を申し出たら「うちには制度がないので退職するよう言われた」という相談例が載っていて、雇用環境・均等部(室)への相談が案内されています。令和6年度に労働局が雇用管理の実態を確認した4,143事業所のうち、3,147事業所(76.0%)で何らかの育児・介護休業法違反が見つかり、是正指導が行われました(労働局が確認の対象に選んだ事業所での結果で、全国の会社の違反率ではありません)。是正指導は全体で8,330件あり、そのうち介護に関するものが2,755件でした。その約半数(1,341件)は、介護休業などを理由にした嫌がらせ(ハラスメント)を防ぐ措置など、会社の規定や体制の整備に関するものです。会社の説明に納得できないときは、労働局に聞いてください。

出典:厚生労働省「令和6年度 都道府県労働局雇用環境・均等部(室)での法施行状況(詳細)」(mhlw.go.jp(PDF))、同リーフレット「介護で仕事を辞める前にご相談ください!」(mhlw.go.jp(PDF))。いずれも2026年10月22日参照。

パート・契約社員・自営業の場合

期間を決めて雇われている方

パートや契約社員など、期間を定めて雇われている方も、条件を満たせば介護休業を取れます。有期雇用の方に加わる条件は、申し出た時点で、取得予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに、労働契約が満了して更新されないことが明らかでないことです(このほか、下の労使協定による除外に当たらないことも必要です)。介護休業給付金にも、同じ形の条件があります。

勤続1年未満・週2日以下で働いている方

勤め始めて1年未満だと、勤務先の労使協定によっては介護休業の対象外になる場合があります。労使協定があれば、勤続1年未満の人、申出から93日以内に雇用関係が終わることが明らかな人、週の所定労働日数が2日以下の人を、介護休業の対象から外せるためです。残業・時間外労働・深夜業の制限や、短時間勤務などの措置にも、勤続1年未満と週2日以下の人を対象外にできる決まりがあります。

介護休暇は、2025年4月1日から勤続期間に関係なく取れるようになりました。労使協定で対象外にできるのは、週の所定労働日数が2日以下の人だけです。時間単位で取るのが難しい業務の人も、1日単位なら取れます。

労使協定があるかどうかは勤務先ごとに違うので、就業規則を見るか人事に聞いてください。

自営業の方

介護休業や介護休暇は、雇われて働く人(労働者)のための制度で、介護休業給付金も雇用保険の被保険者が対象です。そのため、自営業の方は対象にならないことが多いと考えられます。仕事と介護の時間の組み方は、親が住む市区町村の地域包括支援センターやケアマネジャーに、仕事の時間帯を伝えたうえで、使える介護サービスを相談してください。

よくある質問

要介護認定を受けていなくても、介護休業は取れますか?

取れる場合があります。厚生労働省のQ&Aは、要介護認定を受けていることは必ずしも要件ではないとしています。常時介護を必要とする状態かどうかは、12項目の状態で見るか、介護保険の要介護2以上かのどちらかで判断します。認定がない方や要介護1以下の方でも、12項目の基準に当てはまれば対象になりえます。当てはまるかどうかは勤務先と確認し、迷ったら都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談してください。

親が遠方に住んでいても、介護休業は取れますか?

対象家族の条件に、同居しているかどうかは含まれていません。父母や配偶者の父母が要介護状態であれば、離れて暮らしていても対象になります。休業中は、親が住む市区町村の地域包括支援センターに連絡し、要介護認定の申請やケアマネジャー探しを進める期間にすると、職場に戻ってから遠くで見守る体制を作りやすくなります。

介護休業中に退職したら、給付金はどうなりますか?

厚生労働省のリーフレットに書かれているのは次の2点です。休業を始める時点で休業後に辞めることが予定されている場合は、給付金の対象になりません。支給単位期間の途中で辞めた場合は、その支給単位期間の分は支給されません。それ以外の個別の扱い(休業明けに有休を使ってから辞める場合など)は、事業所を管轄するハローワークに確認してください。

介護休暇や介護休業は有給ですか?

法律上は、介護休業や介護休暇の間に賃金を払わなくても問題にならず、有給か無給かは会社の就業規則によります。介護休暇は年次有給休暇とは別に与えるものなので、取得の要件を満たしていれば、有休が残っていなくても取れます。介護休業中は、条件を満たせば雇用保険から介護休業給付金が支給されます。

上司に介護休業を断られたら、どうすればいいですか?

会社は、要件を満たした介護休業の申出を断れません。例外は、労使協定で対象外にされている人(勤続1年未満の人など)と日々雇われる人です。上司のところで止まっている場合は人事の窓口に制度の相談として伝え、それでも認められないときは都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談してください。

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