ベッドから車椅子へ一人で移せないときの道具選び|スライディングボード・介助ベルト・リフト

ベッドと車椅子、ポータブルトイレの間の乗り移りを、一人で抱えて腰がつらくなってきた方へ

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退院して家に戻ったあとや、足の力が落ちてきたころから、親をベッドから車椅子へ、車椅子からポータブルトイレへと移す場面が、一日に何度も出てきます。両脇を抱えて持ち上げるやり方を続けているうちに腰が痛くなった、二人がかりでやっと立たせている、という家庭もあると思います。スライディングボードや介助ベルト、リフトといった道具はありますが、どれが合うかは道具の良し悪しより先に、本人がどこまで自分でできるかで決まります。この記事では、本人が座っていられるか、足に体重をかけられるかで道具を分け、車椅子とベッドの側で必要な条件、介護保険で借りられるか買うことになるかを、厚生労働省の資料で確認できた範囲で説明します。介助の手順そのものは書きません。商品は実際に使って比べたものではなく、メーカーと販売店の表示をもとにしています。

先に結論

最初に見るのは、本人が支えなしで座っていられるかと、足に体重をかけて立てるかの2つです。

座っていられるけれど立つのが難しいなら、お尻を滑らせて移るスライディングボードが候補です。ただし車椅子のひじ掛け(アームサポート)を外すか跳ね上げられること、ベッドと座面の高さをそろえられることが条件になります。支えがあれば立てる方なら、移乗用の介助ベルトや、ベッドの介助バーで立ち上がりを支える方法があります。座っていることも難しい方は、移動用リフトを担当者と検討します。

どの道具も、慣れるまで時間がかかることがあり、合うかどうかは本人の状態で変わります。初めて使うときは、福祉用具専門相談員や理学療法士・作業療法士、ケアマネジャーに一度使い方を見てもらってください。介護保険では、ボードと移乗用の介助ベルトは介護ベッドの付属品として借りる扱いで、原則は要介護2以上が対象です。 → 状態別の早見表を見る

この記事で比べる3つ

価格は2026年10月8日に、楽天ボタンから開く各楽天市場店の商品ページで確認した販売価格です。同じ型番でも販売店によって価格が違い、時期によっても変わるので、購入先で最新の表示を確認してください。楽天やAmazonで買う場合は自費での購入になります(介護保険で借りる方法は介護保険の章)。どんな状態の方に向くかは比較表とカードで説明しています。

移乗のどこがつらいのかを切り分ける

「移乗がつらい」といっても、どの場面で力が要っているかは家庭ごとに違います。道具を探す前に、いつもの移り方を一度思い出して、次のどれに当たるかを見てください。

持ち上げる場面が多いなら、持ち上げずに済む道具(スライディングボードやリフト)を考えます。向きを変えるところがつらいなら、回転盤や介助ベルトが検討の候補になります。高さの違いやひじ掛けの問題は、道具を買う前に、ベッドと車椅子の側で直せることがあります(車椅子とベッドの側の条件)。

どれに当たるかを書き出しておくと、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談するときにも話が早く進みます。まだ自分でつかまって立てる方なら、まずはベッドに付ける手すり(介助バー)で立ち上がりを支える方法から考えるのが順番です。

本人の状態×道具の早見表

道具ごとに、どんな状態の方を想定しているかを、厚生労働省の「福祉用具の選定の判断基準」(令和6年8月改訂)と、職場向けの腰痛予防対策指針の考え方をもとに並べました。表は道具の向き不向きの目安で、実際に合うかどうかは本人の体の状態や部屋の広さで変わります。

本人の状態候補になる道具使える条件・注意
支えなしで座っていられる
立つ・足に体重をかけるのは難しい
スライディングボード判断基準は、座って移る機器の対象を「自分で座位を保つことができる利用者」としています。車椅子のひじ掛けを外すか跳ね上げられること、ベッドの高さを調整できることが要ります。
支えがあれば立てる
つかまれば立ち上がれる
移乗用の介助ベルト/ベッドの介助バー/回転盤介助ベルトは介助する人が握って立ち上がりを支える道具です。自分でつかまって立てるなら介助バーが先の候補になります。回転盤は商品ごとに使える場面が違います。
座っていることも難しい
移乗に全面的な介助が要る
移動用リフト(本体とつり具)平らな床と、介助する人が動くスペースが要ります。つり具の着け方を練習してから使います。
寝た姿勢のまま位置を移したいスライディングマット(シート)ベッドの上で体をずらす、寝た姿勢のまま横へ移すといった場面向けです。座って移るボードとは使う場面が違います。
つかまらずに歩ける・立ち上がれる(移乗用の道具は想定しにくい)判断基準は、歩くことや立ち上がりがつかまらないでできる方には、ボードや介助ベルトの使用は想定しにくいとしています。

※表はこの記事の編集部が判断基準と指針の記述をもとにまとめた目安です。本人の状態に合うかどうかは、主治医・リハビリの専門職・福祉用具専門相談員に確認してください。

根拠にした2つの資料

1つ目は、厚生労働省が令和6年8月2日付で示した「介護保険における福祉用具の選定の判断基準」です。スライディングボード・スライディングマットについて、歩くことや立ち上がりが「つかまらないでできる」方には使用が想定しにくいとし、留意点として、座って移る機器を使う場合は「自分で座位を保つことができる利用者」が対象になると書いています。座っている姿勢が不安定な場合や、移乗を自分でできるようになることを目的に使う場合は、医師やリハビリの専門職などに意見を求めることが望ましい、とも書かれています。移動用リフトについては、ベッドから車椅子などへの移乗が自力では難しい場合に使うもので、移乗や立ち上がりができる場合の使用は想定しにくいとしています。

2つ目は、平成25年に改訂された「職場における腰痛予防対策指針」です。介護施設など職場向けの指針ですが、移乗介助について、全介助が必要な方にはリフトなどを積極的に使い、原則として人力で抱え上げないこと、座っていられる方にはスライディングボードなど、立っていられる方にはスタンディングマシーン(立位を補助する機器)などの使用も含めて検討することを求めています。家族の介護に当てはめる決まりではありませんが、「持ち上げずに、滑らせる・高さをそろえる」という考え方は、家での移乗を見直すときにも参考になります。

出典:厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1296「介護保険における福祉用具の選定の判断基準について」令和6年8月2日(mhlw.go.jp)、厚生労働省「職場における腰痛予防対策の推進について」平成25年6月18日 基発0618第1号(mhlw.go.jp)、厚生労働省「保健衛生業における腰痛予防」(mhlw.go.jp)(いずれも2026年10月8日参照)。

道具を入れても楽にならないことがある

スライディングボードは、借りても最初はうまく使えないことがあります。道具を入れる前に知っておきたいことを挙げます。

家族の側の力が足りないから移せない、と考える必要はありません。介護の仕事の現場向けの指針でも、全介助の方は原則として人力で抱え上げず、リフトなどの道具を使うことを求めています。道具を使うのは、力が足りないからではなく、腰を痛めないためです。一人で抱えているなら、道具と人の手をどう組み合わせるかを担当者と考える段階に来ている、と受け取ってください。介護する側の疲れが積み重なっているときは、介護する側の睡眠を取り戻す順番も参考になります。

スライディングボードの選び方

スライディングボードは、ベッドと車椅子の座面の間に渡し、お尻を滑らせて移るための板です。判断基準では、臥位や座位で介護ベッドから車椅子などへ移るとき、お尻が滑りやすく、すき間や突起を越えやすいように、両者の間に敷いて使う道具と説明されています。多くはプラスチック製で、木製のものもあります。選ぶときに見る点は次のとおりです。数値は、この記事で比べる2枚の販売店ページの記載です。

  1. 長さ:ベッドの端から車椅子の座面まで、すき間をまたいで両側にかかる長さが要ります。①MEMVは長さ78cm、②ラクイジョーボードは76cm(販売店の表示では「幅76cm」)です。長いほど間をまたぎやすい一方、置き場所や持ち運びの手間は増えます。
  2. 幅と形は、お尻を載せる面の広さと、車輪をよけられるかに関わります。①は幅38cmのブーメラン型です。②は販売店の表示では「幅76×奥行27cm」で、お尻を載せる側の短い辺は27cmです(ここでは①とそろえるため、販売店の表示とは寸法の呼び方を変えて比べています)。形の違いで車椅子のどこに当たるかが変わるので、手元の車椅子で置き方を確かめてください。
  3. 厚さとしなりも見ておきます。①は厚さ0.5cmで、販売店は「柔らかめの素材で抜き差しがしやすく」「しなりのある素材」と説明しています。②は厚さ1.5cmです。厚さだけで使いやすさは決まらないので、試せるなら実物で確かめます。
  4. 耐荷重:①は130kg、②は約85kgと販売店のページにあり、1.5倍以上の開きがあります。本人の体重に対して余裕があるかを確かめてください。
  5. 裏面の滑り止めは、ボードが座面の上でずれないためのものです。販売店の説明では、①は裏面に滑り止めシート、②は裏の両端にシリコンの滑り止めが付いています。お手入れの方法は取扱説明書で確認します。

介護保険で借りる場合は、福祉用具貸与事業所が扱う商品の中から選ぶことになります。どの形が合うかは、福祉用具専門相談員に相談してから決めます。

出典:厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1296(mhlw.go.jp)、楽天市場 介護ミニロク「イージーモーション MEMV Bタイプ モルテン」(商品ページ)、楽天市場 楽々健「スライディングボード『ラクイジョーボード』」(商品ページ)(いずれも2026年10月8日参照)。

車椅子とベッドの側で必要な条件

判断基準は、スライディングボードを使うにあたって「特殊寝台の高さを調整する、車いすのレッグサポートを着脱式にする、車いすのアームサポートを脱着・跳ね上げできるようにするなど環境を整えることも必要」と書いています。ボードだけ買っても、車椅子のひじ掛けが外せない、ベッドと座面の高さがそろわない、といった状態だと、お尻を横へ滑らせて移ることができません。

車椅子:ひじ掛けと足置きが外れるか

横からお尻を滑らせるには、ベッドに近い側のひじ掛け(アームサポート)が邪魔になります。手元の車椅子のひじ掛けが、跳ね上げ式か取り外し式か、フレームと一体の固定式かを確かめてください。足を載せる部分(レッグサポート・フットサポート)も、外すか横に開ければ足が引っかかりにくくなります。移る前に車椅子のブレーキをかけることは、どの方法でも共通です。

今の車椅子のひじ掛けが固定式なら、ボードを使うには車椅子の見直しも必要になります。自走式か介助式かといった車椅子そのものの選び方は「自走式と介助式の車椅子、どっちを選ぶ?」に、ひじ掛けが跳ね上げ式の軽量車椅子の例や、車の座席との乗り移りについては「通院用の軽量折りたたみ車椅子の選び方」にまとめています。

ベッド:高さをそろえられるか

ボードで移るときは、ベッドと車椅子の座面の高さをそろえるか、移る先を少し低くします。高さを変えられる介護ベッド(特殊寝台)なら調整しやすく、高さを変えられないベッドや布団では条件がそろいにくくなります。ベッドの柵や手すりのすき間に体が挟まらないかの確認は、「ベッドに付ける手すりの選び方」で説明しています。

ポータブルトイレへの移乗も、高さとひじ掛けの考え方は同じです。トイレ本体の選び方と置き場所はポータブルトイレの選び方にあります。

出典:厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1296「介護保険における福祉用具の選定の判断基準について」(4-5)スライディングボード・スライディングマット(mhlw.go.jp・2026年10月8日参照)。

介助ベルト・回転盤・リフトはどんなときか

移乗用の介助ベルト(立ち上がりを支える場面)

介助ベルトは本人の腰に巻き、介助する人が持ち手を握って、起き上がりや立ち上がり、移乗を支えるための道具です。服やズボンをつかむ代わりに、握る場所を作るものと考えると分かりやすいと思います。判断基準によると、歩くことや立ち上がりがつかまらないでできる方には、使用は想定しにくいということです。この記事では、支えがあれば立てる方の道具として整理しました。

同じ「介助ベルト」でも、お風呂で使う入浴用介助ベルトは、介護保険では別の扱いになります。幸和製作所のテイコブでは、移乗用がAB31、入浴用はAB01・AB21と型番も違うので、買うときは型番を確かめてください。本人が自分でつかまって立てるなら、ベッドの介助バーのほうが先の候補になります(ベッド用手すりの記事)。

回転盤(向きを変える場面)

回転盤(ターンテーブル)は、体の向きを変えるときに使う道具です。この記事では、立ったあとに足が出ず、向きを変えるところで止まってしまう場面の候補として挙げています。どの姿勢で使うか、どのくらい自分で立っていられる必要があるかは商品によって違うので、合うかどうかは福祉用具専門相談員やリハビリの専門職に確認してください。介護保険の貸与・購入の種目名に「回転盤」という名前は出てきません。保険の対象になるかは商品によって異なるため、担当者に確認してください。

移動用リフト(座っていることも難しい場面)

移動用リフトは、つり具(体を包むシートやベルト)や台座で体をつり上げ、または体重を支えて移すための機器です。型式には、床をキャスタで動く床走行式、居室や浴室などに固定する固定式、床に置いて使う据置式があります。判断基準は、ベッドから車椅子などへの移乗が自力では難しい場合に使うものとしています。

家で使うには、条件がいくつかあります。床走行式は、リフトが動ける平らな床と、介助する人が動くスペースが要り、畳や毛足の長い絨毯の上では使い方に工夫が要る、と判断基準にあります。ベッドで使う場合はベッドの下にリフトの脚(ベース)が入る高さがあるか、車椅子で使う場合は車椅子の大きさや足置きの位置も検討します。

リフトは操作の方法とつり具の着け方を身につけてから使う道具で、判断基準も「介護者の介護力に配慮した指導を行う」ことを求めています。つり具は本人の体に合ったものを選ぶ必要があり、リフト本体とは別に用意します(本体は貸与、つり具は購入。介護保険の章)。一人で操作できるかどうかは、機種と本人の状態、部屋の広さで変わるので、導入するときは福祉用具専門相談員に実際に操作しながら教わってください。

出典:厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1296「介護保険における福祉用具の選定の判断基準について」(4-6)介助用ベルト、(12)移動用リフト、(12-1)床走行式、(19)移動用リフトのつり具の部分(mhlw.go.jp)、幸和製作所「テイコブ移乗用介助ベルト AB31」(kowa-seisakusho.co.jp)(いずれも2026年10月8日参照)。

3商品の比較表

座って移る場面のスライディングボードを2枚と、立ち上がりを支える場面の移乗用介助ベルトを1本選びました。①と②は、耐荷重と形、価格の違いで比べています。数値は、①②が楽天ボタンから開く販売店ページの記載、③がメーカー公式ページと販売店ページの記載です。価格は2026年10月8日に、楽天ボタンから開く店で確認した販売価格です。実物を使って比べたものではありません。ほかの歩行・移動の用品は「歩行・移動の介護用品」から探せます。

商品(メーカー)向いている方サイズ耐荷重など価格(楽天・確認日)介護保険の扱い
①イージーモーション Bタイプ MEMV
モルテン・スライディングボード
座っていられるが立てない。体重に対して耐荷重の余裕を持たせたい幅38×長さ78×厚さ0.5cm
ブーメラン型・ABS樹脂・裏面に滑り止めシート
耐荷重130kg11,350円
介護ミニロク・2026年10月8日確認・変動あり
種目上は特殊寝台付属品(貸与)。この商品が対象かは事業者・ケアマネジャーに確認
②ラクイジョーボード
楽々健・スライディングボード
座っていられるが立てない。体重が85kgに収まる幅76×奥行27×高さ1.5cm
重量約1.6kg・本体PE-HD・裏の両端にシリコンの滑り止め
耐荷重約85kg7,980円
楽々健・2026年10月8日確認・変動あり
種目上は特殊寝台付属品(貸与)。この商品が対象かは事業者・ケアマネジャーに確認
③テイコブ 移乗用介助ベルト AB31
幸和製作所
支えがあれば立てる。立ち上がりで握る場所がほしい幅12×長さ135cm
適応胴囲 約60〜130cm
最大使用者体重100kg
(販売店の記載)
17,642円
マツヨシ・2026年10月8日確認・変動あり
種目上は特殊寝台付属品(貸与)。入浴用のAB01・AB21は購入の別区分。この商品が対象かは事業者・ケアマネジャーに確認

※①②の数値は楽天の販売店ページ(介護ミニロク・楽々健)の記載です。③の寸法・適応胴囲・TAISコードはメーカー公式ページ、最大使用者体重は楽天の販売店(リコメン堂)ページの記載で、メーカー公式ページには最大使用者体重の記載が見当たりませんでした。楽天で買う場合は自費での購入になります。価格は販売店と時期で変わるため、購入先で最新の表示を確認してください。

①と②はどちらもボードですが、耐荷重は①が130kg、②が約85kgで、45kgの差があります。価格は②のほうが3,370円安く表示されていました(2026年10月8日の楽天の表示)。本人の体重に対して耐荷重の余裕があるか、手元の車椅子にどちらの形が置きやすいかで考えます。③は移り方そのものが違う道具で、ボードの代わりではありません。本人が座っていられるか、支えがあれば立てるかで、①②と③のどちらの系統かが分かれます。

耐荷重130kg
🛏️

耐荷重に余裕を持たせたい方に:イージーモーション Bタイプ MEMV(モルテン)

幅38×長さ78×厚さ0.5cm・耐荷重130kg(販売店の記載)/11,350円(介護ミニロク・2026年10月8日確認・変動あり)

向いている方
  • 自分で座っていられるが、立つのは難しい
  • 体重に対して耐荷重の余裕を持たせたい
気になる点
  • ②より価格が高い
  • ブーメラン型が手元の車椅子に置きやすいかは、実物で確かめたい

モルテンのスライディングボード「イージーモーション」のBタイプ(ブーメラン型)です。ボタンのリンク先の楽天 介護ミニロクの商品ページには、幅38×長さ78×厚さ0.5cm、材質ABS樹脂、裏面に滑り止め、耐荷重130kgと記載されています。販売店は、柔らかめの素材で抜き差しがしやすく、しなりのある素材で折れ曲がりにくい、と説明しています。同じ型番でも、楽天では販売店によって価格が違いました。介護保険では、ボードは介護ベッドの付属品(特殊寝台付属品)として借りる種目に当たりますが、この商品が借りられるかは福祉用具貸与事業所やケアマネジャーに確認してください。

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価格を抑える
🪑

まずボードを試したい方に:スライディングボード「ラクイジョーボード」(楽々健)

幅76×奥行27×高さ1.5cm・重量約1.6kg・耐荷重約85kg(販売店の記載)/7,980円(楽々健・2026年10月8日確認・変動あり)

向いている方
  • 自分で座っていられるが、立つのは難しい
  • 体重が耐荷重(約85kg)に余裕をもって収まる
気になる点
  • 耐荷重は約85kgで、①より45kg低い
  • お尻を載せる側の短い辺(販売店の表示では奥行)は27cmで、①の幅38cmより11cm短い

楽々健の楽天市場店で売られているスライディングボードです。商品ページには、幅76×奥行27×高さ1.5cm、重量約1.6kg、耐荷重約85kg、本体の素材はPE-HDで、裏の両端にシリコンの滑り止めが付いていると記載されています。同じ楽々健には長さ70cmの別のスライディングボード(商品番号ar-093)もあり、寸法と価格が違うので、買うときは商品名の「ラクイジョーボード」を確かめてください。①より価格は抑えめですが、耐荷重に差があるので、本人の体重と照らして選んでください。

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立ち上がりを支える
🤝

支えがあれば立てる方の移乗に:テイコブ 移乗用介助ベルト AB31(幸和製作所)

幅12×長さ135cm・適応胴囲 約60〜130cm(メーカー表示)/17,642円(マツヨシ・2026年10月8日確認・変動あり)

向いている方
  • 支えがあれば立てるが、立ち上がりで介助する人が握る場所がほしい
  • 服やズボンをつかんで支えている
気になる点
  • 立ち上がりを支える道具なので、立てない方・座っていられない方は、ボードやリフトを担当者と検討する
  • 価格は販売店によって開きがある

幸和製作所のテイコブ「移乗用介助ベルト」です。メーカー公式ページでは、幅12×長さ135cm、適応胴囲は腰骨付近を目安に約60〜130cm、本体の外側はナイロン、持ち手はポリプロピレンとポリウレタン、TAISコードは00030-000142と表示されています。最大使用者体重100kgは楽天の販売店(リコメン堂)のページの記載です。同じテイコブの入浴用介助ベルト(AB01・AB21)とは別の商品で、介護保険上の扱いも違うので、型番がAB31かを確かめてください。楽天では販売店によって価格に開きがあり、2026年10月8日にはマツヨシで17,642円、リコメン堂で19,060円の表示でした。

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出典:楽天市場 介護ミニロク「イージーモーション MEMV Bタイプ モルテン」(商品ページ)、楽々健「スライディングボード『ラクイジョーボード』」(商品ページ)、マツヨシ「テイコブ移乗用介助ベルト AB31」(商品ページ)、リコメン堂「テイコブ 移乗用介助ベルト AB31-GR」(商品ページ)、幸和製作所「テイコブ移乗用介助ベルト AB31」(kowa-seisakusho.co.jp)(いずれも2026年10月8日参照・価格は同日時点)。

介護保険の扱い(借りるか、買うか)

移乗の道具は、介護保険では種類によって「借りる(福祉用具貸与)」と「買う(特定福祉用具販売)」に分かれます。厚生労働省の通知(老企第34号)と判断基準で確認できた区分は次のとおりです。

道具介護保険の区分
スライディングボード・スライディングマット福祉用具貸与の「特殊寝台付属品」(借りる)
移乗用の介助ベルト(介助用ベルト)福祉用具貸与の「特殊寝台付属品」(借りる)
入浴用介助ベルト特定福祉用具販売の「入浴補助用具」(買う)
移動用リフトの本体福祉用具貸与(借りる)。取付けに住宅の改修を伴うものは除く
移動用リフトのつり具特定福祉用具販売(買う)
回転盤種目名には出てこない。商品ごとに担当者に確認

通知(老企第34号)は、介助用ベルトの定義の中で、特定福祉用具販売の入浴補助用具にあたる「入浴用介助ベルト」を除くと書いています。名前が似ていても、移乗用は借りる、入浴用は買う、と区分が分かれています。2024年4月から、固定用スロープ・歩行器・歩行補助つえの一部は借りるか買うかを選べるようになりましたが、ボード・介助ベルト・リフトはその対象ではありません。

ボードと介助ベルトは「介護ベッドの付属品」として借りる

ボードと移乗用の介助ベルトは「特殊寝台付属品」に当たります。通知は、この付属品を「特殊寝台の貸与の際に併せて貸与される付属品又は既に利用者が特殊寝台を使用している場合に貸与される付属品」と定めています。言い換えると、介護ベッド(特殊寝台)と一緒に借りるか、すでに介護ベッドを使っていることが前提です。布団で寝ている場合や、介護ベッドを自費で買って使っている場合の扱いは、担当のケアマネジャーや実家のある市区町村に確認してください。

どの商品が借りられるかは、福祉用具貸与事業所が扱っている商品と、ケアプランの中身によります。この記事の①②③が対象になるかも、事業所とケアマネジャーに確認してください。楽天やAmazonで買う場合は、介護保険は使えず、自費での購入です。借りる場合の自己負担は、費用の1割(一定以上の所得がある方は2割または3割)です。

要介護1以下は原則対象外。要介護2以上でも誰でも借りられるわけではない

要支援1・2と要介護1の方は、介護ベッドとその付属品(ボード・介助ベルトを含む)、移動用リフトの本体の貸与が、原則として保険給付の対象外です。判断基準でも、ボードと介助ベルトの「使用が想定しにくい要介護度」は介護ベッドと同じとされています。目安は要介護2以上ですが、要介護2以上なら誰でも借りられるわけではありません。歩くことや立ち上がりがつかまらないでできる方には使用が想定しにくい、とも書かれており、借りられるのは、本人の状態をもとに担当のケアマネジャーが判断し、ケアプランに入れた場合に限ります。なお判断基準は、床走行式・固定式の移動用リフトについては、要介護2も「使用が想定しにくい要介護度」に入れています。リフトを借りられるかも、担当のケアマネジャーに確認してください。

軽度の方にも例外があります。ボードと介助ベルトは介護ベッドと同じ扱いで、日常的に起き上がりが難しい方、または日常的に寝返りが難しい方に限って、例外として借りられる場合があります。移乗そのものの難しさではなく、起き上がりと寝返りで見る点が、移動用リフト(立ち上がりや移乗の介助の必要性などで見ます)とは違います。認定調査の結果がこの条件に当たらない場合でも、医師の所見とケアマネジャーの判断を踏まえ、市区町村が確認する仕組みがあります。例外に当たるかどうかは、担当のケアマネジャーと市区町村が確認して判断します。手続きの細かな運用は市区町村によって異なることがあります。

リフトは本体を借り、つり具は買う

移動用リフトは本体が貸与、体を包んで持ち上げるつり具の部分が特定福祉用具販売です。判断基準は、つり具を「身体に適合するもので、移動用リフトに連結可能な福祉用具」と説明しています。特定福祉用具販売は同一年度10万円までが対象で、いったん全額を払い、費用の9割が介護保険から払い戻されます(一定以上所得のある方は払い戻しの割合が8割または7割になります)。購入は指定を受けた事業者から行います。手すりの取付けなどの住宅改修(支給限度基準額20万円)とは別の枠です。天井にレールを付けるなど、取付けに住宅の改修を伴うリフトは貸与の対象から除かれているので、設置を考えるときはケアマネジャーと市区町村に確認してください。

費用の一般的な比べ方(買う場合と借りる場合の考え方)は「歩行器・車椅子は買う?借りる?」にまとめています。

相談の順番

  1. 要介護認定をまだ受けていなければ、市区町村の窓口か地域包括支援センターに相談して申請します(最初の電話と要介護認定の手続き)。
  2. 担当のケアマネジャーに、移乗のどこがつらいか(切り分けの内容)と、本人が座っていられるか・立てるかを伝えます。
  3. ケアプランに位置づけられたら、福祉用具専門相談員が道具を選び、使い方を説明します。借りた場合は、使い始めてからも担当者がモニタリング(使っている様子の確認)を行う流れになっています。

要介護度ごとの状態の目安は「要支援1〜要介護5の目安と区分の違い」にあります。

介護保険の申請の流れを見る

出典:厚生労働省「介護保険の給付対象となる福祉用具及び住宅改修の取扱いについて」平成12年1月31日 老企第34号(mhlw.go.jp 法令等データベース)、厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1296「介護保険における福祉用具の選定の判断基準について」令和6年8月2日(mhlw.go.jp)、厚生労働大臣が定める特定福祉用具販売に係る特定福祉用具の種目(平成11年厚生省告示第94号)(mhlw.go.jp 法令等データベース)、厚生労働省 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの?-福祉用具貸与」(kaigokensaku.mhlw.go.jp)、「どんなサービスがあるの?-特定福祉用具販売」(kaigokensaku.mhlw.go.jp)、厚生労働省「居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について」平成12年3月8日 老企第42号(mhlw.go.jp 法令等データベース)、厚生労働省「福祉用具貸与・特定福祉用具販売の流れ」(mhlw.go.jp)(いずれも2026年10月8日参照)。

よくある質問

スライディングボードは介護保険で借りられますか?

スライディングボードは、介護保険の福祉用具貸与の「特殊寝台付属品」に当たり、借りる扱いです。通知上は、介護ベッドと一緒に借りるか、すでに介護ベッドを使っていることが前提です。要支援1・2と要介護1の方は原則として対象外で、日常的に起き上がりや寝返りが難しい方などに例外があります。要介護2以上でも、借りられるのは、本人の状態をもとに担当のケアマネジャーが判断し、ケアプランに入れた場合に限ります。まずはケアマネジャーに相談してください。

ひじ掛けが外れない車椅子でも、ボードは使えますか?

横からお尻を滑らせるには、ベッドに近い側のひじ掛けが邪魔になります。厚生労働省の判断基準も、ボードを使うにあたって車椅子のアームサポートを脱着・跳ね上げできるようにするなど環境を整えることが必要としています。ひじ掛けが固定式の車椅子なら、車椅子の見直しも含めて、福祉用具専門相談員やケアマネジャーに相談してください。

ポータブルトイレへの移乗にも使えますか?

ベッドとポータブルトイレの間でも、高さをそろえる、ひじ掛けを外せるかを確かめる、という考え方は同じです。ただしトイレ側の形や置き場所によって、ボードを渡せるかどうかが変わります。トイレでの使い方は、福祉用具専門相談員に実際の配置を見てもらってから決めてください。ポータブルトイレ本体の選び方と置き場所は、ポータブルトイレの選び方の記事にまとめています。

家族一人でリフトは使えますか?

機種と本人の状態、部屋の広さで変わるので、一概には言えません。厚生労働省の判断基準は、リフトを使うには操作の方法とつり具の着け方を身につける必要があるとし、介護者の介護力に配慮した指導を行うことを求めています。導入するときは、福祉用具専門相談員に実際に操作しながら教わり、何度か練習してから使ってください。

移乗で腰が痛くなりました。家族はどこに相談すればいいですか?

介護のやり方や道具のことは、担当のケアマネジャーに相談してください。担当がいなければ、親の住む地域の地域包括支援センターが窓口です。道具の使い方は福祉用具専門相談員、本人の体の動かし方はリハビリの理学療法士・作業療法士に見てもらえるよう、ケアマネジャーに頼むこともできます。ご自身の腰の痛みが続くときは、医療機関を受診してください。

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