家の中の小さな段差につまずく|段差解消スロープ(ミニスロープ)の選び方

敷居やドア下の数cmで、足が引っかかるようになったら

PR本ページはプロモーション(広告)を含みます。楽天アフィリエイトのリンクを掲載しています。また、Amazonのアソシエイトとして、親ケアナビは適格販売により収入を得ています。製品の評価・順位は収益で変えていません。運営・選定方針

たとえば、帰省して一緒に家の中を歩いていたら、親が洗面所の入口の敷居でつまずきかけた。見ると、足を上げずに床をするように歩いている。工事を頼むほどではなさそうなので、まずは段差に置くだけのスロープで何とかしたい。けれど、何cmの物を買えばいいのかが分からない。——この記事は、そういう場面を想定して、敷居・ドア下・部屋の境目など数cmの段差に置く「段差解消スロープ(ミニスロープ)」の選び方を書きます。段差の測り方から介護保険の扱いまでは、目次から必要なところだけ読んでも分かります。内容は厚生労働省の通知、国民生活センター・消費者庁・東京消防庁・テクノエイド協会の資料、楽天の販売店ページの仕様で確かめたもので、編集部が商品を使って比べた記事ではありません。家全体のどこで転びやすいかを先に知りたい場合は、「実家の転びやすい場所7つと、帰省時10分チェックリスト」の敷居の項目から読むと全体がつかめます。

先に結論

スロープは、段差の高さを測ってから買います。高さは場所ごとに違い、同じ敷居でも左右の端と中央で違うことがあります。

同じ高さの段差なら、スロープの奥行(長さ)が長いほど傾斜はゆるく、短いほど急になります。販売店の仕様表では、同じ高さ6cmでも奥行20cmの型は17度、奥行24cmの型は14度です。買う前に、その奥行が置ける床の余裕があるかを確かめてください。

買うときは、ずれないかどうかも見ます。両面テープで貼る型、重さで置いておく硬質ゴムの型など、固定方法は商品ごとに違います。

玄関の上がり框のような高い段差は、スロープにすると長さが足りずに傾斜が急になりやすいので、踏み台や手すりで考えます(「玄関の上がり框の段差対策」で扱っています)。 → 比較表と3つのスロープへ

この記事で取り上げる3つ

段差の高さと置く場所が重ならない3つを、寸法・素材・固定方法を販売店の商品ページで確認できたものから選びました。楽天のレビュー件数や評価は選ぶ理由にしていません。価格は楽天ボタンのリンク先のお店に2026年10月20日に表示されていた税込の金額で、店舗・時期によって変わります(Amazonのボタンは商品名の検索結果へのリンクで、価格は確認していません)。向き不向きは比較表とカードで説明しています。

スロープが向く段差・向かない段差

段差解消スロープは、段差の手前に置いて、段の角を斜面に変える道具です。床に置くだけ、または両面テープで貼るだけで使え、床や敷居そのものには手を加えません。向くのは数cmまでの小さな段差で、高い段差には向きません。

向く:敷居・ドア下・部屋の境目など、数cmの段差

国民生活センターは、2026年6月4日に出した「見守り新鮮情報」第542号で、75歳以上の高齢者の家庭内事故は転倒が最も多いとしたうえで、ふくらはぎの筋力が落ちて歩くときにすり足になったり、「わずか1~2センチの敷居」やじゅうたんの端、室内のコードに足を引っかけたりすることを原因に挙げています(かぎかっこ内は同号の原文の表記です)。消費者庁が2020年10月に公表した注意喚起でも、転倒のきっかけとして「つまずく」「引っ掛かる」などが挙がり、引き戸のレールにつまずく場面が写真で示されています。

家の中で言えば、和室と廊下の間の敷居、洗面所やトイレの入口のドア下、フローリングと畳やタイルの境目、掃き出し窓や勝手口の枠の内側などが、スロープを置く候補になります。

家の中のどこで転ぶ人が多いかという数字もあります。東京消防庁によると、令和6年に東京消防庁管内で日常生活の事故(交通事故を除く)で救急搬送された65歳以上の方は98,056人で、そのうち「ころぶ」が73,500人でした。住宅などで「ころぶ」事故にあった42,180人の発生場所は、居室・寝室等が29,783人で最も多く、次が玄関・勝手口等の3,900人です。これは転んだ場所の内訳で、段差が原因だった件数ではありませんが、住宅などで転んだ方のおよそ7割(42,180人中29,783人)が居室・寝室等で転んでいます。

向かない:玄関の上がり框・階段

玄関の上がり框のように高い段差は、スロープにすると傾斜が急になりやすくなります。段差が高いほど奥行の長いスロープが要り(傾斜の章)、玄関の土間にはその長さを置けないことが多いからです。上がり框は、踏み台で段を2つに分ける、腰掛けや手すりを足す、といった方法で考えます。詳しくは「玄関の上がり框の段差対策|踏み台・腰掛け・手すりの選び方」で説明しています。階段はスロープの対象ではなく、「実家の階段で親が落ちないか心配」で扱っています。

「埋める」より「見えるようにする」が向く場合

段差の対策には、スロープで段差を埋める方法と、段差は残したまま見えるようにする方法があります。足を上げて歩けていて、夜や薄暗いときに段差に気づかずにつまずくだけなら、明るさを足すほうが合うことがあります。夜の廊下やトイレまでの明かりは「人感センサー足元灯の選び方と置き場所」に、床を横切るコードやラグの端の対策は「床を横切る電気コードと敷物の端のつまずき対策」にまとめています。足元が滑る、スリッパが脱げやすい、という場合は履き物から見直します(「室内で転びにくい履き物の選び方」)。

出典:国民生活センター 見守り新鮮情報 第542号「住環境の改善と筋力アップで家庭内転倒事故防止!」(2026年6月4日/kokusen.go.jp)、消費者庁「10月10日は『転倒予防の日』、高齢者の転倒事故に注意しましょう!」(2020年10月公表/caa.go.jp)、東京消防庁「救急搬送データからみる高齢者の事故」(tfd.metro.tokyo.lg.jp・東京消防庁管内の救急搬送の数)。いずれも2026年10月20日参照。

買う前に測る3か所

段差解消スロープは、高さが0.5cm刻みで何種類も出ている商品があり、段差の高さに合わせて選びます。帰省したときに、メジャー(できれば金属の巻き尺)で次の3か所を測っておきます。スマートフォンで段差の写真を撮っておくと、あとで商品ページの図と見比べやすくなります。

  1. 段差の高さ:低い側の床から、高い側の床(敷居の上面)までを測ります。左右の両端と中央の3点で測ってください。床や敷居のわずかな傾きで、場所によって高さが違うことがあります。敷居が両側の床より高い場合は、両側の高さをそれぞれ測ります(両側に1枚ずつ要ります)。
  2. スロープを置く幅として、出入口の幅(ドア枠の内側から内側まで)を測ります。商品の幅がこれより広いと枠に当たって置けません。歩行器や車いすを使うなら、商品ページに「有効幅」として載っている幅も見ます(両端のなだらかな部分を除いた幅を指すと考えられますが、定義は商品ごとに確かめてください)。
  3. 置ける奥行として、段差の低い側に、スロープを置ける床の長さがどれだけあるかを測ります。ドアが低い側に開くなら、開け閉めのときにドアの下端がスロープに当たらないかも確かめます。引き戸のレールの上にはかぶせないようにします。

高さが分かったら、その高さに合う型番を探します。奥行は型番ごとに決まっていて、高さが上がるほど長くなるので、測った床の長さに収まるかをここで照らし合わせます。

段差の高さとスロープの奥行・傾斜

スロープの傾斜(勾配)は、段差の高さと、スロープの奥行(床に置いたときの前後の長さ)で決まります。同じ高さなら、奥行が長いほど傾斜はゆるくなり、短いほど急になります。

販売店の仕様表で見る:同じ高さでも奥行で傾斜が変わる

シンエイテクノの硬質ゴム製「ダイヤスロープ」は、高さ0.5cmから10cmまで0.5cm刻みで20種類あります。販売店の仕様表から、いくつかの型番を抜き出しました。

型番高さ奥行勾配(販売店の仕様)
DS76-101.0cm3.5cm7度
DS76-202.0cm7.5cm14度
DS76-303.0cm11.5cm14度
DS76-505.0cm20.0cm14度
DS76-606.0cm20.0cm17度
DS76N-60
改良型のダイヤスロープN
6.0cm24.0cm14度
DS76-10010.0cm35.4cm15.6度

DS76-50とDS76-60は奥行が同じ20.0cmで、高さが1cm上がったぶん、勾配が14度から17度に急になっています。その高さ6cm用を奥行24.0cmに伸ばして14度にしたのが、改良型の「ダイヤスロープN」のDS76N-60です(楽天のてらすけで税込10,164円)。旧型のDS76-60と型番が1文字しか違わないので、買うときは型番の「N」の有無と奥行を確かめてください。このシリーズの勾配は、販売店の仕様表では型番によって7度から18.5度(高さ6.5cmのDS76-65)まで違います。

同じシリーズでも、低い型番は傾斜がゆるく、高さ10cmの型(DS76-100)は奥行が35.4cm、楽天のてらすけで税込29,700円になります。高さが上がるほど、置く床の長さも値段も大きくなります。

傾斜をゆるくした「10度」の型もある

同じメーカーには、勾配を10度にした「ダイヤスロープ10°」もあります。高さ2.5cmの DS10/80-25 は、幅80×奥行13.4×高さ2.5cmで、楽天のてらすけで税込3,430円です。同じ高さ2.5cmのタッチスロープ TS80-25(奥行9.5cm・販売店の仕様で14度)と比べると、奥行が約4cm長いぶん傾斜がゆるくなっています。そのかわり、置くのに要る床の長さが増え、販売店の仕様表ではDS10/80-25の有効幅が60cmと狭くなります。

「何度なら安全」とは決められない

「自宅の敷居なら勾配◯度以下」という、歩いて使う方に向けた公的な目安は見つかりませんでした。ネット上にある勾配の数字は、多くが車いすで上り下りすることを前提にしたもので、前提がばらばらです。この記事に載せた勾配の度数はメーカー・販売店の公称値で、その角度で安全かどうかは、使う方の歩き方や、歩行器・車いすを使うかどうかで変わります。迷ったら、同じ高さで奥行の長い型を選ぶ、奥行が置けないなら担当のケアマネジャーや福祉用具専門相談員に段差の写真を見せて相談する、という順に考えてください。

出典:ケンクル 楽天市場店「段差解消スロープ 室内用 ダイヤスロープ 76cm幅」の仕様表(item.rakuten.co.jp)、てらすけ 楽天市場店「ダイヤスロープN DS76N-60」(item.rakuten.co.jp)・「ダイヤスロープ DS76-100」(item.rakuten.co.jp)・「ダイヤスロープ10 DS10/80-25」(item.rakuten.co.jp)・「ダイヤスロープ DS76-30」(item.rakuten.co.jp)、介護応援館「ダイヤスロープ DS76-30」(item.rakuten.co.jp)。いずれも2026年10月20日参照。メーカー公式の仕様表は確認できていないため、寸法と勾配は販売店の仕様表の値です。

素材・ずれ止め・高さの合わせ方

素材:発泡樹脂は軽くて切れる、硬質ゴムは重く置くだけで使う

室内用の小さなスロープでよく見かける素材は、発泡EVA・発泡PEといった発泡樹脂と、硬質ゴムです。

シンエイテクノの「タッチスロープ」やアロン化成の「安寿 段差スロープEVA」は発泡樹脂製で、軽く、カッターで切れるのが特徴です。安寿 段差スロープEVA #25は重さ約0.26kgと販売店のページに書かれています。タッチスロープは販売店によって素材の表記が発泡EVAと発泡PEに分かれていて、型番ごとに確かめる必要があります。タッチスロープ TS80-25の販売店ページ(いーねっとわかば)には、重い物の下に置いたり、ハイヒールなどで踏んだりすると跡が残って凹む、という注意書きもあります。

ダイヤスロープは硬質ゴム(合成ゴム・天然ゴム)製で、販売店ページでは「すべり止め効果のあるゴム」で置くだけで使えると説明されています。高さ3cmのDS76-30で重さ1,300gあり、高さ2.5cmの安寿 段差スロープEVA #25(約0.26kg)の5倍ほどです。

ダイヤスロープ(DS76)は室内用です。販売店ページの注意書きには、屋外では使わないこと、直射日光の当たる場所に長い時間置かないこと(退色し劣化を早めるおそれ)が書かれています。同じページの説明文に「屋外使用も可能」とある箇所もありますが、注意書きと食い違うため、この記事では注意書きに従って屋外には勧めません。屋外用は別の型番が出ています。勝手口の外側や掃き出し窓の外側に置きたい場合は、屋外用と明記された商品を探してください。

固定方法:両面テープ・置くだけ・ビス留め

固定の仕方は商品ごとに違います。タッチスロープは裏面に両面テープが2本貼ってあり、貼って固定します。安寿 段差スロープEVAも裏面に接着テープが付いています。ダイヤスロープは置くだけで使う前提で、床に固定したい場合のビス穴がありますが、ビスは別売りです。

賃貸の住宅や公営住宅では、床にビスを打つのは原状回復の問題になりやすいので避けます。両面テープも、はがしたときに床の表面を傷めないかは床材によって違うので、貼る前に管理会社や大家さんに確認しておくと、退去のときに困りません。置くだけの硬質ゴムの型は床に手を加えずに済みますが、ずれていないかを家族が帰省のたびに見ておきます。

高さを合わせる:型番で選ぶ・切る・足す

測った段差の高さにスロープを合わせる方法は、主に3つあります。

スロープの高さが段差より低いと上端に小さな段が残り、高いと上端が上の床より出っ張ります。高さが合わないまま置くと、その小さな段がつまずくきっかけになりかねないので、ここは測った数字で選んでください。

出典:いーねっとわかば「タッチスロープ TS80-25」(item.rakuten.co.jp)、carecle「シンエイテクノ タッチスロープ TS80 80cm幅」(item.rakuten.co.jp)、まごころショップ「タッチスロープ TS80-15」(item.rakuten.co.jp)・「安寿 段差スロープEVA #25」(item.rakuten.co.jp)、pandora「安寿 段差スロープEVA #25」(item.rakuten.co.jp)、てらすけ「ダイヤスロープ DS76-30」(item.rakuten.co.jp)、介護応援館「ダイヤスロープ DS76-30」(item.rakuten.co.jp)、百選横丁「ダイヤスロープ 76cm幅」(hyakuyoko.com)。いずれも2026年10月20日参照。

置いたあとに起きやすいこと

スロープは段差の角をなくしますが、そのかわりに新しい境目をつくります。置いたあとに、次のようなことが起きていないかを見てください。

車いすの事例から分かる、長さと乗り方の注意

テクノエイド協会の「福祉用具ヒヤリ・ハット情報」には、小さなスロープに関する事例が載っています。いずれも車いすの事例で、歩いて使う方を調べたものではありませんが、置き方を考える手がかりになります。

事例332は、廊下から居室へ車いすでミニスロープを上がった場面です。廊下が狭く、介助者が斜めに上がろうとしたため、車いすが横に傾いて転倒しそうになりました。要因には、スロープの斜度がきつかったこと、廊下幅が狭かったことが挙がっています。原則はスロープに対して直角に向きを整えて上ることで、斜めに上がらざるを得ない段差は床のかさ上げ(住宅改修)で解消する工夫もある、とされています。

事例411は、玄関で使う携帯用スロープが段差に対して短く、上の乗り込み口に段が残ったため、勢いをつけて越えようとして脱輪した例です。対策として、段差に見合った長さのスロープを選ぶことが挙がっています。

歩き方が急に変わったときは、道具より先に相談を

スロープは段差を越えやすくする道具で、すり足やつまずきの原因を調べたり治したりするものではありません。急に歩き方が変わった、何度も転ぶようになった、ふらつきが強い、という場合は、主治医や担当のケアマネジャー(いなければ親が住む地域の地域包括支援センター)に相談してください。

出典:テクノエイド協会 福祉用具ヒヤリ・ハット情報 事例332「ミニスロープを介助で斜めにあがろうとして、側方へ転倒しそうになる」(techno-aids.or.jp)・事例411「スロープに乗り込む段差が大きく勢いをつけたら脱輪してしまった」(techno-aids.or.jp)。事例の公表年はページに記載がありません。いずれも2026年10月20日参照。

歩行器・車いすを使う場合の見かた

家の中で歩行器や車いすを使っているなら、スロープ選びで見るところが2つ増えます。

1つめは有効幅です。商品ページには、商品の幅とは別に「有効幅」が載っていることがあり、両端のなだらかな部分を除いた幅を指すと考えられます(定義は商品ごとに確かめてください)。販売店の表記では、タッチスロープ TS80-25の有効幅は72cm、ダイヤスロープ DS76-40は66cm、ダイヤスロープ10°のDS10/80-25は60cmです(型番ごとに違うので、買う型番で確かめてください)。歩行器や車いすの車輪の外側の幅が、この有効幅に収まるかを確かめます。

2つめは乗り方です。前の章の事例332のとおり、スロープには斜めではなく直角に入るのが原則です。廊下が狭くて向きを整えられない場所は、置く位置そのものを考え直します。

歩行器の種類ごとの段差での扱い方は「屋内用歩行器の選び方」の屋内の注意点で、介護保険で借りる場合の全体は「歩行器・車椅子は買う?借りる?」で説明しています。立ち上がりや段差をまたぐときに支えがほしい場合は、壁に穴を開けずに置ける手すりもあります(「工事なしで置ける手すり」)。

比較表と、取り上げた3つのスロープ

段差の高さと置く場所が重ならないように、薄い敷居向け、切って高さを合わせる型、4cm前後の少し高めの段差向けの3つを並べました。どれも寸法・素材・固定方法を販売店の商品ページで確認できたものです。楽天のレビュー件数や評価は、店舗ごとに別に集計されていて同じ型番でも件数が違うため、選ぶ理由にはしていません。

商品素材寸法(幅×奥行×高さ)有効幅勾配(販売店の仕様)固定方法楽天の価格(税込・2026年10月20日確認)
シンエイテクノ
タッチスロープ
TS80-25
発泡EVA80×9.5×2.5cm72cm14度両面テープ(2本貼付済み)いーねっとわかば 2,233円
アロン化成
安寿 段差スロープEVA
#25
EVA76×10×2.5cm
対応段差2.3〜2.7cm
記載を確認できず記載を確認できず裏面に接着テープまごころショップ 5,490円
シンエイテクノ
ダイヤスロープ
DS76-40
硬質ゴム76×15.5×4.0cm66cm14度置くだけ(ビス穴あり・ビス別売)介護応援館 5,940円

※寸法・有効幅・勾配・素材・固定方法は楽天の各販売店ページの表記です(メーカー公式の仕様表は確認できていません)。耐荷重は、確認したどの商品ページにも数値の記載がなかったため載せていません。価格は楽天の各販売ページに2026年10月20日に表示されていた税込の金額で、店舗・時期によって変わります。同じ型番でも店によって値段が違います(例:ダイヤスロープ DS76-30は、てらすけ3,427円・介護応援館4,510円)。

以下は順位ではなく、段差の高さと合わせ方ごとの選択肢です。編集部は実物を試しておらず、点数付けもしていません。

①薄い敷居に・高さ別の型番から

2.5cm前後の敷居・ドア下に:シンエイテクノ タッチスロープ TS80-25

税込2,233円(楽天のいーねっとわかば・2026年10月20日確認。店舗・時期で変わります)

向いている方
  • 和室の敷居や洗面所のドア下など、測った段差の高さが2.5cm前後(2cmや3cmなら同じシリーズの別の高さの型番を選ぶ)
  • 床に貼って、ずれないようにしたい
気になる点
  • この店の商品名に「返品交換不可」とあり、高さを測ってから買う必要がある
  • 重い物の下に置くと凹みが残ることがある

発泡EVA製で、裏面に両面テープが2本貼ってあり、貼って固定する型です。販売店の仕様では幅80×奥行9.5×高さ2.5cm、有効幅72cm、勾配14度。幅80cmのシリーズは高さ0.5〜6.0cmの12サイズがあり、測った高さに近い型番を選べます。カッターで切って長さを合わせられ、高さは別売りの調整テープで調整できると販売店ページにあります。1cmほどの段差なら、同じシリーズの幅68cmのTS68-10(高さ1.0cm・奥行6.0cm、楽天のまごころショップで税込2,119円)もあります。

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②切って高さを合わせる

段差の高さが型番の間に入るなら:アロン化成 安寿 段差スロープEVA #25

税込5,490円(楽天のまごころショップ・2026年10月20日確認。店舗・時期で変わります)

向いている方
  • 測った高さが2.3〜2.7cmの間にある
  • 出入口の幅に合わせて切って使いたい
気になる点
  • カード①より値段が高い
  • 勾配と有効幅は、確認した販売店ページに記載がない

アロン化成の介護用品「安寿」の、EVA製の段差スロープです。販売店ページの表記は幅76×奥行10×高さ2.5cm、重さ約0.26kg、対応段差2.3〜2.7cm。カッターナイフで切れる素材なので設置する場所で高さを調節でき、高さを微調整するライナーが付いている、と説明されています。楽天のまごころショップの商品ページには、裏面に接着テープが付いていること、表面は溝と山を組み合わせた二重のすべり止め加工であること、側面は「側面からのつまづきを防ぐ端末形状」であることも書かれています(実際につまずきが減るかは、置き方や使う方の歩き方によって変わります)。シリーズには#20・#25・#30・#40・#50があります。

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③少し高めの段差に・置くだけ

4cm前後の室内の段差に:シンエイテクノ ダイヤスロープ DS76-40

税込5,940円(楽天の介護応援館・2026年10月20日確認。店舗・時期で変わります)

向いている方
  • 勝手口の内側や部屋の境目など、測った段差が4cm前後ある(3cm前後ならDS76-30、ほかの高さは0.5cm刻みの別の型番から選ぶ)
  • 床にテープを貼らずに置いておきたい
気になる点
  • 室内用で、屋外や直射日光の当たる場所では使えない
  • 奥行15.5cmぶんの床の長さが要る

硬質ゴム製で、販売店ページでは、すべり止め効果のあるゴムなので置くだけで使えると説明されています。仕様は幅76×奥行15.5×高さ4.0cm、有効幅66cm、勾配14度、重さ1,880g。床に固定したい場合のビス穴があり、ビスは別売りです。高さ0.5〜10cmまで0.5cm刻みで20種類あるので、高さ3cmならDS76-30(奥行11.5cm・14度、楽天のてらすけで税込3,427円)が候補になります。高さ6cmで奥行24.0cmが置けるなら、勾配を14度にした改良型のDS76N-60も出ています(傾斜の章。同じ改良型には高さ5.5cm・奥行22.0cmのDS76N-55もあります)。

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介護保険で借りられる?買える?

介護保険でスロープに関わるのは、福祉用具貸与(レンタル)、特定福祉用具販売(購入費の支給)、住宅改修の3つです。どれも要支援・要介護の認定を受けていることが前提です。ここでは線引きだけを短く書きます。

置くだけのスロープは、福祉用具貸与の「スロープ」

置くだけのスロープは、介護保険の福祉用具貸与の種目「スロープ」に入ります。厚生労働省の通知(老企第34号)では、利用者に合わせて改造したもの、持ち運びが容易でないもの、取り付けに工事が要るものは除かれています。

このうち、敷居などの小さな段差に置いたままにして頻繁には持ち運ばない「固定用スロープ」は、2024年4月から、貸与(レンタル)か購入かを選べるようになりました。玄関先などで使うたびに出し入れして持ち運ぶ「可搬型」は、この選択制の対象外で、貸与で使う扱いです。敷居に置いたままにするミニスロープは、固定用スロープの典型にあたります。大田区は、長く使うことが見込まれる場合は購入のほうが利用者の負担を抑えられる、と説明しています。

スロープは、要支援1・2と要介護1の方が原則として貸与の対象外になる種目(車いす・特殊寝台など7つ)には入っていません。動力で昇降する「段差解消機」は別の扱いなので、混同しないでください。

敷居を低くする・床を上げる工事は、住宅改修の「段差の解消」

同じ通知で、住宅改修の「段差の解消」から、貸与のスロープを置くことによる段差の解消は除かれています。置くだけのスロープは住宅改修の対象外です。一方、敷居を低くする工事、スロープを設置する工事、床のかさ上げは、住宅改修の「段差の解消」に当たり得ます。住宅改修は工事の前に市区町村への申請が必要で、認められるかは事前申請の審査で市区町村が判断します。工事の前に、担当のケアマネジャーと市区町村に相談してください。申請の流れは「介護保険の住宅改修の申請の流れと書類」で、家全体の改修の考え方は「実家の転びやすい場所7つ」の介護保険の章で説明しています。

自分で買ったスロープは、あとから払い戻すことは基本的にできない

介護保険でスロープを借りる・買うときは、ケアマネジャーのケアプランに沿って、指定を受けた福祉用具の事業所を通します。ホームセンターや通販で自分で買ったスロープの代金を、あとから介護保険で払い戻してもらうことは基本的にできません(購入費の支給は指定を受けた販売事業者から買った場合に限られ、通信販売での購入を対象外とする自治体もあります)。同じ型番の商品でも、どこで・どの手続きで手に入れるかで、介護保険の扱いが変わります。

どの商品を対象にするかは、市区町村ごとに基準があります。この記事の商品が固定用スロープとして認められるかは、商品の分類とケアプラン、市区町村の判断で決まります。認定を受けているなら、この記事の商品を買う前に、親が住む市区町村とケアマネジャーに確認してください。利用者の負担は原則1割(所得により2割または3割)です。

購入を選ぶときの手続きは「介護保険で福祉用具を買う申請の流れと書類」に、レンタルと購入の比べ方は「歩行器・車椅子は買う?借りる?」にまとめています。まだ認定を受けていない場合は、「親の介護は何から始める?」から進めてください。

出典:老企第34号「介護保険の給付対象となる福祉用具及び住宅改修の取扱いについて」(老高発0315第6号による改正を含む/mhlw.go.jp・PDF)、老企第34号の一部改正・新旧対照(mhlw.go.jp・PDF)、厚生労働省「福祉用具貸与と特定福祉用具販売の選択制について」(mhlw.go.jp)、厚生労働省「要支援・要介護1の者に対する福祉用具貸与について」(mhlw.go.jp・PDF)、大田区「福祉用具貸与・販売の選択制について」(city.ota.tokyo.jp)、横浜市「福祉用具購入費の支給」(city.yokohama.lg.jp)、介護事業所・生活関連情報検索「サービスにかかる利用料」(kaigokensaku.mhlw.go.jp)。いずれも2026年10月20日参照。

よくある質問

何cmの段差まで、置くだけのスロープで対応できますか?

室内用の置くだけのスロープは、高さ数cmの段差に向く道具です。高さ10cm用の型(ダイヤスロープ DS76-100)もありますが、奥行が35.4cmになり、楽天の販売店で税込29,700円です。段差が高くなるほど奥行の長いスロープが要り、置ける床の長さが足りないと傾斜が急になります。玄関の上がり框のような高い段差は、踏み台や手すりで考えてください。「何cmまでなら安全」という公的な目安は、この記事の調べた範囲では見つかりませんでした。迷うときは段差の写真を持って、担当のケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談してください。

賃貸でも使えますか?

置くだけの硬質ゴムの型や、両面テープで貼る型は、床に穴を開けずに使えます。ただ、ビスで床に留めるのは原状回復の問題になりやすいので避けてください。両面テープも、はがしたときに床の表面を傷めないかは床材によって違うため、貼る前に管理会社や大家さんに確認しておくと退去のときに困りません。

歩行器や車いすでも乗れますか?

乗れるかどうかは、スロープの有効幅(商品ページに載っている、両端のなだらかな部分を除いた幅。定義は商品ごとに確かめてください)と、歩行器や車いすの車輪の外側の幅で決まります。販売店の表記では、タッチスロープ TS80-25が72cm、ダイヤスロープ DS76-40が66cmです。テクノエイド協会のヒヤリ・ハット事例では、ミニスロープに車いすで斜めに上がろうとして横に傾いた例があり、スロープには直角に入るのが原則とされています。

介護保険で借りられますか?買えますか?

置くだけのスロープは、介護保険の福祉用具貸与の種目「スロープ」に入ります(利用者に合わせて改造したもの、持ち運びが容易でないもの、取り付けに工事が要るものは除かれます)。敷居などに置いたままにする固定用スロープは、2024年4月から貸与か購入かを選べます。使うたびに持ち運ぶ可搬型は、購入は選べず貸与で使う扱いです。どちらも認定とケアプランが前提で、指定を受けた事業所を通します。個々の商品が対象になるかは、商品の分類とケアプラン、市区町村の判断で決まります。自分で買った物をあとから払い戻すことは基本的にできないので、買う前に親が住む市区町村とケアマネジャーに確認してください。

ホームセンターや通販の物と、介護用の物は何が違いますか?

この記事では品質の違いは比べていません。違いがはっきりしているのは介護保険の扱いです。同じ型番でも、ケアプランに沿って指定事業所から借りる・買う場合は介護保険の対象になり得ますが、ホームセンターや通販で自分で買った場合は、あとから介護保険で払い戻してもらうことは基本的にできません。商品を見比べるときは、寸法・勾配・素材・固定方法が商品ページに書かれているかを確かめてください。

比較表と3つのスロープを見る